盛り上がった割にはイマイチだったネット選挙

ネットの情報を参考にした人は1〜2割!?

 ネットを使っての選挙運動が解禁となった参議院議員選挙の投開票が7月21日行われ、ご存知の通り、自民党が65議席を獲得し圧勝。民主党は69議席減の17議席と歴史的な敗北を喫した。

 さて戦前は華々しかった“ネット選挙”だが、果たしてその効果のほどはどうだったのか。

 一部報道によると今回の選挙で立候補した433人のうち404人がツイッター、フェイスブック、ブログのいずれかのアカウントを持っていたという。そしてこれらのツールで発信した総件数の上位10位の候補者はいずれも落選。そして21日の当日に共同通信が実施した「出口調査」によると、投票先を決める上でインターネットの情報を「参考にした」と答えた人は約1割、朝日新聞のそれでは23%にとどまったという。

 ネット選挙解禁にあたっては「(ネット利用者の多い)若者の投票率が上がる」「政策論議が高まる」「選挙運動のコストの削減」といったことが期待された。
 しかし投票率(選挙区)については52.61%で参院選では昭和22年の第1回以降で3番目の低水準になった。

 ネットの情報を参考にした人が1〜2割ということは、政策議論が高まっていたとは到底言えまい。

 ネットを利用する人は若年層に圧倒的に多く、年齢が高くなるにつれその数は減っていく。結局、ネットでの選挙運動よりも従来型の選挙カーで名前を連呼する、握手をする、といったやり方がまだまだ幅を利かせたようだ。

 初めての試みであり、手探りの中での選挙戦。今回の結果を見て「ネット選挙は…」などと言うつもりはないが、ネットの性質上、もともと政治に興味がある人が、その知識を深掘りするためには効果があったのかもしれないが、そもそも興味がない人には効果がなかったということなのではないか。

 テレビはつけっぱなしにしておけば、興味がない話題に遭遇する機会はあるが、ネットにそれを期待するのは難しい。

「ツイッターでフォローすれば情報は勝手に入ってくる」という人もいるが、フォローするという行為はどういう情報から発生するのか。そもそも政治に興味がない人は政治家をフォローしない。

 またそのルールが分かりにくかったことが、いまいち浸透しなかった理由のひとつだったといっても差し支えあるまい。例えばメールによる選挙活動については公示日直前のテレビ番組で初めて詳しく知った人も多い。次回の選挙に向け、一考が必要なところだろう。