「Krush.78」佐々木vs谷山の-63kgタイトル戦は汚名返上の舞台

2度目の防衛戦に臨む佐々木大蔵(©Good Loser)

「Krush.78」(8月6日、東京・後楽園ホール)で開催される「Krush -63kgタイトルマッチ」で対戦する王者・佐々木大蔵と挑戦者・谷山俊樹。対戦を前に2人の声が届いた。

佐々木「ベルトを防衛してK-1の舞台にもう一度リベンジしたい」
――2月の初代K-1ライト級王座決定トーナメントでは1回戦でウェイ・ルイに敗れてしまいましたが、あの試合でどんなことを感じましたか?
「K-1という大きな舞台で、いつもより体重も500g軽かったりして、自分にとっては収穫があった大会でした。本来の力が出せなかったと言ってしまえば言い訳にしか過ぎないのですが、ウェイ・ルイ選手が優勝してくれたことがせめてもの救いだったかなと思います(苦笑)。今はウェイ・ルイ選手との再戦を目標にして、しっかりリベンジできるようにトレーニングを積んでいます」

――佐々木選手もウェイ・ルイに負けるまでは連勝していましたが、実力を出せなかったという反省点があったのですか?
「自分自身、連勝していてどこか浮かれていた部分もあったのかなと思います。あそこでウェイ・ルイ選手に負けて、より一層、気を引き締めないといけないと思いましたね」

――改めて自分は世界のトップと戦って勝っていくことが目標だと感じましたか?
「そうですね。Krush-63kgのベルトを獲って、どこかでちょっと満足していた自分もいたのかなと思います。現状に満足せずにまだまだと思っている選手のほうが強くなっていくと思うし、自分もKrush-63kgのベルトを獲った時に、それを実感していたので、その想いを込めて試合をしていけたらと思います」

――2月の試合を終えてからは、どんなことを意識してトレーニングしてきましたか?
「力がどうとか技術がどうとかではなく、一番は気持ちの部分かなと思っています。日々の練習で培った自信など、どこか欠けていた部分があったと思うので、2月のK-1での敗戦を毎日忘れずに練習を続けています」

――そして6月の中国遠征を挟んで、2度目の防衛戦が決まりました。対戦相手は谷山俊樹選手に決まりましたが、挑戦者が谷山選手に決まったと聞いた時はどんな心境でしたか?
「特別に何かを想うことはなかったですね。誰が相手でもKrush-63kgのベルトは自分のベルトだと思うし、久々のKrush参戦でタイトルに挑戦する谷山選手には絶対にベルトは渡したくないです。僕は8月6日に試合をして、Krush-63kgのベルトを持って帰るだけなので、相手が谷山選手に決まりましたけど、ただ戦って勝って防衛するだけです」

――谷山選手も初代K-1ライト級王座決定トーナメントに出場していましたが、いつかは戦う相手だと意識していましたか?
「意識はしていました。トーナメントでウェイ・ルイ選手に勝っていたら、準決勝では谷山選手とクリスチャン・スペトゥク選手の勝者と戦うことになっていたので、谷山選手と戦うことも想像しながら練習を積んでいたつもりです。その対戦のタイミングが今回の防衛戦になったのかなと思います」

――昨年10月の初防衛戦(岩崎悠斗に判定勝ち)では王者としての強さを証明してベルトを防衛しましたが、今回の防衛戦ではどんな試合にしたいですか?

「2度目の防衛戦の前にK-1で悔しい敗戦を喫して気付いたこともあったので、良かったのかなと思います。今はこのKrush-63kgのベルトを防衛するためだけにトレーニングを積んでいるので、しっかりKrush-63kgのベルトを防衛します。そしてK-1の舞台にもう一度リベンジしたいと思います」

――今回のタイトルマッチは初代K-1ライト級王座決定トーナメント1回戦で敗れた選手同士の対戦ということで、ファンの人からは厳しい目で見られる部分もあると思います。それについてはいかがでしょうか?
「周りの目は周りの目でいいと思うし、僕はしっかり防衛して、次につなげるだけです。そういった厳しい目は気にしないし、むしろ厳しい目を糧に練習にも取り組めているので、より気合が入っています。こういう試合が組まれるからこそKrushだと思うし、だからこそ緊張感のあるタイトルマッチにしたい。今回はチャンピオンとして、ただ勝つだけでなくKOを見せたいです」

