marineな人インタビュー 前川泰之
 ドラマに映画、舞台、さまざまな情報バラエティー番組に、幅広く活動を展開する前川泰之。釣りやアウトドア好きで、子供のころから海や水辺とは近しい関係。モデル時代には島を巡り、30歳を過ぎてからは渓流や海で本格的な釣りを楽しむように。その腕前を釣り番組で披露したりと、より密な関係に。俳優、夫、そして父である前川と水辺との付き合い方とは?  撮影・神谷渚 取材協力・512 CAFE&GRILL

海の上から見たあの景色、いつか子供たちにも見せたい



ハゼ釣りで東京湾デビュー

 最初に出て来た海のエピソードは、子供とのハゼ釣りのエピソードだった。
「去年の夏、子供たちを連れてハゼ釣りに行ったんです。自分も子供の頃、同じ東京湾で親と一緒にハゼを釣ったんですけど、あれがすごく楽しくてね。自分の子供たちにもやらせてあげたいと思ったんです。子供たちは水遊びが好きなのでそれ以前にも海には行っていたんですけど、ハゼ釣りは初めて。でも、ちょっと教えたら自分で釣れるようになりましたね。帰りに品川の叔母のところに寄って、ハゼをから揚げにしてもらいました。“釣ったら、ちゃんといただこう”。そういう遊びなんです」

1人で島巡りをした20代後半

 人生の重大なポイントには海や水辺があった。
「20代半ばを過ぎたあたり、一人旅にハマった時期があって、沖縄と鹿児島と離島巡りをしていました。理由は、一人旅するうえで、寒いところは嫌だし海外に1人も寂しいし。それで行き先は南の島になっただけなんですけどね(笑)。ちょうど釣りにもハマり始めていた頃で、竿とルアーを持って、宿も決めず予定も立てずにブラブラと。半年に1回ぐらい1週間から10日ぐらい休みを取って行ってました」 
 実は、この島巡り。自分を見つめ直したり、次へ向かう大きなステップだった。
「30を過ぎたらモデルを辞めて仕事を変えようと考えていたし、気分転換じゃないけど、違うものを見ようというのはあったのかな。それに東京にいると先端を先端をっていうファッション業界の人たちと常に仕事をすることになるので、ちょっとゆっくりした世界ががいいなと思ったのかもしれない(笑)。石垣島からか向こうの八重山諸島も回ったし、奄美大島から島づたいに船で旅したりもしました。奄美大島、徳之島、沖永良部、与論島。そこから飛行機で沖縄に行ったかな。島と島の間を航海しているときは、船の甲板で一人ごろごろしたりして。何か目的があったわけではないけど、一人でいろんな経験をしてみたかったんですよね。何人かでする旅も楽しいけれと、1人で旅することでの良さは地元の人と触れ合う機会が多くなること。1人だとどうしても話さなきゃいけないじゃない(笑)。それで地元のおじさんと一緒にスナックに行ったりしました」

海の上で日の出は贅沢の極み

 30を過ぎると海との付き合い方は大きく変化した。
「34で結婚、次の年には子供ができたんでね、一人旅には行けなくなった(笑)。ただ釣り仲間はいるし、釣りが好きだって言ってたら釣り番組に呼んでもらえるようになったんです。それまでは渓流釣りだったから、番組のおかげで本格的に海に出るようになりました。釣りのロケって早くて朝4時出発とかですけど、すごく贅沢なんですよ。まだ暗いうちに出航してポイントに行くんだけど、その間に日が昇ってくる。あの風景は、釣り人か、船に乗っている人間じゃないと味わえない」

子供たちに海からの景色を見せたい

 海、そして水辺で見た景色を、子供たちに見せたいという。
「海だけじゃなくて湖、富士五湖とかにはよく行くんです。ハゼ釣りも経験したし、次は釣り船に乗せたいと思っているんですけど、子供が耐えられるのかと思うと、もう少し先かなあ。陸から見る海じゃなくて、海から見る海、または陸の景色を見せてあげたいんですよね。ただ、その時にはやっぱり釣りになるだろうから、また娘に“自分が行きたいところばっかり”って言われるんだろうと思います(笑)」
 インタビューの終わりには「船舶免許を取ったほうが融通が利くかな…」と、ポロリ。前川キャプテン率いる、前川ファミリーの航海の実現もそう遠くないかも。
仲間と、家族と、つり竿と。海や水辺で過ごす時間は大切なひとときだ。
前川泰之(まえかわ・やすゆき)……学生時代からモデルとして多数のファッション誌やショーに出演、2005年に俳優に転身した。出演作にドラマ『夢で逢いましょう』、近年ではドラマ『半沢直樹』、大河ドラマ『真田丸』など。情報・ドキュメンタリー、バラエティー番組でも活躍中。最新舞台『平成二十九年度松竹 特別公演 妖麗牡丹燈籠 二幕』が8月20日(日)〜10月1日(日)まで全国巡業。