「浅草のニュー喜劇人」開催 ザ・ギース & ラブレターズ

5月22日から浅草で30日間日替わり興行「浅草のニュー喜劇人」開催

コントコンビのザ・ギースとラブレターズが5月22日から浅草で型破りのライブを開催するという。そこで本紙では4人のランチミーティングに同席。その詳細を聞いてきた。(本紙・本吉英人/撮影・神谷渚)

実力派のコントコンビ

 ザ・ギースは高佐一慈と尾関高文の2人からなる、シュールなネタで「コント師」ともいわれる実力派のコンビ。ラブレターズは溜口佑太朗と塚本直毅からなる5年目のコンビで、4月から深夜ラジオの「オールナイトニッポン 0(ZERO)」のパーソナリティーに抜擢されるなど、今最も勢いのある2人だ。

 今回は5月22日から6月20日までの約1カ月間、この2組で浅草にある「あさくさ劇亭」という劇場で休みなしで45ステージを行うという。まずなんでまたこんなことをやることに!?

高佐「浅草でロングラン公演というのはあまり誰もやっていないので、やってみようじゃないかということになったんです。最初は2組で2週間ずつ単独ライブをやるつもりだったんですけど、せっかくだから1カ月丸々舞台に立ったほうが勉強にもなるし、面白いんじゃないかということで、こういうことになりました」
尾関「話題性っていうか、今はどんな若手でも単独ライブをやっているんで、何をやっても目立つということがないんです。だからこういう一風変わったことをやろうと。若手芸人の新しいライブの形ということになるかもしれないですよ」
 最近は「お笑いのテレビ番組が減る≒世間にアピールする機会も減る」という状況。若い芸人は大変だ。
尾関 「そんななか、ラブレターズはオールナイトニッポンでDJを務めることになったんです」
溜口「僕らはテレビ寄りのネタが少ないんで、テレビでは売れないんです。だから僕はラジオしかないってずっとアピールしていたんです」
塚本「今はラジオをやっているのが一番楽しくて、またそれを評価してもらっているので、ラジオで行けるところまで行ってみようと思っているんです」

 ライブはどんな内容になる?
高佐「各々4本ずつコントをやります」
尾関「そのほかに日によっては合同でコントもやります」
塚本「ライブ自体は1時間半くらいになりますかね」

 全部新ネタ?
尾関「ネタは日替わりで、ほぼ新ネタです。でもさすがに30日間全部新ネタというわけではないですよ(笑)。ただ組み合わせを変えていくので、2回来てくださった方が、2回とも全く同じネタを見ることはないと思います」

 ではライブに向けて何本くらい新ネタを?
塚本「ギースさんはどういう計算をしてます? こんなことやったことがないんでよく分からないんですよ」
高佐「8本」
塚本「8本ですか?」
尾関「8本〜10本作って回していくことになると思うよ」
高佐「45ステでしょ? 8本あれば45通り以上のパターンはできるから」
塚本「計算が早い(笑)」
溜口「明治と早稲田の違いですね」
高佐「理系だから」
溜口「ちくしょう(笑)」
高佐「パターンのことは聞いてください(笑)」
溜口「そうか8本あれば…同じ日はない、と」
高佐「詳しい数字は電卓がないと分からないけどね」
尾関「順番の…順列の問題もあるからね」
高佐「順列は関係ない」
尾関「ああ、関係ないの…!?」
高佐「順列関係なく組み合わせでいける」
尾関「組み合わせでいけるの…」

 45ステで休みなし。
塚本「ホントになしなんですよね」

 浅草で平日の昼公演って、どんな人が来るんだろう…。
溜口「普通の人は来られないですよね。でも学生さんとか、社会人の方でも疲れちゃってる方とか…」
塚本「“会社を中ぬけして行きます”って言ってくれている方もいますね」
溜口「せっかく浅草なんで、お年寄りの方にも来ていただきたいですね」
尾関「水曜の昼にツアーをやるんですよ」

 水曜は昼夜2回公演で、なおかつツアーまでやる。
高佐「午前中にツアーをして、そのまま一緒に会場に入って昼公演をやって、そして夜公演もあるという」
溜口「恐ろしいスケジュールです」

 これは誰の提案?
4人「社長です」
高佐「なんとかなくならないかと思ったんですけど、ツアーに関しては全部売り切れたようなんです」
尾関「ファンの方々と初めて急接近するんです」
溜口「一緒にご飯を食べたりもするんですが、みんなファンの方々との距離感が分からない状態なんです」

 各々のコントの他に合同のコントもあるとか。
高佐「企画のひとつとして、合同コントをやる日もあります」
溜口「合同コントをやらない日はゲストを呼んだりします」
尾関「我々、大林素子さんに可愛がっていただいてまして、どこかで大林さんがゲストとして来てくださるんです」
塚本「合同コントかゲストを呼ぶか、なにかしらの企画は必ずやりますので」

 とにかく休みなしというのがすごい。
溜口「初日迎えてもまだ29日あるっていう」
塚本「あんまり言われると不安になるんで、もう言わないでください。30勤なんてアルバイトでも経験ないですから」
尾関「のどがもつのかとか心配だよね」
高佐「浅草を楽しむ余裕もないですよね」
溜口「後半なんて、昼もあるんで、どう体を休めるかっていう」
塚本「嫌いになるかもしれませんよ、浅草。成功しないとやばいですね」
高佐「もう1週間目くらいで嫌いになるかもしれない。やばいよそうなったら」
溜口「相方のことも嫌いになるかもしれませんよね。30日間続けて相方と会うことなんてなかったですから(笑)」
塚本「ギースさんのことを嫌いになるかもしれませんし(笑)」
高佐「2人はオールナイトニッポンもあるし」
溜口「金曜の夜やって土曜の昼ですから」
高佐「きついな、土曜」
溜口「でも土曜の昼は絶対にやったほうがいいし」
尾関「カープの応援に行きたかったんだけどな…」
塚本「デーゲームは?」
尾関「そう、だからどうしようかと思って」
高佐「オールナイトニッポンと同じレベルで話す話じゃない」

