東京を踊れ! 暑い夏を踊り締め

8月も残すところ、あとわずか。まだまだ暑い天候が続くとはいえ、今年の夏もそろそろ終盤だ。東京の夏を締めくくるのは、踊り。東洋一ともされる浅草サンバカーニバルや、東京高円寺阿波おどりを筆頭に、都内各地で踊るまつりが開催される。やり残した宿題や実行できなかった旅行プランはとりあえず置いといて、踊って今年の夏を見送りませんか?
本場リオにもその名を知られる本格派サンバチーム G.R.E.S.仲見世 BARBAROSに聞く
「浅草サンバカーニバルは、やっぱり特別なんです」


 8月のとある日曜日。新浦安の海辺に100名を超す人たちが集まっていた。みな、浅草のサンバチーム、仲見世BARBAROS(以下、バルバロス)のメンバーだ。31日に、浅草サンバカーニバルを控えてのエンサイオ(練習)。本番まで残された時間も少ない。ひとつひとつの動き、かける声、叩きだすリズムに、自然と力が入る。吹き出す汗で体をキラキラと光らせているダンサーの1人は目を輝かせて言った。「浅草サンバカーニバルはやっぱり特別。みんな、この日を目指して準備しています。だからこそこんな暑いのに、たくさんの人が集まってくるんです!」

バルバロスは歴史のあるチームだ。1981年に浅草で産声をあげ、東洋一とも言われるまでに成長した浅草サンバカーニバルと一緒に歴史を刻んできた。1980年のプレカーニバルに「イジケターズ」として参加。その後、「仲見世エンコサンバスクール」、「ノイス ドイス バルバロス」とチーム名を変え、1984年から現在のチーム名で活動。最初こそ、サンバを浅草・仲見世風にアレンジした内容での参加だったというが、回数を重ねるほどに、ブラジル音楽のファン、ダンサーたちが集まり、本格派へと変化。1991年にはオリジナル曲を制作し、1993年からは、本場ブラジルに倣い、テーマに沿って楽曲や衣装、アレゴリア(山車)を制作し、ストーリーをともなったパレードを展開。浅草サンバカーニバルでの優勝回数は18回と最多で、本場リオでも認められるチームになった。

 今年のテーマは「旅」。当日参加を含め約300人で世界旅行をしているようなパレードを見せてくれる。「いつか挑戦してみたいと思っていたテーマ」と、副会長の中島洋二さん。冬場にはリオのカーニバルにも参加しているといい、ダンサーでありながら、芸術面での監督を務め、衣装にも目を配るという、キーマンだ。「バルバロスはオリジナルなチーム。ブラジルのものをそのまま持ってきているわけではなく、うまく取り入れながら自分たちで新しいものを生み出している、冒険ができるチームです。その成果を浅草でみなさんにお見せできたらと思います」

 灼熱のエンサイオの成果は31日に浅草で。

第32回浅草サンバカーニバル パレードコンテスト
 浅草そして東京の夏を締めくくるイベント。近年は毎年50万人の人が華やかなパレードを見るために足を運ぶ。真剣勝負のコンテストの側面も持ち、S1リーグ(チーム構成人数は150名以上300名以内、アレゴリアの出場など規定がある)には仲見世バルバロスなど9チーム、S2チーム(30名以上150名未満、アレゴリアの出場は不可など)には10チームが出場する。他にも「コミュニケーションリーグ」、企業チームによる「テーマ・サンバ・リーグ」なども行われる。
【日程】8月31日(土)13〜18時 ※少雨決行。パレードコンテストは13時30分〜。
【会場】台東区 馬道通り〜雷門通り 【URL】http://www.asakusa-samba.org/
「高円寺阿波おどり連協会」朱雀連の井上連長に聞く
「鳴り物の音が聞こえたら思わず踊ってしまう」


 杉並区立の施設である座・高円寺の地下2階のフロアにある「あわおどりホール」はその名のごとく、阿波おどりの連が練習のために優先して使用できるスペースだ。高円寺阿波おどりを約10日後に控えた平日の午後7時、三々五々、「朱雀連」のメンバーが集まってくる。

 この日は座・高円寺1(24日)とセシオン杉並(25日)で行われる舞台踊りの練習がメーン。阿波おどりの練習と聞いて“踊り方”の練習風景を思い浮かべていたのだが、むしろフォーメーションの練習、動き方の確認・徹底というほうが分かりやすい。

 阿波おどりといえば、大きな道を前に進みながら踊る「流し踊り」の姿をイメージする人も多いだろうが、舞台で踊る「舞台踊り」というものもあるのだ。

 大人数で踊るとあって、全体のバランス、前後の間隔、手を上げたときの高さの統一などチェックポイントは多岐に渡るのだが、連長の井上麻紫子さんの指示のもと少しずつ形になっていく。それでも移動の時にぶつかったり、どうしても真っ直ぐに並べなかったりと、なかなかうまくいかない。しかし鳴り物担当のメンバーが太鼓や笛を吹き出すと、不思議なことに動きが統一されてきてビシッと決まり出すから不思議だ。

 この朱雀連は29ある「高円寺阿波おどり連協会」の一つ。10年前に、別の連から独立した井上さんら7人で始め、今年で10周年。メンバーは約50人。女性が目立つ。
 幼少時から阿波おどりが身近にあった井上さんはごく自然に阿波おどりにひかれるようになった。しかし、阿波おどりを見にきて、その魅力にひかれ、大人になってから始める人も多いという。何がこれだけの人の気持ちを動かすのか。

