平野綾

新しい"平野綾"が聞けるアルバム『FRAGMENTS』

平野綾がニューアルバム『FRAGMENTS』をリリースした。レコードレーベルを移籍しての最初の作品で、8人の旬なクリエイターとコラボレーションするという、これまでとは異なるアプローチを取った挑戦的な一枚だ。この作品に込めた想いとは? 平野綾に聞く。
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―最新作は、これまでの作品と比べて、違った手触りの作品だと思いました。 「レーベルを移籍して新しいスタートとなる作品なので、制作にも新しい方法を取り入れています。トータルプロデュースにANSWRさんを迎えてほとんどおまかせしちゃった感じです」 ―クリエイターとのコラボレーション楽曲で構成しています。 「それぞれのクリエイターに"平野綾を好きに料理してほしい!"という気持ちがあったんです。その結果、2012年版と言えるような、旬な作家さんが集まってくれたのでテンションが上がりました」 ―どのように作業を進めましたか? 「クリエイターさんから曲のイメージや要望を聞かせてほしいと言われましたけど、そこは"平野綾にこんな歌を歌わせてみたかった"っていうのをお願いします、で押し通しました(笑)。結果的に、すごくフラットというか、すごく自由になれた気がするんです。これまでの作品は、良くも悪くも声優の平野綾が歌う作品でしたが、この作品は、シンガー、アーティスト、アイドルでもいいけど、そういう平野綾の作品になっているんじゃないかなって。もちろん声優は大切で活動の軸ではあるんですが、最近は、テレビや舞台で私を知ってくれる方も増えてきましたから、このアルバムでさまざまなメディアの私が統一されれば良いなと」 ―それだけに挑戦的な作品ですよね。 「そうですね、求められることのハードルが高かったです。例えば、私、ボーカロイド世代の作家さんと仕事したことがなかったんですよ。ちょっとした異文化交流でしたし、メロディーとかハモリとか、人間には難しいだろうっていうようなものも出てきて......(笑)。それでも、まずは挑戦してみて、できなそうっだったら近づけてみる。そのやりとりのなかから、解決策や新しいアイデアが生まれてきたりすることもありました」 ―そしてできあがったアルバムがこの『FRAGMENTS』。収録曲に同じタイトルの曲がありますね。 「この曲は私が作詞をしているんですが、これまでの平野綾を継承しているタイプの曲でファンタジックな要素も入れています。分かりやすさや伝わりやすさが重視されるなかで、じっくり読んで考えられるものも大切だって考えるところもあって、少し文学的なニュアンスを多めにしています」 ―リード曲『Sunday』は? 「ヒゲドライバーさんの楽曲です。最初に聞いたときは、なんだこの曲は!と衝撃を受けました。楽曲の雰囲気としてはすごく前向きなんですけど、歌詞を読んでみるとすごくって。......アンバランスな感じがいいんです」 ―カラオケでこの曲を歌う時のアドバイスをお願いします。 「すごく無機質なのと、感情を出す人を表現したPV映像の感じをふまえると、カラオケでも歌いやすいんじゃないかな」 ―最後に、平野さん自身が歌う時に気をつけていることはありますか? 「ひとつは"なりきらないこと"。もうひとつは、自分の声をよく聞くこと。声って楽器のひとつだと思うから、他の楽器と合わせた時に浮かない質感を考えます。これって、声の仕事をしている影響かもしれませんね」 
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New Release 『FRAGMENTS』
ユニバーサルシグマより発売中。初回限定盤(CD+DVD+フォトBOOKつき)3480円、通常盤1980円(税込)。作品の詳細や最新情報は公式ウェブサイト(http://ayahirano.jp/)で。