 カープ芸人の尾関にとってはモチベーションの維持のためには必要なのかもしれない。
溜口「確かに、頑張れるものがなにかないときついですよね」
塚本「でもデーゲームは土日だから確実に無理ですよ」
溜口「そういえば、広島のZoom-Zoom スタジアムのビジョンに尾関さん出てますよね」
尾関「アウトの時なんかに僕がビジョンの中で“アウトー”って言ってます」
高佐「えー、すごいな」
尾関「そして始球式が決まったんです」
3人「えー」
尾関「もう俺、芸人やめてもいいわ。目標だったから」
高佐「いつ?」
尾関「7月15日ですね」
高佐「そんな日に始球式するの?」
尾関「そう。あるのよちょくちょく」

 カープ芸人ということで仕事が来るのはいいこと。
尾関「ありがたいですよね」
塚本「ファン心理的にはめちゃくちゃいいですね」
尾関「塚本は空手がすごいんだよね」
塚本「小中とやってまして、東海地区で3位でした。でも僕はアメリカンフットボールが好きですね。バイトなんですけど、アメフット番組のADをずっとやっていたんで」
高佐「僕は中学のとき卓球部でした」
尾関「相方は全日本の上の方と仲が良くて、愛ちゃんとかが出られるような大会の壮行会に呼んでいただいてネタをやったりするんですが…。けっこうスベルよね」
高佐「卓球の壮行会の人たちって聞いてないんですよ」

 卓球も最近は人気上昇中だ。
高佐「今年は世界卓球も東京でやりますしね。でも愛ちゃんが怪我して出られないから残念です」
溜口「卓球って、高佐さんがやって勝てそうな人っていないんですか?」
高佐「代表クラスの人で? そりゃヤクルトの選手とどっちが飛距離出るかっていってるようなもんだから」
溜口「野球って全然次元が違う気がするんですが、卓球だったら頑張ればなんとかなりそうな気がするんですよ」
高佐「確かに二本先取とかだったらミスる可能性もあるけど、11点になったらコテンパンにやられるよ。俺久しぶりに新潟で見てきたけど、次元が違いすぎるもの」

時代と添い寝しろ

 この2組は大竹まこと、きたろう、斉木しげるのシティボーイズ、中村ゆうじらが所属するASH&Dに所属する。諸先輩たちからアドバイスなんかをもらうことは?

高佐「ライブを見ていただいた後なんかはいろいろアドバイスをいただきますね」

 今まで言われて参考になったことは
塚本「大竹さんには“時代と添い寝しろ”という名言をいただきました」
高佐「言い方もかっこいいよな。“コントというものは時代と添い寝するものだ”というやつだね」
尾関「あと、“お客さんにもっと甘えていい”ってことは言われました。びっくりしなくてもわりとお客さんは助けてくれるから、お客さんに委ねてもいいって」
塚本「すごい」
尾関「でもね、それは場所によるんじゃないかと思うんだ。全然受けないところで委ねたらとんでもないことになるじゃん。ダイブしたけど誰も受け止めてくれなかった、みたいになっちゃうじゃん」
高佐「斉木しげるさんが“台詞なんて8割覚えていりゃいいんだよ”って言ってました。そのあと大竹さんにめっちゃ怒られてましたけど(笑)」

 今回大竹は見に来る?
尾関「いや、大竹さんは来ないと思います。会場がそんなに大きくないんで、そこに大竹さんがいたらお客さんが気になってしようがないですから」
高佐「でも、俺、どっかで来そうな気がする」
尾関「いや、あんな人来たらやりにくいでしょ」
溜口「僕らの一番最初の単独ライブのとき、真ん中にステージを作って、お客さんがそれを挟んで座っていたんです。そのときに大竹さんがいらっしゃったんですが、僕らがボケた後にお客さんがみんな大竹さんのほうを見るんです(笑)。笑っているかどうかを確認するんです」
塚本「小さいところだから、対面に座っている人は大竹さんがどうしても目に入っちゃって仕方なかったそうですよ」
溜口「ただ大竹さんが笑ったときに、やっぱり会場が盛り上がったりしましたよ。“おー、大竹さんが笑ったー”みたいな感じで」
 斉木とかきたろうは?
溜口「きたろうさんはいらっしゃらないですよね」

 きたろうは難しいアドバイスとかしそう。
尾関「きたろうさんはそんなことは言わないですよ。あの人は後輩が面白いのは嫌な人なんです。だから面白くなくても全部“面白い”って言ってくれるんですよ」
溜口「そう、芽を潰すんです」
尾関「でもホントに面白いって言ってくれるときもあるんです。だから言い方とかで読み取らないといけないんです」

 この後もこの調子でミーティングという名のランチは延々と続いたのであった。さて、どんなライブになるのか!? 前半、後半と何度か行ってみて、見比べてみるのも面白そうだ。

ザ・ギース&ラブレターズ30日間日替わり興行「浅草のニュー喜劇人」
【日程】5月22日(木)〜6月20日(金)【会場】あさくさ劇亭(浅草)【料金】全席自由席 〈通常回〉2500円〈割引回〉2000円 ※公演により「男性割引」「女性割引」「平日昼間割引」あり【問い合わせ】ASH&D(TEL:03-5456-8130 〔HP〕http://ash-d.info/