ボクシング 山中がKOでWBC世界バンタム級王座防衛

 山中慎介と亀田興毅というボクシング、バンタム級の世界王者2人が試合内容は好対照ながらもともに防衛を果たした。

 WBA王者の亀田は7日に大阪市のボディメーカーコロシアムで同級8位のパノムルンレック・カイヤンハーダオジム(タイ)と対戦。後半打ち込まれる場面も目立ち、辛くも2−1の判定で6度目の防衛を果たした。

 亀田は2回に左アッパーを浴びると、ジャブを繰り返し突かれて顔面が真っ赤に腫れ上がった。ガードを固め、距離を保って戦う王者にしては珍しく接近戦を展開したが、ロープを背に防戦一方となるシーンもしばしば。流れを変える戦術もなかった。試合後は観客に土下座をし悔し涙を流した。

 WBC王者の山中は8日に東京・両国国技館で同級1位のマルコム・ツニャカオ(フィリピン)を12回1分57秒、TKOで退けて3度目の防衛を果たした。

 王座返り咲きを狙うツニャカオから山中は3回に2度のダウンを奪う。ダウン後もスピードの落ちないツニャカオだったが、山中はガードを固めて距離をとって右ジャブを連発。さらに隙をついて左ストレートを有効に当て続け、みるみるうちにツニャカオの右目上の傷口を広げていった。

 最終回、途中の公開判定で大差をつけられたツニャカオが前に出てくるところで、相手のガードの間を突き、左ストレート一閃。崩れ落ちるような3度目のダウンにレフェリーが試合を止めた。

 山中は試合後、今後について「統一戦には興味がある。WBAでもIBFでもWBOでも。これからもっともっと面白い試合をしたい」と語った。

 8日はトリプルタイトルマッチとして行われ、フライ級では八重樫東がチャンピオンの五十嵐俊幸を3−0の判定で破り、スーパーフェザー級は三浦隆司が王者のガマリエル・ディアスを9回1分21秒でTKO勝ちし、それぞれ新王者となった。