「鳴り物の音が聞こえたら思わず踊ってしまうとか、沿道で見ているだけでうずうずワクワクしてきて、見ている側ではなくて、道の真ん中で踊りたくなってしまうところなんじゃないでしょうか。理屈ではなくて」

 踊り手の男女比、鳴り物の人数、熟練度などで踊りは大きく変わる。連によってさまざまな特徴が出る。どこの連で踊るかも重要だ。
「若い人の中には友達に誘われて、という人は多いと思います。でもうちは“誘う”ということはしていないんです。自分の意思で“ここで踊りたい”と思ってくれた人しかいないんです」
 実は朱雀連の活動は8月の阿波おどりにとどまらない。各地のお祭りに参加したり、徳島の郷土料理店で阿波おどりを披露することもある。なので、1年を通じて土日に週1回の練習は欠かさない。この時期はこの日のようなフォーメーションの練習が多くなるが、冬場には踊り自体の練習をみっちりするという。

 ハードな踊りゆえ、猛暑のなか熱中症などで倒れる人も出そうなものだが、日ごろの鍛錬の成果か、踊る側より観客側のほうが熱中症などで倒れる可能性が高いよう。足を運ぼうと思っている人は興奮しすぎて倒れないように注意が必要だ。

第57回東京高円寺阿波おどり
毎年8月下旬に行われる「高円寺阿波おどり」は昭和32年に第1回が行われ、今年で57回を数える。今や、本場・徳島に次ぐ大規模なもので、2012年には延べ150の連が参加し、95万人の観客が集まった。
【日程】8月24日(土)、25日(日)17〜20時 ※少雨決行
【会場】JR高円寺駅・東京メトロ丸ノ内線新高円寺駅周辺の商店街など8演舞場
【URL】http://www.koenji-awaodori.com/
よさこいパワーで日本を元気に
原宿表参道元氣祭 スーパーよさこい


高知のよさこい祭りを参考にした、都内最大規模の祭り。よさこいを踊るチームが全国各地から集まり、開催期間中は、表参道一帯が踊り子と観客の熱気に包まれる。祭りは明治神宮奉納祭りとして2001年スタート。回数を重ねるほどに人気を集め、今は2日間で約80万人が集まる。
 よさこいのほか、代々木公園では全国各地の名産品や特産品が集結する物産展「じまん市2013」と、「U-1グランプリ(全国うどん選手権)」(関連記事9面)も同時開催される。
 よさこいのパフォーマンスとおいしいものから元気をもらおう!

【日程】8月24日(土)、25日(日)
【会場】原宿表参道、明治神宮、代々木公園、NHK前ケヤキ並木通り
【URL】http://www.yosakoi-harajuku.com/


みんなで踊ろう『六本人音頭』
六本木ヒルズ盆踊り2013


 六本木ヒルズの夏の恒例行事。六本木ヒルズアリーナに特設やぐらが設けられ、オリジナル音頭『六本人音頭』で踊る。ゆかた姿の老若男女が一斉に踊る様子は壮観だ。盆踊りが行われる24、25日と、前夜祭となる23日には、夏祭り気分を盛り上げる縁日屋台や、ヒルズ内のレストランが出店するグルメ屋台も登場する。人気の麻布十番納涼祭りは徒歩圏内なので、はしごして楽しむ人も多い。
『六本人音頭』は、六本木ヒルズがオープンした2003年に、有志によって作詞されたもの。振り付けは、テレビや舞台などで活躍中の花柳糸之が担当した。

【日程】8月24日(土)、25日(日)17〜20時 ※23日に前夜祭(盆踊りはなし)。縁日屋台は期間中17〜21時。
【会場】六本木ヒルズ アリーナ
【URL】http://www.roppongihills.com/


食べ歩きで人気の夏祭り
麻布十番納涼まつり


 商店街のお店による出店や全国各地の味覚が味わえることで、都内でもトップクラスの人気の夏祭り。「手づくりのまつり」という原点に立ち戻って展開される。出店の他、多彩なステージイベントやお囃子も行われ、自然と体が動きそう。

【日程】8月24日(土)、25日(日)15〜21時
【会場】麻布十番商店街
【URL】http://www.azabujuban.or.jp/


白熱の!?盆踊りコンテスト
寅さんまつり


 映画『男はつらいよ』の寅さんにちなんだ『寅さん音頭』ができたことでスタートした地域密着型の夏祭り。盆踊りが軸になっていて、練習会やパレード、コンテストなども行われる。下町情緒とともに、日本の夏を体と心で感じて!

【日程】8月23日(金)、24日(土)、25日(日)17時30分〜21時 ※25日は17時〜
【会場】帝釈天境内・帝釈天参道
【URL】http://shibamata.net/torasanmatsuri/


河内音頭で踊り込む、本格派盆踊り
すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り


 河内音頭で踊り込む盆踊り大会。今年は『錦糸町鉄砲節対決!鉄砲光丸会 VS 鉄砲博三郎一門会』と題し、河内音頭の節のひとつで、河内音頭取りも手本にする鉄砲節を、伝統的なグループとオリジナリティーあふれるグループで聴かせる。

【日程】8月28日(水)、29日(木)17時30分〜
【会場】竪川親水公園
【URL】http://www.geocities.jp/iyakorase/


テクノミュージックの祭典
WIRE 13


 国内最大級の屋内テクノミュージックフェスティバル。電気グルーヴなどで活躍する石野卓球の呼びかけのもと、国内外のトップアーティストが集結する。出演は石野ほか、WESTBAM、KEN ISHIIなど。

【日程】9月14日(土)18時〜
【会場】横浜アリーナ
【料金】前売り1万1550円(税込・オールスタンディング) 
【URL】http://www.wireweb.jp/