2場所連続全勝優勝の日馬富士が「第70代横綱」昇進

 日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)の番付編成会議と理事会を開き、秋場所で2場所連続全勝優勝を果たした大関日馬富士(28)=本名ダワーニャム・ビャンバドルジ、モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋=の第70代横綱への昇進を満場一致で決めた。前日、同所で開かれた日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)は12委員全員が出席し、満場一致で第70代横綱に推薦する答申を出していた。
 新横綱の誕生は、白鵬が平成19年夏場所後に昇進して以来5年ぶり。外国出身力士の横綱は5人目で、モンゴル勢は3代連続3人目。新入幕から所要47場所、大関通過22場所は、いずれも昭和以降では4番目のスロー記録となる。
 日馬富士はこれまでは細身ゆえに負傷が多く、連続優勝前の5場所は11勝2度、8勝3度と1場所平均9.2勝しか挙げていない。平成に入って誕生した横綱は日馬富士で8人目。いずれも2連覇して昇進しているが、大関時代の勝率が7割を切るのは日馬富士の.671だけ。年6場所制が定着した昭和33年以降で昇進した26人の中でも23位の低勝率。幕内の平均体重が過去最重量の161キロと大型化が進む現在、幕内で一、二を争う133キロの軽さで綱を張っていくことは並大抵ではない。
 日馬富士は、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で行われた昇進伝達式で「横綱を自覚して、全身全霊で相撲道に精進します」と口上を述べ、決意を表明した。
 伝達式後の会見では目指す横綱像について「自分らしく」「私は私」と繰り返した。そして「毎場所、優勝して、いろいろ記録をつくって相撲を盛り上げていきたい」と語った。