Krush.42 山崎がTKOで2度目の防衛

 立ち技格闘技の「Krush.42」が12日、後楽園ホールで開催され、メーンで行われた「Krush −63kg級タイトルマッチ」で山崎秀晃がモロッコのモハメド・ブールフと対戦。3R2分、タオル投入によるTKOで勝利し、昨年12月の木村ミノル戦に続き2度目の防衛を果たした。

 山崎は2月にはノンタイトル戦でもモハメド・ギャラウィーを2RKOで下しており、今まさに脂がのりきった状態だ。

 相手のブールフは“殺し屋”の異名を持つ22歳。前に出る圧力が強く、回転の早いパンチとローキックのコンビネーションを得意とする攻撃的なファイター。粗削りながらも決して油断のできない相手だったが、今の山崎の敵ではなかった。1Rから手数で圧倒し、右バックブローでダウンを奪う。2Rには狙いすました右ストレートをガードのすき間から打ち込み2度目のダウンを奪う。いきなり立て続けのダウンを喫しゲームプランが狂ったブールフはやみくもに前に出るが、山崎は左右のフックで迎撃すると、またも強烈なバックブローを叩き込む。楽勝ムードが漂ったが3Rになってブールフが覚醒。若さに任せて前へ前へ。その突進力にややてこずった山崎だったが、カウンターの左フックを合わせて、この日3度目のダウンを奪う。立ち上がったブールフだったが、足元がふらつき、セコンドがタオルを投げ、山崎がTKO勝ちを収めた。

 木村ミノルとトーマス・アダマンドポウロスという、かつてタイトルをかけて戦った2人の試合の後だっただけに、リング上のマイクでは「しっかり倒したかった」と反省の弁が口をついた山崎だったが、圧勝の防衛だった。

 そのセミファイナルでは木村が第2代王者のアダマンドポウロスを2R2分55秒、KOで破った。

 試合は木村の左フックから始まった。想定を越えたスピードと威力を持った左フックにアダマンドポウロスはクリンチで逃げるのが精いっぱい。しかし右ローで距離を取り、徐々にペースを取り戻す。2Rに入るとアダマンドポウロスのローからのコンビネーション、フックの連打が当たり出すが、木村は左フックでぐらつかせると、左のボディーフックからカウンターの右フック。アダマンドポウロスは思わず片膝をつきダウン。なおも木村はコーナーに詰めて、打ち合いから2度目のダウンを奪う。なんとか立ち上がったが足元がおぼつかないアダマンドポウロスに木村は追撃の右フック。スリップ気味に倒れたところをレフェリーがダウンと判断。木村のKO勝ちとなった。

 山崎がKOできなかった強豪からのKO勝ちとあって、歓喜の涙を流した木村。山崎へのリベンジに向け大きな一歩を踏み出した。