吉川晃司 SAMURAI ROCK この夏も忘れない。

 8月上旬、夏休みにしては短すぎる、つかの間の休息時間を持った。3日に広島でのコンサート、6日の広島平和記念日にマツダスタジアムで行われたピースナイターでの“登板”があったため、1週間弱、生まれ育った広島に滞在した。そのあいだ、自らハンドルを握って両親の故郷を訪れたりして、「長男としての役割を果たした」のだそう。

「両親も80前後になるし、今後のことを考えると、今このタイミングで行っておかないとって思ってさ。墓参りをしたり、海に行ったり、山に行ったりと、2日間でいろいろと。まあ、家族サービスだね。でも、ホント、大変だったんだよ(笑)。移動中に親がケンカを始めたりするし……もう、いい加減にしてくれ!と(笑)。ただ、旨い魚が食べられたのはよかった。魚の種類は忘れちゃったけど、地のものでね。本当にうまかったよ」

 番組で話題にしたのは、やはりピースナイターのこと。前回このコーナーでもお知らせしたように、吉川は始球式で投げ、平和への想いを込めて『イマジン』を熱唱した。

“登板”が決まってからというもの、身近な野球関係者と週3回程度の早朝練習を重ね、本番は洗練された投球フォームでキャッチャーミットに111キロのスライダーを投げ込んだ。

「ストレートばかりだと飽きちゃうから、カーブやツーシームを教えてもらって投げたりしてたんだけど、カープファンや野球ファンがスライダーを投げろって言ってきてさあ…」と、吉川。当日のカープの先発がマエケンの愛称で親しまれる前田健太選手。彼の特徴のひとつがスライダーなのだ。「とはいっても、3日に教えてもらって、4日に練習しただけだから、ションベンスライダーだったけどね(笑)」。111キロという結果については、本人は「まあまあ」との評価。「また、機会があったら投げたいね。次は130キロだね」と、今回の目標スピード120キロを上回る数字をさらっと口にした。

『イマジン』でもスタンドいっぱいの観客を圧倒した。吉川は、忌野清志郎さんがRCサクセションで日本語カバーした『イマジン』をベースにしつつ、放射能や被ばくはいらないというメッセージを組み入れて、2013年8月6日に広島で歌うという意味を含めた、『イマジン』を歌い上げた。

「スポーツやエンターテインメントだからこそできる平和祈願ってあると思う。今回はとてもいい経験をさせてもらったね」と、本人。吉川にまたひとつ、忘れられない夏の思い出が加わった。

今月のオンエアリスト
1.吉川晃司 『I’m Yes Man』
最新アルバム収録曲。♪修羅 shu shu shu
2.JOHN LENNON『イマジン』
ピースナイターで歌ったこの曲を原曲で。
3.浜田省吾『僕と彼女と週末に』
リスナーからのメールに関連して選曲
4.吉川晃司『SAMURAI ROCK』
最新アルバムのタイトルトラック
5.COMPLEX『恋をとめないで』
リスナーから作詞についての質問を受けて
6.吉川晃司『Do the JOY』
最新アルバム収録曲。曲名はダブルミーニング?

このコラムは、ラジオ番組『D.N.A〜ロックの殿堂〜』吉川晃司“SAMURAI ROCK”とコラボレーションしています。この番組では激動の時代を駆け抜けてきたミュージシャンたちが週替わりでDJを務め、吉川晃司は毎月第4週に登場します。JFN系列全国14局で放送中。※東京での放送はありません。ポッドキャスト版でお楽しみください。(http://www.jfn.co.jp/dna