――最後にファンの皆さんにメッセージを。
「このKrush-63kgのベルトは僕のものです。必ず勝利してこのベルトを持ち帰りたいと思います。期待していてください」

久々のKrush参戦で王座挑戦の谷山俊樹(©Good Loser)

谷山「お互いに引けない二人の闘い。試合が面白くならないわけがない」
――2月の初代K-1ライト級王座決定トーナメントでは1回戦でクリスチャン・スペトゥクに敗れてしまいましたが、あの試合で分かったことや感じたことはありますか?
「K-1ライト級の外国人は強いなと思いましたね。準決勝まで勝ち残ったウェイ・ルイ、ゴンナパー・ウィラサクレック、スペトゥク。この3人は本当に強いと思います。ただ試合の映像を何度も見直して、自分がこうしておけば勝てたかもしれないというシーンもあったので、それが次の課題になりました。だから今は次に向けて勉強になった大会だと思っています。自分にとって一つのターニングポイントだった2月のK-1が終わり、良い意味で8月6日に向けて気持ちも切り替えられました」

――初参戦となった新生K-1のリングはいかがでしたか?
「凄く楽しかったですね。K-1に出場して反響も全然違ったので、改めてK-1の影響力やすごさを感じました。今はK-1ライト級のトップ選手にどうやったら勝てるのかを考える期間ですね」

――そして今大会では久々のKrush参戦で、Krush-63kg王座への初挑戦が決まりました。最初にオファー聞いた時はどんな心境でしたか?
「そう来たか!って感じでしたね。純粋に前回のK-1に続いて大きなチャンスをいただけてうれしいと思っています」

――王者の佐々木大蔵選手には、どんな印象を持っていますか?
「オールラウンダーで強いなと思いますが、僕はチャレンジャー精神でしっかり勝ちます。僕はBigbangをホームリングに戦っていて、もしBigbangで戦うなら佐々木選手のことを受ける立場だと思うんですけど、Krushのリングではチャレンジャーとしてチャンピオンに挑みます。それは全然違うことだと思っているし、今回の僕は失うものはないのでチャレンジャー精神で戦って、絶対に倒しにいきます」

――これまで谷山選手は挑戦者として戦った試合はすべて勝っているそうですね。
「1回も負けてないですね。学生キックの決勝もそういう図式の試合でしたが1RKOでしたし、プロ・アマ通して初めてKO負けしたのが尾崎(圭司)さんだったんですけど、Bigbangのタイトルマッチで再戦した時には僕が勝ちました。タイトルマッチは一発勝負で、そこに力を注ぎ込むという意味では懸けているものも多いので、僕は必ず勝つと思っています」

――ここでKrushのタイトルを獲れるかどうかで谷山選手の今後のキャリアも変わってくると思います。どんな試合を見せたいですか?
「僕は面白い試合になるイメージしかないですね。自分は引かないですし、佐々木選手も絶対に引かないでしょう。お互いに引けない二人がKrushのベルトをかけて闘うので、試合が面白くならないわけがないです。絶対にこの大会で一番良い試合になると思います」

――今回のタイトルマッチは初代K-1ライト級王座決定トーナメント1回戦で敗れた選手同士の対戦ということで、ファンの人からは厳しい目で見られる部分もあると思います。それについてはいかがでしょうか?
「確かに僕と佐々木選手がK-1で負けたことは事実です。でもそのあとの試合で厳しいハードルを越えていくのが一流選手だと思います。僕自身、会長の息子ということで色眼鏡で見られることも多かったし、ホームリングで試合をする時は倒すか圧倒して勝たないといろいろと言われることも多かった。僕はそういうプレッシャーの中で戦い続けてきたので、今回もそのプレッシャーを乗り越えてKrushのベルトを獲ります。そして今後の自信につながるような試合にしたいです」

――それでは最後にファンの皆さんにメッセージを。
「自分の中でK-1、Krushは本当に凄い場所だと思っています。僕はチャレンジし続けることが生きがいで、こうやってチャンピオンを争うことも幸せです。一生懸命やって結果を出すだけですし、選手は試合の9分間のために命を削って練習しています。みなさんにも僕の生きざまを見てほしいです」