亀田ジム会長とマネジャーのライセンス剥奪

 日本ボクシングコミッション(JBC)は7日、東京都内で記者会見し、国際ボクシング連盟(IBF)スーパーフライ級の亀田大毅(亀田)が昨年12月の統一戦で敗れながら王座を保持した問題で混乱を招いたとして、亀田ジムの吉井慎次会長と嶋聡マネジャーのライセンス更新を認めないと発表した。事実上の資格剥奪となる。
 ジムは活動停止となり、世界王座に就いた経験がある興毅、大毅、和毅の3兄弟が国内で試合をするには、他ジムへの移籍などの措置が必要になる。JBCの秋山弘志理事長は「ボクシングの公平性を疑われ、JBCの信用が傷つけられた」と処分理由を説明した。
 今回の重い処分に踏み切るにあたり、JBCは統一戦の王座保持問題だけでなく、過去の経緯も重視した。
 2007年10月、試合前に相手側を威嚇したなどとして、セコンド資格の無期限停止処分を受けた3兄弟の父、史郎氏はその3年後に王座統一戦で試合関係者に暴言を吐いたとしてライセンスを取り消され、JBCの管理権限の及ぶ場所への立ち入りも禁止された。
 秋山理事長は「吉井さんが職責を果たしていなかったことは、JBCライセンスを有しない人物が実質的クラブオーナーであり、プロモーターであることを物語っている」と、ジム運営体制を問題視した。
 JBCによると、過去15年の処分例51件のうち、亀田ジム関係者に対するものが6件。特定のジムにトラブルが頻発する状況を浦谷信彰事務局長代行は「信頼関係の破綻」と断じる。
 亀田3兄弟が今後国内で活動するためにジム移籍を申請しても、JBCは書類のみでは許可せず、厳格に審査して可否を判断するという。
 一方、亀田ジム代理人の北村晴男弁護士はJBCの規定にある再審議を要請した上で処分が覆らない場合、無効を訴え提訴する意向を示している。