夏食材の“頂点”を堪能できる和食の店「高瀬(代々木)」

おいしいものがあると聞けば、調査に行かずにはいられない「東京グルメ探偵」。メタボを気にしつつも食べ過ぎてしまうのがたまにキズ。さて、今日のタレコミは…?

鱧(ハモ)の刺し身

■夏食材の頂点・ハモを堪能!
季節の移り変わりを感じると、やはり旬のグルメを味わいたくなるのが日本人。初夏〜夏の旬食材は数多あれど、中でも東京人の羨望をかきたてるのがハモだ。京都の夏に欠かせない食材であるハモは、東京の庶民にとってはちょっと敷居が高い存在。「この時期はハモがよろしおすえ」などと言われても「じゃ、お吸い物を」とお願いするのが精いっぱい。でも、日本の四季を語るなら、夏食材の頂点・ハモをお吸い物以外でも味わってみたい…。

そこでやってきたのが代々木にある和食の店『高瀬』。こちらは有名料亭で長年修行を積んだ高瀬亘氏が店主を務める店。フグのコース料理(1万5500円〜)のほか、ハモやアユなど旬の高級食材を生かした懐石料理コース(「檜」9500円、「松」1万2500円)を味わうことができる。5月から9月初旬まで提供されるハモ懐石を体験することに。

秋田から直送されたジュンサイや初物アユなど、前菜からこだわりの旬食材が満載。ふぐコースも人気の同店ならでは、食前酒のヒレ酒ともよく合う。季節を味わう豊かさに浸ったら、いよいよハモ料理の登場だ。まずは美しく透き通った刺し身を寄せ醤油でいただく。ハモの身にはびっしりと小骨があり、腕の良い板前による“骨切り”が必要なことも、高級料理となっている理由の一つ。この日も、高瀬氏自ら1匹につき600本近い骨を1本1本丁寧に取り除き、刺し身に仕上げてくれている。

懐石料理コース『松』(1万2500円) 5〜9月初旬は鱧(はも)懐石。前菜盛り合わせ、鱧湯引き、鱧フライなど9品。

■〆はビール衣で揚げたハモとワラビの土鍋ご飯
和食の奥深さに感じ入ったところで、梅肉&イタドリ、寄せ醤油、スイカ&ライムを乗せたハモのフライが登場。ハモをフライにするとはなんという贅沢。恐縮しながらひと口かじってみると…“究極対至高”越えの白身フライをここに発見! 淡泊なようでいてしっかりとしたうま味を持つハモの身は油との相性も抜群。天ぷらもいいけれどフライも格別だ。

これまではハモといえばお吸い物か湯引きしか思い浮かばなかったけれど、ハモの世界とは、ここまで豊かで奥深いものだったのですね。〆にはビール衣で揚げたハモとワラビの土鍋ご飯。優しくも贅沢な味わいが後を引く。〆と言いつつ、おにぎりにして持って帰りたいほど。ここまできちんとハモを頂けば、これからは「ハモもよろしおすな」と返せそう。

高瀬
【住所】渋谷区代々木1-27-5 市川ビル 1F
【営業時間】11時30分〜14時、17〜23時(L.O.22時)
【TEL】03-5371-8872
【ホームページ】http://takase-yoyogi.com/