EXILE TETSUYA「DANCEの道」第39回「DANCEをすると素直に育つ」

これは僕の持論なんですけど、DANCEをする子は素直に育つと思っています。今までDANCEをやって来て、いろんな人と出会ったり別れたり、今ではDANCEを教える番組(Eテレ『Eダンスアカデミー』)や大学で講義をしたり、DANCEを通じてたくさんの人たちと関わってきて思ったことです。まぁ一言で言うといい奴が多いと言うか、いい奴ばかりなんです(笑)。自分がDANCEをやっているから僕はいい奴なんです! なんていうつもりもありませんが(笑)、今まで出会った人たちは、性別、年齢、育ち、国が違えど、みんないい奴ばかりなんです。

 でも実際のところ、これはなんでなんだろう? と不思議に思った僕は、自分なりに考えてみたんですけど、たぶん言葉を持たない表現方法っていうことが大きく関わっているのではないかと思いました。

 言葉って嘘もつけるし、まわりくどくも言えるし、駆け引きもできます。例えば、口喧嘩をしたら、わざと相手を傷つけることも言えますし、黙ったままだと何考えているか分からなくて、さらに怒りを買う場合もあります。でもDANCEの場合、それが一切ありません。DANCEの喧嘩といえばDANCEバトルですが、まず触れてはいけないルールなので相手を肉体的に傷つけることはないですし、嘘もつけなければまわりくどく伝えることもありません。とにかく自分の持っている伝えたいことを、DANCEで素直に全力で相手にぶつけるバトルは、とにかくお互いが気持ちいいのです。もちろん負けるとめちゃめちゃ悔しいという気持ちにはなりますが、そこで勉強することは、とにかくDANCEを好きになって夢中に練習するしかないんだってことなんです。何年か前に僕のダンサーの友達がダンサーの彼女と付き合っていて、些細な事で喧嘩になりその喧嘩が派生してDANCEバトルになったそうです(笑)。こんなことはめったにないですが、もちろん終わった後には仲直りしました! たぶん言いたいことを全部素直に伝えきったんでしょうね(笑)。バトルに限らず、EXILEがやっているようなステージでも、クラブでのSHOWでも同じことがいえると思います。お客様にDANCEで言いたいことを伝えるにはかなりの練習やリハーサルが必要ですし、伝えたいことをストレートに表現するのが一番伝わりやすいと思います。HAPPYなら笑顔でとか、怒っているなら何かを破壊するような動きを入れるとか、悲しい時には繊細に、目立ちたかったら思いっきりハチキレて!などなど、とにかく言いたいことをストレートに表現するのがDANCEだと思いますし、見ている方にはそれが一番親切な気がするからです。

 一言でDANCEと言っても、この世界には限りなくジャンルが存在するので一概に僕の言っていることが正しいとは言いませんが、身体を動かす表現方法としては間違っているともいえないのではないでしょうか? 今や日本では義務教育の中にDANCEが入っていたり、本当にたくさんのキッズダンサーがいて、習い事の一つの選択肢に入るくらいになってきました。神経系が成長する小学期や身体系が成長する中学・高校の時期に、DANCEをするのは間違いなくいいことなのは前に研究したことがありますが、素直な子に育つという説もこれからさらに研究していきたいと思います。ご興味のある教授さんなどいましたらご連絡お待ちしています(笑)。最後に一言だけ言わせていただきますが、これはあくまで僕の持論です。

19歳よりダンスを始め、EXILE PROFESSIONAL GYMにてインストラクターを務める。2007年に、二代目 J Soul Brothersのメンバーに抜擢され、2009年2月25日に、アルバム『J Soul Brothers』でメジャーデビューを果たす。そして、同年 3月1日にEXILE 新メンバーとして加入。また、個人活動として 2011年に雑誌『月刊 EXILE』にて、自身が所長を務める『EXILEパフォーマンス研究所』の連載を開始する。2014年4月、淑徳大学人文学部表現学科の客員教授に就任する。そして、2015年4月に EXILE ÜSAが活動を行っているDANCE EARTH PARTYの正式メンバーに選ばれる。2016年「EXILE THE SECOND」として本格始動し、現在『LIVE TOUR 2016-2017 "WILD WILD WARRIORS"』を開催中!! そのほか、役者としてドラマや舞台に出演するなど、 さまざまな活動を展開し、エンターテインメントの可能性を広げている。