【キーワードで見るニュース】2017.9.29~2017.10.5

重力波
 スウェーデン王立科学アカデミーは10月3日、2017年のノーベル物理学賞を、世界で初めて重力波を検出した米国の3氏に授与すると発表した。重力波はアインシュタインが残した「最後の宿題」と言われる物理学の重大問題。その存在を実証し、宇宙の謎に迫る新たな天文学に道を開いた功績が評価された。受賞するのは米マサチューセッツ工科大のレイナー・ワイス名誉教授(85)、米カリフォルニア工科大のバリー・バリッシュ名誉教授(81)とキップ・ソーン名誉教授(77)。

無資格検査問題
 日産自動車は9月29日、国内に6つある全完成車工場で出荷前の新車に実施される最終検査を国の規定に違反する無資格の検査員が実施していたとして、同社や販売店などが保有する約6万台の在庫について販売を停止すると発表した。10月2日には西川(さいかわ)広人社長が記者会見し、この問題をめぐり販売済みの121万台を対象にリコール(回収・無償修理)を行うと発表。原因については現時点では「十分につかめていない」として、1カ月程度かけて徹底的に調査する方針。

ガバナンス長
 小池百合子東京都知事が代表を務める新党「希望の党」が党役員として代表を補佐し、コンプライアンス(法令順守)やガバナンス(統治)を統括する「ガバナンス長」を設置する。ガバナンス長は国会議員でなくても代表が指名でき、議決機関の両院議員総会で決める。ガバナンス長はコンプライアンス委員会を置き、国会議員1人と外部有識者2人の委員3人を任命する。委員は党員の倫理順守に関し意見を述べる。

女性副知事
 東京都の小池百合子知事が、10月4日、都政としては22年ぶりとなる女性副知事を任命する人事案を都議会に提出、5日に開かれた本会議で同意された。新しく副知事となるのは猪熊純子・会計管理局長と長谷川明・政策企画局長の2人。現在の副知事4人のうち3人が退任。川澄俊文氏(62)は留任し副知事は3人体制となる。

柏崎刈羽原発
  原子力規制委員会は10月4日、定例会合を開き、東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)が新規制基準に適合しているとする審査書案を了承した。事実上の合格となり、福島第1原発事故を起こした東電の原発では初めて。ただし新潟県の米山隆一知事は同日、「県独自の検証で安全が確認できなければ、再稼働の議論はできない」と表明。再稼働に必要な地元の同意には、数年かかるとみられている。