「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN」開催!激闘派ぞろいのトーナメントに予想困難

「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN〜初代ウェルター級王座決定トーナメント〜」
イベントでは司会者の質問を巧みにかわした久保(左)。実に1年3カ月ぶりのK-1のリングに燃える木村(右)

「K-1 WORLD GP 2017 JAPAN〜初代ウェルター級王座決定トーナメント〜」(9月18日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ)で開催されるウェルター級のトーナメント。さまざまな因縁と思惑が入り乱れる8選手がエントリーされ、その行方は混沌としている。

 中でも最も注目を集めるのが1回戦の最後に行われる「久保優太vs木村“フィリップ”ミノル」の一戦。2人は元同門。久保が2016年に五反田に自らジムを構えるまで約5年ほど一緒に練習し、兄弟のような付き合いをしていた仲だったという。

 このカードが発表された会見では久保には戸惑いが見られたが、これは久保特有のポーカーフェースか? 9月2日に行われたファンイベント「9.18さいたま大会・大決起集会!」で久保は木村戦については「トーナメントを優勝するつもりで臨もうと思っているので、あまり気にしないようにしています」とクールな発言。

 決勝については「弱い人とやりたい。ボロボロの選手とやって勝つ可能性を上げたい(笑)」といつもと変わらぬひょうひょうとしたコメント。対する木村も「格闘技にはそういう内情というかスパイスが効いていたほうが面白い。その程度にしか思っていない」とうそぶいた。

 今回のトーナメントはいわゆる“激闘派”といわれる選手が多く出場していることも優勝予想を難しくする。

 その双璧をなす2人、渡部太基とモハン・ドラゴンが1回戦第1試合で対戦。この2人が戦えばトーナメントに一気に火が付くことは確実だが、ここで燃え尽きちゃってどうするの?ということになりかねない。渡部は会見でも「トーナメントなんだから、みんな馬鹿じゃないんだし…」と言うが、それは自らに言い聞かせる言葉にも聞こえる。モハンはとにかく「記憶に残る試合をする」とかかり気味。

 どっちが勝っても無傷とは考えられず、その勝者と準決勝で戦う山際和希とメルシック・バダザリアンには有利な展開となりそうだ。

武尊は初防衛戦に向け好調な仕上がりのよう

3王者がそろい踏み! 武尊は初防衛戦
 スーパーファイトでは3人の王者がそろい踏み。中でもフェザー級王者の武尊は待望の初防衛戦に臨む。相手は“中国の武尊”の異名を持つワン・ジュングァン。目覚ましい躍進を遂げる中国人ファイターの中でも指折りな存在。

 武尊はここ最近、出演した映画が2本公開。それに伴いメディアでの活動も増え、多忙な毎日。しかし「いろんな刺激をもらえる。応援してくれる人が増えている実感があって、それがモチベーションになって、練習量も今までの倍くらいになっている」と調整は問題ないよう。

 スーパー・バンタム級の武居由樹は王座戴冠後、初めての試合。対戦相手の伊澤波人は王座決定トーナメントではリザーブファイト出場となったが、中国「英雄伝説」世界−57kg級王者に君臨するなど、本戦にエントリーされていてもおかしくない実績を持つ手ごわい相手。

 また、前戦で因縁浅からぬ皇治に勝利は収めたものの判定で消化不良に終わった大雅は「最近は余計なことを考えすぎていたので、今回は何も考えずに戦いたい」と今回はすっきりとしたKO勝ちを狙う。軽量級の3試合が並ぶだけに目の前の相手だけでなく、他の2王者を意識した試合となりそう。

 この3人とは対照的な立場となっている元王者2人の対戦も見逃せない。第2代K-1 WORLD GP スーパー・フェザー級王者の卜部弘嵩と元IT’S SHOWTIME世界 −61kg級王者の山本真弘の一戦は究極のサバイバルマッチだ。来年3月のメーンアリーナ大会に向け浮上のきっかけをつかみたいところだ。

実は同い年の大雅(左)と武居の2王者