ミッテラン大統領の専属料理人から南極調査隊シェフまで!–ダニエル・デルプシュ

 私はレストランのシェフというより“ブルジョアのプライベートなダイニングの料理人”ってところ(笑)」。と笑う上品で優しそうなご婦人。彼女、ダニエル・デルプシュが言う“ブルジョアの雇い主”の1人とは、当時フランスの大統領だったフランソワ・ミッテラン氏のこと。もともと地方でフォアグラの生産に携わっていた彼女は、世界の一流シェフからリスペクトされていた。彼女を大統領の専属シェフに推薦したのも、あのジョエル・ロブションだ。そんな彼女のエピソードと料理をもとに作られたのが9月7日から公開となる映画『大統領の料理人』。「実をいうと映画化のオファーをもらってから2年ほど断り続けていたの。エリゼ宮で私が過ごした2年間をうまく映画で語ることは難しいように思えてね。結局私がなぜ映画化を了承したかというと、この作品のテーマが有名人のエピソードを語るものではなかったから。この映画は料理への愛にあふれた、食いしん坊のための物語なのよ(笑)」。映画に登場するダニエル監修の料理たちは、実は“地方の家庭料理”。大統領は、エリゼ宮付きの一流男性シェフたちが作る高級料理より、ダニエルの“おばあちゃんの味”を求めていたのだ。「フランス人はこの映画で、女性が作る家庭料理が脈々と息づいてきたんだということを再発見できたと思うわ」。大統領の料理人という過酷な職場を経験したダニエルは、その後、南極調査隊にシェフとして参加。「私はただ、いつも最高の料理を出すために全力を出してきただけ。でもそれ以上に、料理を作ることがとても幸せで楽しいの(笑)」。大統領をうならせる家庭料理を作るために必要なことは…?「誠実で正直であることね。あなたは食いしん坊? だったら大丈夫。きっとおいしい料理を作ることができるわよ!」。
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『大統領の料理人』監督:クリスチャン・ヴァンサン 出演:カトリーヌ・フロ他/1時間35分/ギャガ配給/9月7日よりシネスイッチ銀座他にて公開 daitouryo-chef.gaga.ne.jp

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