夏の海でMarine Lifeをエンジョイ 武蔵

 K-1などで活躍、日本のヘビー級を牽引してきた格闘家・武蔵。現在は、タレントや俳優として、テレビなどにもその活動のフィールドを広げている。実は武蔵の趣味は、マリンアクティビティ。特に釣りの話になると止まらない、武蔵流マリンライフを紹介する。

取材協力・Urth Caffe(代官山)

保育園のころから釣り通い
「潜るのが得意でダイビングの免許も持っているけど、一番長く、一番頻度も多く、一番好きなのは釣りですね」と武蔵。

「記憶をたどれば、保育園のころからずっと続けています。もともとは父親が釣り好きで、休みの日に家の近くの池に一緒に連れて行ってくれたのがきっかけです。竿を持ってついていった記憶があります。小学生とかだんだん大きくなると、釣りに行けない時は近くの川とか用水路のような所でメダカやザリガニを捕まえたり、水を抜いた池に出てきたカメを獲りに行ったりしていました。とにかく水辺に接するのが好きで、水生生物を観察したりするのが大好きな子どもだった。あと、母親の出身地が熊本県の天草にある小さな島で、毎年夏に帰った時は、海釣りを集中的にやりました。1周4キロしかない小さな島ですが、とにかくきれいで、文房具屋さんで売っている100円の釣り具セットで、ものすごい大きなカサゴが釣れちゃうぐらい、魚がいっぱいいた。カサゴなんて、今ならすごい高級魚だということが分かるけど、子どものころは、こんなすぐ釣れる魚はつまらないって、すぐに逃がしていました。今思うともったいないことしたなって(笑)。母親の故郷では、よく潜ってタコも獲っていたな。生け捕りにしたタコは売れるので、それでお小遣いを稼ぐんです(笑)。田舎では、その日遊ぶ時のお菓子を持ち寄るんですが、そのお菓子を買うために、タコとかサザエを獲って、漁協に売りに行っていました。今ならタコのほうがうまいと思うかも知れないけど、子どもだからタコよりスナック菓子のほうがおいしくて(笑)。でも殺して持っていくと売れないので、生け捕りにしなくちゃいけない。それが結構大変で、1回タコに噛みつかれて、大流血したことも。それからタコに噛まれる恐怖におびえながらも、スナック菓子のためにタコ獲りは続けていましたね」

写真提供:PFP(右下以外)

魚をだます快感
「今一番好きでやっている釣りはルアー釣りといって、魚に似せたおもちゃのような疑似餌を、フィッシュイーターといわれる肉食魚を狙って釣るというもの。僕らが小学生ぐらいの時に、ブラックバスを釣るルアー釣りがすごく流行って、一時はまったんですけど、淡水魚にいったりしながらも、再びルアー釣りに戻って来た。釣りって今日釣れたから明日も釣れるというものではないし、季節や天候、潮目など毎日違う状況の中で行うので、日々勉強なんです。行ってルアーを投げれば釣れるものではなく、その日の潮の上げ下げのタイミングや、エサとなる魚が水面にいるかなど、行ってみて初めて分かることがある。経験値を積んで、海の状態や日々の変化を分析し行うのですごく面白いです。それがやっぱり釣りの魅力ですよね。ルアー釣りは、エサを撒いて魚を寄せて自分の前にステージを作るというやり方じゃないので、それも面白い。他の釣りに比べて勝負が早いのもいいですし。あかんと思ったら、すぐやめて家に帰れる(笑)。疑似餌なので、エサを買いに行く必要もないし、エサを使い切らなきゃっていうのもない。そういうところも自分に一番向いているんじゃないかな。餌釣りももちろん好きですが、ルアーは魚をいかにだまして釣るかっていうところが楽しい。人をだますのは好きじゃないですけど、魚はだましてやろうと(笑)。東京にいる時は、東京湾のシーバスに行くことが多いですね。大体友達に誘われるか、自分が行きたかったら誘っていくんですけど、毎週は行けてないです。もちろん行けるタイミングだったら毎週でも行きたいですけど(笑)」

泳ぐ魚を間近で見て感動
「スキューバの免許は和歌山県で取りました。休みの時はそこに行きがてら、潜らせてもらったり、釣りをさせてもらったり。子どものころから動物番組が好きで、特にサメやシャチや巨大魚などの水中生物や魚の特集が大好きで、ワクワクしながら見ていた。そういう時に水中の映像を撮るダイバーの人を見て、あんなに潜れるなんてかっこいいなって子ども心に思っていた。実際、最初にスキューバで海に潜った時は、水の中で息ができるということと、海の生き物がすごく近くで見られることに感動しました。すごくきれいなサンゴとか、熱帯魚が見られるような所で潜ったことはなく、魚屋で売っている切り身でしか見たことがないような魚が実際に泳いでいるところを見るほうが好きだったりしますね」

躍動感のある夏の海が好き
「僕はもともと自然が大好きなんです。日本って四季がある国で、春夏秋冬、自然がいろいろな顔を見せてくれる。特に釣りをしていると、季節によって釣れる魚も変わるので、それぞれの釣り方も変わってくる。夏は中でも人間もですが、生き物の活性化がすごく上がるシーズンだと思うんです。それこそ淡水でも海水でも夏の朝早くにのぞきにいくと、朝っぱらからめっちゃ元気なんですよ。何というか…躍動感がある。外から見た海もそうだし、中をのぞくと水中もそう。人間だって暖かくなってくると何かしたいって思うし、それは自然も一緒だと思うんです。緑は青々してるし、吹く風、香りも躍動している。冬の海はびっくりするぐらい静まり返っていますよ(笑)。冬場はこっちがやる気にならなきゃ絶対に釣れない感じだけど、夏は海がやる気をみせてくれる(笑)。これは頑張らないとって思うのが冬なら、今日は何かが起こりそうだぞって思わせてくれるのが夏。自然の中に身を置けば、そういうことを感じられると思うので、ぜひこの夏は海に出て、自然の躍動感を感じ、何かにチャレンジしてほしいですね」