立て! 動け! 見上げて! 巻き込まれて楽しい フエルサ ブルータ

日本初上陸の新感覚エンターテインメントに熱狂!
 日本に初上陸した新感覚の体験型エンターテインメントショー『フエルサ ブルータ』が大人気だ。人が壁を走り転げまくったかと思えば、天井からジリジリと降りてくるプールの中でまるで水を操るかのようなパフォーマンスを繰り広げる。今まで見たことのないような演出方法で見せるダイナミックなアクトに、オーディエンスは大歓声を上げ、水しぶきを浴びながら、毎日盛り上がっているのだ。
 赤坂サカスに大歓声が響いている。サカス内に設けられた特設テントで上演中の『フエルサ ブルータ』に連日たくさんの人が詰めかけ、驚きのアクトに大興奮しているためだ。終演後の会場付近には、興奮で顔が紅潮している人が多数。なかには大雨に降られたかのようにずぶ濡れの人もいて……。あのテントのなかで何かが起こっている!

 天井から巨大プールが降りてくるという派手なビジュアルで紹介されたことで、上陸前から注目を集めてきた本公演。10日に幕開けしたが、それ以降、人気は大爆発!「フラッシュを使わなければ撮影OK、SNSで広めることは大歓迎」というスタンスも手伝って、その感想ツイートやコメントが回りに回りまくって、これまでこうした劇場に足を運んだことがないような人たちも呼び込んでいるのだ。

 開場を控えた赤坂サカスはごった返し、入場を待つ観客の列がテントをぐるりと囲んでいた。家族連れ、学生仲間、妙齢の夫婦などさまざまな年代の人たちが、期待を最大限に膨らませつつ、それが破られないことを祈りながら、開場を待っていた。
 会場は長方形の広い空間だ。案内されるままに「奥」へと進むと、たくさんの人の頭越しにステージらしきものが見え、ステージから遠い「後方」に陣取ったのだろうが、その感覚は開演後数分で覆されることになる。

 座席はなくオールスタンディングというライブハウススタイルはいうまでもなく、会場のあちらこちらがステージと化して全方位から楽しませてくれる。フレッシュな体験をさせてくれるエンターテインメントだ。中央で驚きのパフォーマンスが繰り広げられたかと思えば、宙につられたパフォーマーたちが声をあげながら、四方の壁を走り転げまわる。時には演者がフロアに飛び降りて即席のステージが同時多発的にあちこちに表れて……。パフォーマーを追いながら、視線も、立っている場所もあちこち動きながら見るのが忙しないようで、楽しい。

 鑑賞中、どこからか人が動き出した気配を感じると、その先に係員がロープを持って登場し、観客を移動させるというシーンに何度も遭遇。その時に別のアクトを見ているのにも関わらず、この気配が期待をむくむくと増大させる。なかには次の予測をさせながらも裏切るというような演出もあって、上演中ずっとドキドキやワクワクが止まらなかった。

 ハイライトは、やはり、見上げるステージ=降りてくる巨大なプールだ。プール登場の際にはにぎやかだった会場も静まりかえって、じわりじわりと頭上に現れたプールを熱い視線で見守った。透明なプールの底が迫ってくるほどに、観客のボルテージは上昇、ロックコンサートを思わせるような歓声が上がった。プールのなかで繰り広げられたのは、飛び込みのような動きやそのコンビネーション、パフォーマーの動きにぴたっとくっついてくる波紋を利用したパフォーマンス、さらには底が割れてしまうのではとハラハラするようなものなど、さまざまだ。美しさとダイナミックさからなる技にクギづけになった。その間にも、プールは上昇下降を繰り返し、最も低くなると、手を上げればプールに届くような高さ、背の高い人ならば頭がぶつかりそうな高さにまで降りて来た。観客は、透明な底越しに演者とコンタクトを交わしたり、写真を撮ったり、巻き込まれながら、エンターテインメントというよりはインスタレーション作品を鑑賞している気分を堪能していた。


 最高潮を迎えるフィナーレまで1時間強と、上演時間は比較的短めだ。とはいえ、ずっと立っていたことも忘れるほど充実かつ、濃密。ステージの上下関係なく、新しい風景を見させてくれる、エンターテインメントだった。

 6月29日まで、同所で上演。月曜は休演。チケットはオールスタンディングで、前売8800円、当日9800円。詳細は公式サイト(http://fuerzabruta.jp/)で。