希望の党が改選前下回る。東京で勝利は長島昭久氏のみ【第48回衆院選】

開票速報を映すモニターを見つめる細野氏

「自民党にブレーキをかけるという意味では共闘できる部分もある」
 第48回衆議院選挙の投開票が10月22日行われた。台風の影響で一部の開票が23日に持ち越されたが、小池百合子東京都知事が代表を務める希望の党は小選挙区で17、比例で32の49に終わり、改選前の57 から大きく議席を減らした。希望の党は東京では25選挙区で23人の候補を擁立したが、勝利したのは21区の長島昭久氏一人だった。

 最終的な議席の発表は23日午後の予定。

 投票が締め切られる20時、都内に設けられた開票センターにはチャーターメンバーである細野豪志氏と樽床伸二代表代行が姿を現した。

 やや表情が硬めの両者は、会場に用意されたモニターに映される開票速報に目を向ける。

 じきに各局の選挙特番の中継がつながり始める。一番最初は細野氏の地元である静岡放送。やりとりをする細野氏の後ろで8時4分、樽床氏が一番最初に当選確実が出た東北ブロックのしなたけし候補の名前を後ろのボードに張っていく。

 同党最初の当選確実が出るが、2人の表情は硬いまま。続いて東海ブロックの古川元久候補、四国ブロックのたまき雄一郎候補と続く。いずれも旧民進党の前職。希望独自の候補は4人目の九州ブロックの中山成彬候補が最初だった。

 各局との掛け合いが続く中、樽床氏は今回の結果について「排除という言葉ひとつで風が変わるほど土台がしっかりしていなかった」などと話した。一方で「排除という表現が厳しかったという一方、考え方や政策が一致していることが望ましいという意見もある。私もそう思う」と話した。

 また細野氏は選挙前の民進党との“合流”については「前原さんは本当に大きな決断をされた。私もかつての仲間達と一緒にやりたいという気持ちもあった。しかし安全保障、憲法について同意してくれる方ではないと難しかった」などと話した。また今回の野党の分裂について「(かつて所属した民進党の仲間とは)長く一緒にやってきたのだから、一緒にやりたい気持ちは山々。しかし安全保障の問題などを考えると、共産党とは一緒にやって行くことはできない。現実的ではない」などと繰り返した。しかし選挙後の野党共闘については「自民党にブレーキをかけるという意味では共闘できる部分もある」などと話した。

総括会見に臨む樽床氏(左)と細野氏

細野氏は敗因について「地元活動が十分でなかった」
 ほぼ議席数が固まったところで行われた総括会見では票が伸びなかったことについて、細野氏は「衆議院の小選挙区についてはいかに地元活動を継続してやってきたかがいざとなった時にものをいう。そうじゃないときもまれにはあるが、それはより大きな風が吹く場合。今回はそういう状況ではなかった。結果として地元活動が十分でなかった方は非常に苦しい戦いとなった」、樽床氏も「地力がなかったということが最大の原因。それが一つの表現というマイナスを乗り越えていける地力が候補者にも政党にもなかった。1カ月前にできたばかりの政党ですから、会社で例えると中小企業が立ち上がったというような状況。まだ党の体制そのものに地力がなかったということだと思う」などと話した。

 小池代表がパリでのインタビューで「完敗だった」と発言したことについて細野氏は「私は全くゼロからのスタートで、いろいろな方のご協力でここまでこられたという考えはある。ただ小池代表が、目指していたものは非常に大きなものであって、それからみると完敗ということなのだと思う」と話した。

 希望の党は東京では25選挙区で23人の候補を擁立したが、勝利したのは21区の長島昭久氏一人だった。