鳩山氏のイラン大統領との会談に各所で波紋





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(Photo/AFLO)





 政府の反対を振り切ってイランを訪問した民主党の鳩山由紀夫元首相は9日帰国し、国会内で記者会見した。アフマディネジャド大統領との会談について「有意義な議論をさせていただいた。政府の考える線を逸脱するような発言は一切していない」と強調した。

 鳩山氏は8日にテヘランで大統領と会談し「核兵器のない世界の実現に向け、お互い努力すること」を確認。イラン大統領府は、鳩山氏が会談で国際原子力機関(IAEA)について「特定の国々に二重基準を適用している。公平ではない」と述べたと発表した。

 この発表に関し、鳩山氏は記者会見で「完全に作られた捏造記事であり、大変遺憾に思っている。こういう発言はしていないことを先方に伝えたい」と反論。「日本は国際社会の疑念を払う努力を進めてきた」と述べ、大統領にもIAEAの査察などへの協力を求めたことを強調した。

 その上で核拡散防止条約(NPT)について「核保有国を対象とせず非保有国の平和利用に査察を行うのは公平ではないことは承知している」と断言。大統領に「NPTに入らないで核保有国になっている国にとって有利になっていることは承知しているが、非核の世界をつくるためにも国際社会との協力が必要だ」と述べたことも認めた。

 この鳩山氏のイラン訪問をめぐり各所で波紋が広がった。自民党は10日、「国益を損ねた」として鳩山氏の参考人招致を求める方針を決めた。公明党の山口那津男代表も「極めて情けない」と述べた。11日には自民、公明両党の幹事長、国対委員長が会談し、衆院予算委員会で鳩山氏の参考人招致を求める方針を決めた。与党が過半数を占める衆院での鳩山氏の招致は困難とみられるが、自公両党は鳩山氏を民主党外交最高顧問に任命した野田佳彦首相の責任を国会で追及する方針。

 また身内の民主党からも批判が続出。玄葉光一郎外相も「元首相ということで外から見られる。そのことについてよく思いをいたしてほしい」と鳩山氏本人に苦言を呈したことを明らかにした。藤村修官房長官は10日の記者会見で「この時期に行くのは良くないと言い続けてきた」と不快感を重ねて表明。民主党の前原誠司政調会長は「党とは関係ない」と火の粉を振り払おうとした。首相は11日の党首討論で、鳩山氏のイラン訪問について「個人の判断だが、政府の基本姿勢を踏まえて対応した」と述べた。

 一方、鳩山氏は10日のグループ会合で「核兵器のない世界をつくりたいと強く申し上げ、イランのアフマディネジャド大統領はじっくり耳を傾けた。言葉は通じた」と成果をアピールした。