扇久保が完勝で初防衛。佐藤がバンタム級新王者に【10・15修斗】

扇久保(上)は前局面で実力の差を見せつけた(撮影・蔦野裕)
扇久保は勝利後、英語でUFC参戦アピール

「プロフェッショナル修斗公式戦」(10月15日、千葉・舞浜アンフィシアター)で4大タイトル戦が行われた。

 メーンでは世界フライ級王者の扇久保博正が初防衛戦に臨み、挑戦者のオニボウズを1R4分24秒、スリーパーホールドで破り初防衛に成功した。

 扇久保は左ミドルをキャッチされ、押し込まれたものの、逆にテイクダウンに成功すると、ハーフガードからパウンド、ヒジを落とし続け、オニボウズがたまらず横を向いたところでバックに移行。スリーパーホールドでがっちり絞り上げると、オニボウズはたまらずタップした。

 扇久保は試合後のマイクで「もっと大きな舞台で戦っていきたい」と会場の観客にアピールした後、英語でUFC参戦をアピールした。
佐藤(左)の打撃で石橋はまぶたと鼻から大流血(撮影・蔦野裕)
激闘再び…。佐藤が石橋を破り世界バンタム級第10代王者に輝く

 セミファイナルでは世界バンタム級王座決定戦が行われ、佐藤将光が石橋佳大を判定で破り、第10代王者に輝いた。

 この2人は昨年3月に、石橋の環太平洋王座に佐藤が挑戦する形で対戦。その時はドローに終わっており、いわば決着戦。

 試合は前回同様の死闘となる。1Rから激しい打ち合い、その合間にタックルでテイクダウンを狙いあう、全く休みのない展開。

 1R、石橋は佐藤の前蹴りをキャッチするとテイクダウンに成功。バックを取ってスリーパーを狙う。ラウンド終盤にも佐藤がバックスピンキックを放ったタイミングでバックを取るなど、そつのない動きを見せる。

 2Rも石橋がプレッシャーをかけじりじりと佐藤をケージに追い込むが、佐藤はカウンターの右ストレート、この日多用したヒザへの関節蹴りで、石橋にたやすくタックルは許さない。それでも果敢にタックルからのテイクダウンを狙う石橋。テイクダウンに成功しても佐藤はケージを利用し立ち上がる。ならばと飛びヒザを狙った石橋だったが、佐藤はパンチで打ち落とすとダウンした石橋にパウンドを浴びせるが、しのいだ石橋は立ち上がるとすぐにタックルにいき逆にテイクダウンに成功。鉄槌、パウンドからヒジを打ちつける。

 3Rに入っても2人の動きが落ちる気配はなし。石橋が右フックから、足を使って逃げる佐藤を追いかけパンチの連打でダウンさせるとパウンドの連打。しかし佐藤は冷静にガードポジションでしのぐと、石橋のパウンドに対抗するように下からのヒジ攻撃。これで石橋が左まぶたをカット。試合の流れが佐藤に傾いていく。

 以降、4R開始時を皮切りに計3度のドクターチェックが入る石橋には苦しい展開。4R、佐藤が左フックでダウンを奪い、パウンドからヒジ打ちとあわやのシーンを作るが、しのいだ石橋は立ち上がると休む間もなく追いかけパンチを放つなど、“激闘男”の面目躍如の動きを見せる。しかし佐藤のサイドキックを顔面にまともに食らいダウンを喫し、またもパウンドで追い込まれるなど、試合の流れは完全に佐藤のものに。最終の5R。石橋はしゃにむにケージに押し込み組み付くと、リフトしてテイクダウンに成功。上を取ってパウンド、ヒジ、鉄槌を落とし続けたが、佐藤を倒す力はもう残されていなかった。

 判定は47-45、48-46、49-48の3-0で佐藤の勝利となった。
猿田(上)のパンチの連打で澤田の動きが止まる(撮影・蔦野裕)
猿田が悲願のベルト奪取。澤田は担架で退場

 世界ストロー級王座決定戦は猿田洋祐が澤田龍人を4R2分37秒、KOで破り、第7代王者に輝いた。

 試合は1Rから猿田がプレッシャーをかけ続ける。澤田のパンチにはカウンターを合わせ、タックルを決められてもつぶしてテイクダウンは許さない。2Rには澤田のパンチをかわすとタックルからバックを取りパウンドの連打。3Rにはプレッシャーをかけ澤田を下がらせたうえに、ボディーストレート、ローキックでなおも下がらせる。澤田はタックル、左ミドルを放つも下がってからの攻撃になってしまい威力も半減。猿田は難なくキャッチするとテイクダウンからフロントチョークで攻め立てる。

