65キロ級の世界一を決める戦い 『GLORY 8 TOKYO』5月3日に開催

 立ち技格闘技の『GLORY 8 TOKYO −65kg SLAM & Road to GLORY JAPAN −85kg』が5月3日、東京・有明コロシアムで開催。世界の65キロ級の選手8人によるトーナメントが行われ、日本からは久保優太、野杁正明の2人が参戦する。

 日本の、いや世界の立ち技格闘技の中心にいたK−1が活動を停止してずいぶん経った。K−1なき後の、立ち技の世界最高峰に君臨するのが『GLORY』だ。

 昨年大晦日には日本に上陸。DREAMとの合同興行となる『DREAM.18 & GLORY 4』でさいたまスーパーアリーナに多くの観衆を集めた。

 そこではヘビー級のトーナメントを開催。セミー・シュルト、ピーター・アーツ、レミー・ボンヤスキーといった日本でもおなじみの選手が顔を揃え、日本のファンが忘れかけていた熱狂を呼び覚ました。

 2013年になっても世界各地でビッグマッチを開催するGLORYは日本では3月10日に『GLORY World Series』への登竜門となる大会『Road to GLORY JAPAN −65kg Slam』を開催。65キロ級の8人トーナメントが行われ、日本を代表する選手が激闘を繰り広げ、K−1甲子園でおなじみでKrushで活躍中の野杁正明が決勝で裕樹を破り『GLORY 8 TOKYO』で行われる世界トーナメントの出場権を獲得した。

 この世界トーナメントには推薦選手として久保優太も出場。4月11日にはトーナメントの対戦カード抽選会が行われ、2人は別のブロックに。

「必ず優勝して世界で一番強いことを証明したい。65kgはあくまでも通過点。壁を乗り越えて早く目標の70kgに照準を合わせたい」(久保)、「日本代表としてもKrush代表としてもGLORYのベルトを持ち帰りたい」(野杁)とともに頂点を狙う。

 とはいっても残りの6人も世界を代表する選手ばかり。特にランキングの1位であるモサブ・アムラーニは文字通り優勝候補だ。アムラーニはオランダのレジェンドファイターであるラモン・デッカーの再来ともいわれるヨーロッパのトップファイター。2008年には“ムエタイの英雄”アヌワット・ゲオサムリットにムエタイルールで4RTKO勝ちし、2009年には、これまた“ムエタイの破壊神”と呼ばれるボーウィー・ソー・ウドムソンを1RKOで倒すなど輝かしい戦績を誇る。

 対抗にあげられるのはランキング2位、日本の久保だ。2010年の『K-1 WORLD MAX 2010』あたりから一般のファンにも知られるところとなる久保だったが、その当時は実力はトップクラスながらも、ここ一番で精神的なもろさが出てビッグタイトルを逃していた。しかし翌年の『K-1 WORLD MAX 2011 −63kg Japan Tournament』優勝以降は安定した実力を発揮。今年1月に行われた『Krush Grand prix 2013 〜−67kg級初代王座決定トーナメント〜』でも優勝を飾り、同王座を獲得した。

 そして『Road to GLORY JAPAN』を制した野杁をダークホースと見る向きも多い。野杁のオールラウンダーのスタイルはワンデートーナメントではなによりも武器となる。しかしそんなことをいったら当時“ヨーロッパ最強”の称号を引っさげて初来日したアムラーニを延長の末、判定で破った韓国のイム・チビンも黙ってはいまい。

 1回戦から目の離せない戦いが繰り広げられそうだ。

〈GLORY 8 TOKYO〉
◆SLAM −65kg トーナメント1回戦
モサブ・アムラーニ vs マーカス・ビニシウス
リアム・ハリソン vs 野杁正明
アブデラ・エズビリ vs ガブリエル・バルガ
久保優太 vs イム・チビン
◆SLAM −65kg リザーブファイト
アンドレ・ブルール vs 小宮由紀博
チョンレック vs 藤田ゼン
◆スーパーファイト ヘビー級
ジェローム・レ・バンナ vs Koichi
ピーター・アーツ vs ジャマル・ベン・サディック
◆スーパーファイト −70kg
アンディ・リスティ vs アルバート・クラウス
佐藤嘉洋 vs イ・ソンヒョン

〈Road to GLORY JAPAN −85kg〉
◆−85kg トーナメント1回戦
マグナム酒井 vs 松本哉朗
新村優貴 vs 清水賢吾
◆スーパーファイト −70kg契約 3分3R
廣野 祐 vs 亮次
◆スーパーファイト −61kg契約 3分3R
“狂拳” 竹内 裕二 vs 稲石 竜弥
◆スーパーファイト −55kg契約 3分3R
Dyki vs TBA

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85キロ級の日本人最強を決めるトーナメントも開催

 この日は『Road to GLORY JAPAN −85kg』との2部構成でイベントが行われる。65キロ級と同様、ワールドトーナメントへの出場権をかけた戦いだ。日本人最強を決めるべく4人の選手によるトーナメントが行われる。

 優勝候補の松本哉朗と対抗のマグナム酒井が1回戦で激突。事実上の決勝戦と予想されるが、お互いに潰し合いになった場合は別ブロックの新村優貴vs清水賢吾の勝者が一気に優勝に近づく。

 対戦カード抽選会での会見では、松本が「厳しい戦いになる。2人で潰し合って(トーナメントの)反対側の選手が有利にならないようにしたい。(優勝賞金は)昨年建てた家の繰り上げ返済に充てたい」と優勝宣言。

 65キロ級でも分かる通り、勝つと負けるでは天国と地獄。世界を目指したサバイバルマッチが展開される。