2014年に気になる人インタビュー 根本宗子 月刊「根本宗子」主宰

1月10日から駅前劇場で新作『夢も希望もなく。』上演開始
毎年、最初の発行号で「今年気になる人」というテーマでさまざまなジャンルの人にインタビューをしているのだが、今年は演劇界からピックアップ。月刊「根本宗子」の主宰である根本宗子は一言でいうと“末恐ろしい”逸材だった。 (本紙・本吉英人)
 旗揚げが2009年。演劇のルーツは?

「母親がお芝居を見るのが好きで、一緒に連れていかれてました。もともと歌舞伎ばかり見ていたんですが、その後、三谷幸喜さんの芝居とか新感線などを見るようになって、大人計画を中1のときに初めて見て、そこから徐々に小劇場を見るようになりました。高校生からは、自分で行くようになって、高校の3年間が一番芝居を見ていました。3年のときは120本、1〜2年生のときも100本近い本数は見ていました」

 そして高校卒業後、「ENBUゼミ」の赤堀雅秋クラスに入る。THE SHAMPOO HATの芝居を見て、こういう芝居をしたいと?
「赤堀さんの芝居は最初見たときは、どっちかというと苦手でした。まだ高校生だったので、なにが面白いのか全然分からなくて。しかも、おじさんだけの話だったので(笑)。でも次に見た作品が面白かったのと、演劇誌とかでいろんな方が赤堀さんが面白いと書いていて、どうやってあれを作っているのかぜひ私も演出を受けてみたいと思って選びました」

 今回で9本目の本公演なのだが、それ以外にバー公演という形態で20本以上の公演を打っている。

「………。一度ものすごい赤字を作ってしまった公演があって…。でもどうしてもアルバイトをして返すのは嫌で(笑)。芝居をして返せないかと思って、当時 “女の子だけでコメディーをやってみたい”という話をしていたので、実験的にやってみたらうまくいったので、以後、定期的にやるようになりました。あと、本公演の3000いくらって、若い人にとって決して安くはないじゃないですか。バー公演の1200円だったらお試しで見てもらえるかなっていうところもあって。実際バー公演を見てから、本公演に来てくれる人が増えたのでよかったですね」

 行動力がすごい。

「常にお芝居をしていたいタイプなんです。自分でやるか、呼ばれない限りできないじゃないですか。毎月呼ばれるのは無理だから、自分たちで毎月やっていれば毎月できるという(笑)。最初はそういう考えでしたね」 
 
 劇団名もなかなか強烈。

「『月刊○○』という写真集が昔から大好きで、あれに出たかったんです。でも“さすがに出られないな”と思って、でもこの名前にしてチラシにしたら、ちょっと出た気になるかなと思ったんです。あと、私が演劇を始めたときって、女性作家といえば本谷有希子さんという時代だったので、二番煎じみたいな奴が出てきたなって、良くも悪くも引っかかるかなって思ったところもあります」

 今回の作品はどんなお話?

「主人公の10年前と10年後を描きます。10年前に女優を目指していた子が、いいところにまでいきかけるんですけど、彼氏のせいでだめになっちゃって、そのカップルが10年後も同じアパートに住んでいるというお話です。10年経ってもどっちも売れていない」

 ダメな人が好き?

「そうですね。でもここのところずっと ダメな人を書いていたので、ダメな人を書くのはこれでしばらくお休みしようかなって思うくらい、究極にダメな人の話にしようと思っています。その話を主軸にして、主人公と仲良しの女の子2人の関係性も描いていきます。女の子3人って難しいじゃないですか、そういうところをうまく描ければと思っています」

 今年の公演の予定は?

「私が客演でお芝居に呼んでいただくことが多くなりそうで、今年は今回の駅前劇場の公演までしか決まってないんです。本公演もなんとか夏にはできそうで、やりたい内容は一本あるんですけど、あせってやるよりは再来年にとっておいてもいいかなって考え中です。バー公演は1〜2回は絶対にどこかでやります」

 今後はどんな作品を?

「ポツドールとかTHE SHAMPOO HATもそうなんですが、リアルな作品がはやっていた時期があったじゃないですか。それはそれで面白いと思うんですが、若い人たちがそれに倣う感じで始めたよく分からないリアルなものが最近増えているような気がして。それよりは、私の中では、演劇って嘘も含んだものでもあるし、エンターテインメントであったほうがいいと思うんです。なんというか、リアルな演技体ではないけど、妙なリアリティーは見せたいとはいつも考えています。日常のほうがよっぽど芝居っぽいですからね」

 演出家としても「けっこう決め込んで、演出も細かい」という。言葉の端々からも高校時代に毎年100本を越える芝居を見ていたというのは伊達ではないと感じさせる。今後の活動から目が離せない。
月刊「根本宗子」『夢も希望もなく。』
【日時】1月10日(金)〜1月19日(日)【会場】駅前劇場(下北沢)【料金】全席指定 前売3300円、当日3500円/女性限定割引 前売2800円(枚数限定。劇団のみの取り扱い)【問い合わせ】月刊「根本宗子」(TEL:090-6000-3959 [ブログ]http://ameblo.jp/buroguha-nikkande/)【作・演出】根本宗子【出演】福永マリカ、郷本直也、杉岡詩織、長井短、田坂秀樹、鈴木智久(Studio Life)、小林和也(レボリューションズ)、水澤賢人、大竹沙絵子(国分寺大人倶楽部)、片桐はづき、梨木智香(月刊「根本宗子」)、根本宗子(月刊「根本宗子」)