【K-1 WORLD GP 2017 JAPAN 】初のさいたま大会なのに日本人が決勝にいない恐れも…

2017.05.19 12:47 Vol.691

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K-1 WORLD GP 2017 JAPAN 〜第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント〜

トーナメントに参戦する城戸、廣野、中島、日菜太(左から)

トーナメントに参戦する城戸、廣野、中島、日菜太(左から)

 新生K-1が初めてさいたまスーパーアリーナに進出する「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN 〜第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント〜」(6月18日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ)はプレリミナリーファイトを含め全18試合がラインアップされた。

 大会の最大の目玉は「第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」。この−70kgという階級は日本人選手にとってはかなりハードルが高い。かつてのK-1 WORLD MAXまでさかのぼっても世界王者となったのは魔裟斗だけ。日本人としては−70kgというと大型の選手となるのだが、ヨーロッパなどではこの階級が最も選手層が厚いというのがその理由。

 今回のトーナメントには日本からは城戸康裕、廣野祐、中島弘貴、日菜太の4選手がエントリーされた。1回戦ではそれぞれ強豪外国人選手と対戦する。
 これまで新生K-1で行われた世界トーナメントでは日本人選手が多く勝ち上がり、ほとんどの決勝のリングには必ず一人は日本人選手が立っていた。外国人選手同士の決勝となったのは昨年6月の「−65kg世界最強決定トーナメント」と2015年に行われた「−70kg初代王座決定トーナメント」だけ。やはり重い階級では日本人は分が悪い。

 今回のメンバーを眺めると1回戦で日本人が全部消えてしまう可能性もゼロではない。それだけに4選手たちの危機感は相当なもの。

 日菜太は「日本人が1回戦で全滅したら、もうスーパー・ウェルター級でトーナメントをやる意味がなくなると思う。だから僕が何としても優勝して、スーパー・ウェルター級を終わらせたくないという気持ちがある」とまで言う。ともにKrushのリングでジョーダン・ピケオーに敗れている廣野と中島の「きつい試合になる」というコメントは特に重い。

 そして試合前のプロモーションではひょうきんキャラで大会を盛り上げる城戸ですら「1回戦突破以外考えていない。準決勝・決勝を考えて対策を練る余裕なんてない」と真顔で語るほど。

 記念すべき初のさいたまスーパーアリーナ大会のメーンを外国人同士の決勝にしてしまってはイマイチ盛り上がりに欠ける? ここは4選手の奮起に期待したいところだ。
ついにタイトルをかけて対戦するゲーオ(左)と野杁 早くもタイトル戦のウェイ・ルイ(右)
ついにタイトルをかけて対戦するゲーオ(左)と野杁 早くもタイトル戦のウェイ・ルイ(右)
ゲーオvs野杁、ウェイ・ルイvsゴンナパーの2大タイトルマッチ

 トーナメント以外のスーパーファイトも豪華な顔ぶれが揃った。まずは2大タイトルマッチ。

 スーパー・ライト級王者ゲーオ・ウィラサクレックに野杁正明が挑戦する。2人は2015年に一度試合が組まれたのだが、その時はゲーオが1カ月前にムエタイルールの試合に出場し、その時の負傷がいえず中止になるという因縁がある。その後、昨年6月の「−65kg世界最強決定トーナメント」の準決勝でやっと初対戦が実現したものの、野杁は判定で敗れている。もっとも、この時は両者の1回戦でのダメージに大きな差があったことから額面通りには受け取れない。

 前回大会ではリベンジに燃える山崎秀晃を一蹴し、改めてその凄みと実力を見せつけたゲーオ。今回、野杁が敗れると本格的に日本人では挑戦者が見当たらない状況となってしまう。今後、ゲーオが階級を変更して新たな戦いの場に移ってしまえば、この階級はゲーオに勝てなかった選手たちで争うことになってしまい、それではカッコがつかないだけに、なんとしても野杁には一矢を報いてほしいところだ。

 2月大会で中国人として初のK-1王者となったライト級王者のウェイ・ルイが早くも防衛戦。挑戦者はゴンナパー・ウィラサクレック。スーパー・ウェルター級が「外国人天国」になってしまう懸念が指摘されるなか、ライト級でもその兆しが…?


平本がSライト級で再始動

 先ほどゲーオの相手がいなくなってしまう可能性があると書いたが、そこに待ったをかけるのが平本蓮。平本はライト級トーナメントの決勝でルイに敗れてしまったが互角の戦いを見せ、今回からスーパー・ライト級に階級を上げ、かつてK-1MAXで活躍したアルトゥール・キシェンコが推薦するロシアのウマル・バスハエフと対戦する。ここは圧倒的な強さを見せて、打倒ゲーオに名乗りを上げたいところだ。
結果次第ではフェザー級の勢力図が大きく変わる。小澤(左)と西京の対戦
結果次第ではフェザー級の勢力図が大きく変わる。小澤(左)と西京の対戦
フェザー級の小澤vs西京はメインアリーナ大会につながるカード

 最近、やや凪の状態の感があるのがフェザー級。昨秋のトーナメントで優勝した武尊(顔写真)がその時のケガで長期欠場したことが原因なのだが、階級を上げてもライバル不在というのがもうひとつの要因だ。

 昨年、執拗に武尊をつけ狙い、名実ともにキャリアアップした小澤海斗なのだが直接対決で2連敗という事実は大きい。逆にその小澤を破ってキャリアアップを狙うのが西京春馬。西京は4月のKrushで「初代K-1フェザー級王座決定トーナメント」で3位に入ったエリアス・マムーディを破り、小澤の持つKrush−58kg王座に手が届くところにまできた。しかしこのカードはK-1で実現することとなった。小澤にとっては武尊と同門の西京を倒せば、3度目の武尊戦をアピールしやすくなる。西京が勝てば武尊との対戦は卜部兄弟の兄弟対決並みの話題を呼びそう。どちらが勝ってもフェザー級が活気づくことになる。その中心となる武尊は心配された前回大会でのローブローのダメージもいえ、連続参戦しブバイサ・パスハエフと対戦。前回に続きKOで勝って「1年間全試合KO勝ち」の目標にまた一歩近づくことができるか…。
あわや乱闘! 大雅と皇治から目が離せない
あわや乱闘! 大雅と皇治から目が離せない
大雅が王者の貫禄か、皇治が真のアンチヒーローとなるのか

 武尊と小澤の遺恨試合がひと段落つき、2人の対戦も新たな展開を見せるのではないかと思われるなか、また新たな遺恨試合となりそうなのがスーパー・フェザー級の大雅と皇治。カード発表会見では皇治が大雅をちゃかしまくり、最後はついに大雅がキレ、あわや乱闘の結末となった。大雅からすると「あれだけの選手が揃ったトーナメントで優勝したのに、なぜ皇治なのか?」という思いが強い。

 一方、皇治は昨年、卜部功也に挑発を繰り返したものの試合では敗れてしまっているだけに、今回は結果が欲しいところ。他のK-1選手にはないこのキャラは貴重なだけに、ここで真のアンチヒーローとしての地位を確立できるか——皇治にとっては大きな分岐点となる試合となる。

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