溝端淳平 映画『破裏拳ポリマー』主演で拳法を修行!? 見事な肉体美とアクションに釘づけ!

 空前のカンフーブームが巻き起こっていた1970年代当時、カンフーや空手などの要素を大胆に取り入れたアクションが話題を呼び熱狂的なファンを持つ異端のヒーローアニメ「破裏拳ポリマー」が実写化。特殊装甲スーツ「ポリマーシステム」を身に付け悪と戦う正義の主人公・鎧武士役は溝端淳平!

撮影・蔦野裕

「こんなに本気で戦っているとは思わない人も多いかもしれないですね(笑)」と苦笑する溝端。「でも冒頭から見ごたえあるストリートファイトが始まるので、そこでおっ、と思ってもらえるんじゃないかと」

 本作原案は1970年代にタツノコプロが制作したアニメ。『科学忍者隊ガッチャマン』や『新造人間キャシャーン』に連なる、いわゆるヒーローアニメだ。拳法の使い手である青年・鎧武士(よろい たけし)が特殊装甲スーツ〈ポリマーシステム〉を身に付け、超人的な戦闘力で悪を倒す。特撮ヒーローものの醍醐味が存分に詰まったエンターテインメントでありながら、本作の特筆すべきところは“ガチすぎる”アクションの数々。とくに主人公・武士役の溝端が、冒頭から圧巻の本格アクションを見せつける。アクションファンであれば、溝端の動きのキレに目を見張るはずだし、イケメン好きなら、その細マッチョな肉体美に釘付けとなるはず。

「ゴツイ感じというより、素早く動ける細く締まった体にしたいと思ってトレーニングしていたんです。イメージ的には、イ・ビョンホンさんとか西島秀俊さんのような、ブルース・リー系統の肉体が理想でした。ところが自分の体調管理が至らず、撮影前に体調を崩してしまい想定以上に細くなってしまって。主演なのに顔合わせも本読みも、お祓いも行けませんでした。でも、体が軽いほうが動きやすいのでキレを考えると結果的には良かったかな、と(笑)」

 構えただけで“コイツ、強い…!”と思わせるオーラが溝端から漂う。ハリウッドのアクション界でも活躍する坂本浩一監督の指導のもと4カ月にわたりトレーニングを行った。

「武士は破裏拳、つまり拳法の使い手なので、アクションというよりはカンフーを学ぶ感じでトレーニングを重ねていきました。アクションとは動きの段取りだけ覚えればいいというものではないんですよね。もちろん基本的には実際に殴り合うわけではなく当てているフリ、演技なんですけど、本当にパンチできないとパンチしたフリってできないんです。まあ、実際に当ててるところもけっこうあるんですけど(笑)。なので基礎的な動きをつかんでから、アクションシーンの特訓に入りました。戦っているところを坂本監督が携帯で撮影してくれて、その画像を家で見返しながら自分の動きをチェックして、自分なりに研究しましたね」

 そんな溝端を坂本監督も絶賛。

「監督の教え方が素晴らしかったんだと思います(笑)。坂本監督ご自身が、アクション俳優としてもすごい方ですからね。まず間違いなく、監督が現場で一番動けるし、強いです(笑)。ちょっとした動きが全然、違うんですよ。パッと振り返るだけで、キレッキレやん!て(笑)」

 撮影に入ってからも難易度の高いアクションに自ら挑戦した。

「本当に危険なもの以外、9割方は僕自身でやっていたので確かにハードではありました。あまり段取りチックに見えても…と思い、当てられる時はしっかり、相手の防護ヘルメットやスーツに拳を当てていたのでアザは日常茶飯事でしたし。一度、相手を巴投げするシーンのとき、コンクリートの床で思いきり背中を打ってしまったことがあって、そのときは一瞬、やばいと思いました。大したことはないと思ってたんですけど。1週間くらい痛みました(笑)」

 ストイックなまでに臨んだ理由は。

「単純に楽しかったんです(笑)。楽しかったし、やればやるほどもっとできるんじゃないかと欲も出てきた。毎日、体は疲れ切っていたし生傷は絶えなかったけど、撮影が終わったときも、もっとアクションをやりたいという気持ちでした。自分では反省点も多々あるというか、もっとできたんじゃないかという思いもありますし」

“アクションスター溝端淳平”爆誕か!?

「今後もやりたいとは思いますけど、まずは続編に期待ですね(笑)。今回、アクションの面白さ、奥深さを学びました。アクションの立ち回りというのは芝居と一緒だということも、改めて感じましたね。運動能力が高いとか、派手な動きができるということがアクションの凄さだと思われがちだけど、実はそうではなくて、アクションの中のほんのわずかな首のふりだったり目の動きだったり、身構える速さだったり、そういう動き一つで表現するものがまったく変わってくる。本当のアクションスターの素晴らしさもそこにあると思うんです。なので僕も、ブルース・リーからは動きのキレを、ジャッキー・チェンからは顔のリアクションを参考にしていました。やっぱりジャッキーってそこが上手くて、0.1秒の表情で芝居をして見せるからアクションもすごくドラマティックになるんですよ」

 現場の雰囲気も充実していた。

「山田裕貴くんが演じるシャーロックこと来間刑事とのバディー感も見どころだと思います。山田くんとは、初日に難しいシーンを2人で本気で話し合って乗り越えたことで、本当に信頼し合うことができて、それが武士とシャーロックのバディー感に生かされたと思います。キャストもスタッフもみんな明るくポジティブな人ばかりで、ハードなスケジュールにも関わらず現場は常に楽しかった。原幹恵さんや柳ゆり菜さんのセクシー衣装にも、男性陣はみな癒されましたし(笑)」

 大人にも見ごたえたっぷり。

「今はハリウッドのアメコミヒーローものも、昔と比べて幅も広がり深みも増しましたよね。演技派の俳優が当たり前に演じ、ドラマもしっかり描かれている。スーパーヒーローという非現実的なキャラクターから人間臭さがにじむのが僕はすごく好きで、それが現代のヒーロー映画の面白いところじゃないかな、と思っています。本作も同じで、現実にはあんなスーツなんてありえないけど、何か足りない2人がぶつかりながらもともに危機を乗り越え成長していく。その苦悩や葛藤に人間味も描かれているから、世代を超えて熱くなれる作品になっていると思います」

 溝端が放つ正義の鉄拳に、熱い心が呼び覚まされる!(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)

©2017「破裏拳ポリマー」製作委員会 
『破裏拳ポリマー』

監督:坂本浩一 出演:溝端淳平、山田裕貴、原幹恵、柳ゆり菜、神保悟志、長谷川初範他/1時間48分/KADOKAWA配給/5月13日より新宿バルト9他にて全国公開 polimar.jp/