 4Rも猿田のプレッシャーは止まらない。澤田はパンチで飛び込むが、猿田は受け止めテイクダウン。がぶってフロントチョークの体勢からヒザを打ち込み、つぶしてサイドを取るとヒジの連打。澤田が亀の状態になって防御するところにバックからパンチを放ち続けると澤田の動きが止まり、レフェリーが試合を止めた。澤田は全く動けず、担架で退場した。
高橋(上)が容赦ないパウンドを落とす(撮影・蔦野裕)
高橋が新鋭・青井を破り初防衛

 環太平洋フェザー級王者・高橋遼伍は青井人を相手に初防衛戦に臨み、2-0の判定で勝利を収めた。

 高橋は1Rからその代名詞でもあるローキックで青井を追い込む。青井はその強烈なローに右足が流れる場面もしばしばだったが、カウンターでパンチを合わせるなど、対抗。1Rには下から高橋の左足をからめとり、ヒールホールド、ヒザ固めとあわやの場面を作るが、高橋は慌てずしのぐと、またもローで反撃。青井は蹴り足をつかんでテイクダウンに成功するも、高橋はケージを使ってすぐに立つなど、常に冷静に対処し傷口を広げさせない。

 2R以降も青井がパンチで攻め込む場面も見られたが、高橋は右ローキックで主導権を取り返す。組み合っても高橋はその体幹の強さで簡単にはテイクダウンを許さない。

 3Rに青井が右ローをキャッチしてテイクダウンを取り、上のポジションを取っても高橋は下からラバーガードで冷静に対処。青井がパウンドに来るところのスキを突いてすぐに立ち上がるなど、最後まで高橋のペースで試合は進んだ。

 判定は1人が29-29としたものの、残る2人が30-28、29-28で高橋が2-0で勝利を収めた。
【写真左】川名(右)は凄まじい形相で小谷に立ち向かった【写真右】完勝も覇彌斗に笑顔はなし(撮影・蔦野裕)
川名が判定ながら小谷越え果たす

 環太平洋ライト級王者・川名雄生がかつて同じジムで汗を流した先輩・小谷直之と対戦。2-0の判定で勝利を収め、先輩越えを果たした。

 試合は1R開始早々に小谷がテイクダウンに成功し、マウントを取りパウンドで攻め立てるが、川名はブリッジではね上げて脱出。以降も小谷がタックルを仕掛けても、川名は重い腰でテイクダウンを許さず、体を入れ替え、ケージに押し込む――といった展開が続く。さまざまなテクニックを見せ、打開を図る小谷だったが、川名の驚異的なフィジカルに最後まで手を焼き、決定機を作ることができず、川名が判定をものにした。

 川名は試合後「判定でしたが、自分にとってはとてもでかい勝利。本当はKOとかしたかったが、(小谷選手は)すごい強い。試合中、不安な気持ちになってしまった。でもこれで踏み出せたかと思います」と感極まった表情で話すと、小谷も「ものすごく強くなっていた。自分の弱い面を彼が全部持っている。彼に教わりたいと思った。今度は地元の横須賀アリーナで川名ともう1回戦いたい。どこの団体でもいいので、僕が引退する前に組んでください」と話した。

覇彌斗は六本木を完封

 フライ級のホープ覇彌斗は今年6月にオニボウズに敗れて以来の復帰戦に臨む。対戦相手はベテランの六本木洋。

 覇彌斗は1Rからグラウンドで六本木を圧倒するも、六本木の粘りにあって、なかなか決めきれない。
タックルで倒しきれず、逆にフロントチョークを取られかけられたり、腕十字が抜けて、上を取られかけたり。しかし、テイクダウンに成功しては着実にパウンドで六本木を削っていく。

 3Rはパンチから組みつき、テイクダウンに成功すると、パウンド。粘る六本木にヒジを打ち込むと、六本木は左まぶたをカット。なおもヒジ、パウンドを叩き込むと、出血が激しくなり、ドクターチェック。即座にストップとなり、3R3分7秒、TKOで覇彌斗が復帰戦を飾った。