〈新企画〉二十歳の視点Vol.7 高幡不動の魅力

 皆さんは「高幡不動駅」をご存知だろうか。
 初対面の人に「どこ住み〜?(どこに住んでるの?)」と聞かれて「高幡不動だよ!」と返しても大体伝わらない。「それ東京都?」とまで言われる始末。たまたま近くに住んでいる人がいて話が通じると、ものすごくテンションがあがってしまう。しかし本来はそういう場ではないはず。
 このような状況を打破し、高幡不動をひとりでも多くの人に知ってもらいたい! また既に知っている人には高幡不動の良さを少しでも伝えられれば…!
 そんな思いで高幡不動をフラついてみた。地元愛をつづってみる。
 新宿から京王線特急で約30分。高幡不動駅は都心から実にアクセスの良い位置にある。多摩都市モノレール線や京王動物園線などとの連結もあるため客足も多く、現在1日の平均乗車数は約6万人。年々増加してきているそうだ。

 そんな高幡不動駅はここ10年ほどで目覚ましい発展を遂げた。土地の区画整備が行われたことで街が都会化。駅は大きく改良されて綺麗になり、利便性が高まった。さらに自由通路が開通したことで多摩都市モノレール線への乗り継ぎがしやすくなり、ショッピングモールも併設された。ずっとここに住んでいる私でも昔の姿を忘れてしまうくらいに大きな変化を遂げたのだ。

 しかし、昔から変わらないものもたくさん存在する。今回はそんな高幡不動の古き良き魅力や自然をお伝えしていこう。

真言宗智山派別格本山高幡山明王院金剛寺

 思わず噛んでしまいそうな名前の寺、通称「高幡不動尊」は駅から徒歩2分程度のところに位置している。

 駅から高幡不動尊までは参道が延びており、名物高幡不動まんじゅうやせんべい、新撰組のグッズなどのお店がずらり。中でも特に紹介したいのが「開運そば」。高幡不動尊の門前前に位置している、いつも観光客でいっぱいの有名店だ。店内にあるノボリやメニュー名から縁起の良さが滲み出しており、蕎麦の上には「開運」と書かれたかまぼこが浮かぶ。蕎麦をテイクアウトするとおふだをプレゼントしてくれるそう。とてもご利益のありそうなお蕎麦屋さんとして人気が高い。

 高幡不動尊は今から1100年以上前に設立された金剛寺で、成田山新勝寺、玉とく山總願寺と並んで関東三大不動として名を馳せている。「高幡のお不動さん」として親しまれており、初詣、節分会、もみじ祭り、イルミネーションなどの季節にまつわる行事や、写経会、リサイクル市、俳画教室などの月例行事が多々開催されている。毎年梅雨の季節に行われているあじさい祭りは非常にハイクオリティで、特に多くの人でにぎわう。山アジサイの素晴らしさは「美しい多摩川の四季100景」でも紹介されているほどだ。また「ひの新撰組まつり」といった日野市ならではの行事も、高幡不動尊を起点に開催されている。

 境内には多くの建造物があるが、中でも特に目を引いたのは真っ赤な五重塔。階段を上ると塔の真下まで行けるため、間近で五重塔を拝観することが可能。また夜間には五重塔ライトアップがなされるため、遠くからでも美しい光景を眺めることができるのだ。かのスカイツリーに勝るとも劣らず、と言ったところだ(過言)。

 23区内に住んでいる人は、明治神宮に初詣に行くというのが多いかもしれないが、ぜひ一度高幡不動尊まで足を運んでみてはいかがだろうか。
新撰組!

 高幡不動有する日野市は、香取慎吾主演の2004年NHK大河ドラマ「新撰組!」で大きく話題になった都市。そう、話はそれるが高幡不動は日野市にあるのです。意外と知られていないらしいのでちょっとアピールしておく。

 ドラマの放送を生かして観光振興や地域のまちおこしが行われ、日野市の名を全国に広めた。ドラマ放映と同時に幕末ブームも起こり、新撰組をモチーフにしたアニメやマンガも多く著された。昨年からは「新撰組検定」も始まり、合格者には、提携している居酒屋の限定メニューを食すことができるという面白い特典が与えられた。新撰組が人々に浸透してきていることは確かだ。

 市内には多くの新撰組ゆかりの地があり、資料館、歴史館なども設立されている。土方歳三記念館は生家の一角を展示場としたため、当時のままの柱や梁を見ることができる。また、大河ドラマ放送当時には「新撰組フェスタin日野」が市内の公園に設立され、ドラマの紹介や資料展示、キャラクターショーやお土産コーナーなど老若男女が楽しめる工夫がなされた施設として親しまれていた。

 新撰組を通じて親睦を深め、新撰組の存在を後世に語り継ぐことを目標としている「新撰組同好会」も結成された。新選組に関する講演会や見学会などを開催したり、フットワークが軽いメンバーは全国の新撰組パレードに参加したりもしているという。毎年5月には日野市でも「ひの新撰組まつり」が行われており、今年で16回目を迎える。さらに今年は新撰組結成150周年ということで、例年以上に企画に気合が入っているもよう。隊員の格好をした人たちが高幡不動の町を練り歩くパレードや、パレードの花形を決めるコンテスト、よさこいなどのパフォーマンスが行われる予定だ。
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自然多き高幡不動周辺

 高幡不動駅から徒歩10分程度のところに、「向島用水親水路」という小さな散歩道がある。大通りの抜け道的存在なため人通りは少ないのだが、だからこそとても落ち着いた雰囲気の場所となっている。およそ500メートルの道のりなため、自転車で駆け抜けてしまうとあっという間。しかしのんびり歩けばじっくり自然を堪能することができる距離だ。ここはかつては農業用水として使われていた水路だが、今ではきれいに整備されている。生き物にとって住みやすく、子どもたちにとって遊びやすく、大人たちにとってはリラックスできる環境づくりがなされたのだ。昔使われていた水車も再現され、毎日休むことなく動いている。

 用水路の近くには大きな橋や公園も整備されており、たくさんの自然と触れあうことができる。特に日野市は多摩川と浅川といった2本の大きな川が流れているため、小学校の教育課程でも「水」が切れない存在として取り扱われている。小さいころから水や自然を大切にしようという心がけを、実体験を通して学ぶことができる環境におかれているのだ。

 時には都心からちょっと離れた土地で、普段あまり触れることのない歴史や自然に浸って、ゆったりとした時を過ごしてみてはいかがだろうか。

 そして、この記事をきっかけに高幡不動を知ったという人がもしいたら、天にも昇る思いだ。

(本紙インターン・沢井めぐみ)