鈴木寛の政策のツボ 第三回

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熟議の民主主義について



 現代のように複雑化した社会においては、物事の全容を把握し正解を知っている人も組織もありません。したがって、まずは、《1》さまざまな関係者がそれぞれの立場から把握している情報を持ち寄り、全体像を皆で共有し、次に、《2》その課題について熟慮し、議論を深め、知恵を出し合って、解決策を見出し、さらには、《3》解決策を実行するためのそれぞれの役割と協働の意義をお互いが理解する、という熟議のプロセスが重要になります。これは当然、政策を生み出していく場である「行政」にあっても同じことです。



 それぞれの「現場」を取り巻く状況は実に多様であり、それぞれも「現場」に対応した政策も、行政が一元的に決め、画一的に展開出来るような状況ではありません。よって、さまざまな「現場」を取り巻く変化を踏まえつつ課題に立ち向かい、また、より良い「現場」を創りだす知恵と行動を生み出していくために、それぞれの「現場」に関わるさまざまな立場の方が、政策形成のプロセスにも参加し、熟慮し議論を深め、コラボレーションを深めながら、有意な政策をつくり出していくことが求められています。



 そこで、「熟議の政策形成・市民の活動(コミュニティソリューション)の一環として、私の発案により「熟議カケアイ」が文部科学省で2010年4月17日に始まりました。そして、2011年の今、1年が過ぎました。その間、熟議カケアイのサイトは200万PVを超えました。「サイバー空間」と「リアルのコミュニケーション」を合致させ、議論や政策形成を活性化することを目指す「リアル熟議」も、年度末までに約100カ所で行われました。



 国民の皆さんから直接声の集まる「政策情報空間」が行政内にあること、市民との継続的な関係性を保持する場が設けられていること自体、ソーシャルキャピタルの醸成に大いに意義があると私は思います。



 政治家(政)が、現場の国民の皆様(民)から、パブリック・コメントや熟議のプロセスを通じて直接情報を集め、官僚(官)の専門能力のサポートを得ながら、政策立案をするというポジティブな連鎖の更なる充実を目指し、これからも全力を挙げてまいります。





(参議院議員/文部科学副大臣)




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