ニュースの焦点 衆院選公示1504人立候補 選挙区は民自と第三極の三つどもえ

 第46回衆院選は4日、公示され、16日の投開票に向けて選挙戦に突入した。自民党が政権を奪還できるかが焦点で、日本維新の会や日本未来の党など第三極がどの程度の勢力を確保するかも注目される。景気対策、消費税増税の是非、原発・エネルギー政策や、沖縄県・尖閣諸島など領土・領海をめぐる課題を受けた外交・安全保障政策、憲法改正などが争点となる。

 選挙戦は選挙区300、11ブロックの比例代表180の計480議席を争う。選挙区1294人、重複を除く比例代表210人の計1504人が立候補した。8年の小選挙区制導入後、最多となった。衆院選300選挙区の対決構図を分析すると、平成17年と21年の過去2回では民主、自民両党の「一騎打ち」が目立ったが、今回は日本維新の会など第三極勢力が両党の争いに割って入る形での「三つどもえ」の多さが特徴となっている。日本維新から立候補した151人のうち、民主、自民両党と戦うのは135人。日本維新抜きで民主、自民両党が争う選挙区は120、民主党の候補者が不在で自民党と日本維新が対決する選挙区は13だ。

民主党は209人の前職を公認。自民党は70人の元職に加え、前職105人を上回る新人113人を擁立し、公認候補が対
決する選挙区は255となった。自民党は、菅直人前首相の東京18区に17年選挙で惜敗し比例復活した元職の土屋正忠氏を擁立するなど「大物食い」を狙う。民主党は前回、新人女性の「刺客」を自民党大物に仕向けたが、今回は民主党を離党し、日本未来の党に移った前職の三宅雪子氏が民主党代表の野田佳彦首相への「刺客」として千葉4区に送り込まれた。

一方、二大政党の争いに割って入り、衆院選後のキャスチングボートを握ろうと狙う日本未来の党と日本維新の会、みんなの党の「第三極勢力」3党は、小選挙区に計327人の候補を送り込んだ。

日本未来の党は東北や東海、首都圏などで111人を擁立。みんなの党は東日本を軸に65人を立てた。しかし、第三極3党のうち、2党以上の競合は86選挙区に上り、票を奪い合って共倒れとなり、民主、自民両党に有利に働く懸念はぬぐえない。12選挙区では3党の候補が出そろった。これとは別に、日本未来は日本維新と47選挙区、脱原発のスタンスが重なるみんなの党と11選挙区でバッティングしている。

日本維新とみんなの党も16選挙区で争うが、一部選挙区では相互に候補を推薦するなど事前調整に成功した。