大島渚さん死去 坂本龍一、田原総一朗ら弔辞に涙

 映画監督の大島渚さん(享年80)が15日、肺炎のため死去した。 

 22日、東京・築地本願寺で葬儀・告別式が営まれ、約700人が参列した。世界的ミュージシャン、坂本龍一や、ジャーナリストの田原総一朗らが弔辞を述べた。坂本らは「ひきょう者!」「バカヤロー!」と怒られた思い出を懐かしそうに披露。そんな激情家だった夫を優しく包むように、妻の女優、小山明子が喪主あいさつに立ち、永遠の別れを告げた。

 自宅のある米ニューヨークから前日急きょ来日した坂本は、築地本願寺の本堂へ。遺影の前に立つと、「はぁ…大島監督」とため息とともに呼びかけ、「偉大な映画監督、偉大な人でした。社会を厳しく叱る人間がいなくなり、日本は少しつまらない国になったかもしれません。あなたのすべてにありがとう」と、別れを告げた。

 坂本は、大島さんの代表作『戦場のメリークリスマス』(1983年)に出演、音楽も担当した。葬儀会場には、この日も「戦メリ」のテーマ曲が流れた。