福島の今を知るモニターツアー開催

福島県が主催するモニターツアーが3日行われ、15組30名が参加した。今回は、『「ふくしま 新発売。」第3回 今の福島を見に行く モニターツアー〜収穫の秋・福島の新米と新そば〜』というテーマで、会津地方を視察した。現在も風評被害に悩まされる福島県が行っている農作物の安全への取り組みとは。

 同ツアーは、首都圏の消費者を招待し、現地の農産物の安全確保対策の説明と視察、旬の農産物の味覚体験、生産者等との交流を通じ、県産米への理解を促進することを目的に行っている。

 WEBサイトや関連イベントで配布したチラシなどで募集をした参加者と福島県の職員を乗せたバスは、午前8時に東京駅を出発。車内で、福島県の県産食品の安心・安全を確保する取り組みについて、説明が行われた。県では、生産・流通・消費の各段階で検査を実施、食品による内部被ばくを防ぐ取り組みを強化しているという。国の指導に基づいて行うモニタリングでは、主要な品目や、線量の高い地区では、収穫前の事前確認検査の導入など、検査体制を強化。その後、JAや出荷業者などが、産地で自主検査行い、検査結果は「ふくしま 新発売。」というWEBサイトで翌日にすべて公表される。

 説明を聞いているうちにバスは最初の目的地「いわはし館」に到着。お待ちかねの新そばの昼食タイムだ。メニューは鶏とごぼうで出汁をとった温かいそばと、名物のもりそばを葱と七味、ごまとくるみ 、しいたけと柚 、ひき割納豆 、大根おろしとたかの爪の5種類の薬味が入った器にめんつゆを入れて食べる「五段そば」。いろいろな味が楽しめ、子どもたちにも大好評だった。

 次に向かったのが、あいづ農業協同組合 40号農業倉庫の猪苗代町内検査施設。ここでは米の全量全袋検査が行われている。検査についての説明が行われたのち、実際の設備の前で、検査が行われている様子を視察。30キロの米袋を運搬する機械で、どのように米袋が流れているかを参加者が実際に体験する場面もあった。

 最後に、有機質とミネラルを使用し野菜を栽培している「宇川クリーンファーム」に。甘塾ミネラルトマト、エコファーマー米、ブルーベリーなどを栽培している農場だ。ここで参加者は、米粉を使用したピザとブルーベリージャム作りを体験。新鮮な野菜をトッピングしたピザを宇川さんが本格窯であっという間に焼き上げてくれた。熱々のピザを頬ばりながら参加者は「外はカリカリで中はもちもちしていておいしい」と手作りピザを堪能していた。

 参加者は「検査をしていることは知っていたが、実際に現場を見ると、知識だけでは得られない実感があった」「食に対する安全の取り組みをする福島県の農家さんの労力を知ることができてよかった」と、今回のモニターツアーで何かを感じた様子だった。 

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米の全量全袋検査の様子

主要な品目、摂取量の多い品目については、JAや出荷業者などが、産地で自主検査を実施している。特に米は、23年産米検査結果を踏まえ、綿密に検査するため、出荷前に全量全袋検査を行っている。今回は、1200万袋を検査する猪苗代町内検査施設のあいづ農業協同組合農業倉庫を視察した。