平成と昭和初期的な文化の融合を目指し『血ユリ団』結成

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KenKen(左)と明和電機(撮影・神原岳志)

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左から血ユリ団副団長・九條、Q、団長・姫草(撮影・蔦野裕)

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鳥肌実(撮影・神原岳志)

 デジタル優勢な現代において、アナログを推進し、昭和初期的な文化の融合を目指すクリエイター集団『血ユリ団』が結成され、1日、青山のLe Baron de Parisで結成記念イベントが開催された。  血ユリ団というのは昭和2年に川本百合子を団長に実在したギャング団。当時はギャング団が流行を作り、文化を生み出していた時代だった。今回結成された血ユリ団は、かつての血ユリ団にならい、音楽、映像、ファッション、イベント開催など枠にとらわれないさまざまな活動を展開し、新しい文化を作り出していくという。  午後8時半から始まったイベント。場内では昭和初期を意識したファッションに身を包んだ血ユリ団の面々が闊歩。「昭和っぽい服装、もしくは赤いものを身につける」というドレスコードを設けた場内は各々の考える昭和ファッションであふれた。  やがて血ユリ団の主旨に賛同したアーティストたちのライブが始まる。口火を切ったのは鳥肌実。鳥肌といえば、右翼ファッションに身を包んだ、過激な演説が有名だが、この日は約40分にわたり、2チャンネル批判から最近自らに降りかかった厄災について一人語り。途中からグンゼの白ブリーフ一枚になって熱弁をふるった。鳥肌にとっての昭和ファッションはグンゼの白ブリーフだったようだ。  続いてはRIZEのベーシストKenKen。自らDJとして曲を回し、ベースも弾く「ベースDJ」で会場は早くも興奮のるつぼに。  青色の作業服姿で、独自に制作した楽器や作品を用いた音楽活動や舞台パフォーマンスで人気の明和電機は、今回もオタマトーンをはじめとした独特の楽器でパフォーマンス。  そしてサプライズのKenKenと明和電機のセッションが始まった。「トントン君と音源」という楽器を弾く明和電機とKenKenのベース。時折奏でるオタマトーンがこんなにもベースとマッチするとは驚きだ。  その間も場内は昭和の社交場の趣を醸し出し始め、イベントが終了する翌朝5時まで至る所で交流が続いた。  団長を務める姫草ユリ子は「『血ユリ団』は、新しい文化を作り出すのを目的として、若手クリエイターを中心に結成されました。しかし現代は、作り手側だけが発信した物を一方的に受けとるのではなく、受け手側が選択をする時代です。『血ユリ団』のメンバーには、作り手側だけでなく受けて側の団員もたくさんいます。作り手側と受け手側が混在している。それが面白い団体であると思います。今後決定している夏のイベントも、ドレスコードを作り、お客様参加型のイベントになります。後、秋には一つのテーマを軸にした展覧会も予定しています。『血ユリ団』を母体に色々な事を発信できればと思っています」と語る。  今後このムーブメントはどういう広がりを見せていくのだろうか。