小池百合子のMOTTAINAI

山中教授のノーベル賞受賞で思うこと
 気がつけば、神無月。そろそろ来年のカレンダー制作にとりかかる時期です。
 内外ともにパッとしない今日この頃ですが、ここへきて明るいニュースが次々に飛び込んできました。
 7日、三重県の鈴鹿サーキットで行われたF1日本グランプリで小林可夢偉が3位に入り、悲願の表彰台に上りました。同日、パリのロンシャン競馬場では昨年の三冠馬オルフェーヴルが惜敗の2位に。そしてテニスの錦織圭がジャパン・オープンで堂々の優勝、ときました。
 それだけではありません。8日にはiSP(人工多能性幹)細胞の研究で、京大の山中伸弥教授がついにノーベル医学・生理学賞を受賞されました。自民党の世耕弘成参議院議員と中高の同級生だった縁から、数年前の研修会で山中教授の講演を伺う機会がありました。研修後の懇親会ではカラオケでデュエットもさせていただきました。曲名は忘れましたが、とてもシャイな歌い方でした。
 山中教授の地道で真摯な研究は、うつむき加減の日本と、病に苦しむ人々、総じて人類に希望を与えてくれました。山中教授とその仲間の皆さんに心から感謝し、実用化に向け、さらなる活躍をお祈りしたいものです。必要な研究環境の整備とともに。
 ノーベル賞の選考は物理学賞、化学賞、経済学賞の3部門についてはスウェーデン科学アカデミー、生理学・医学賞はカロリンスカ研究所、平和賞はノルウェー国会、文学賞はスウェーデン・アカデミーがそれぞれ行いますが、その過程は公表されていません。
 実は、私は沖縄担当大臣の際に、候補者の絞り込み過程を垣間見ることができました。沖縄・恩納村に世界最高水準の研究機関「沖縄科学技術大学院大学」を創設するため、世界最高の研究者と知己を得ることができたからです。
 利根川進氏(87年生理学・医学賞)、ジェローム・フリードマン氏(90年物理学賞)をはじめ、トーステン・ヴィーゼル氏(81年生理学・医学賞)、シドニー・ブレナー氏(02年生理学・医学賞)、スティーブン・チュー氏(97年物理学賞・現米エネルギー庁長官)など、全員がノーベル賞受賞者ばかり。会議の合間に、「次のノーベル賞受賞者は誰にしようか」「彼はまだ早すぎる」「あと数年、成果を見なければ」といった会話が飛び交うのです。正式な選考会の前に、こうやって専門家同士で絞り込みをするのだなと理解しました。これらの専門家の視野に入らなければ、ノーベル賞の候補にもなりえないことも。
 この大学院大学計画は、例の「仕分け」の対象にもなりましたが、ぜひとも次代のノーベル賞受賞者を輩出できる「ゆりかご」となることを期待しています。       
(自民党衆議院議員)