『アラサーちゃん 無修正』で地上波連ドラに初主演! 壇 蜜

“アラサー”は、大人の女性として生きていくための第一打席だって思う
 世のおじ様たちはいうまでもなく、女子たちのハートをわしづかみにする、壇蜜。真をつくコメントでハッとさせたかと思えば、スクリーンでは過剰にセクシーな一面を見せてギョッとさせ、ふとしたときに見せる優しい微笑みでホッとさせる。そんな彼女がこの夏、ドラマ『アラサーちゃん 無修正』で、アラサー女子を演じる。「自分のできることをお返しして、他の邪魔にならないように存在したい」。しっとりと意気込みを語って……。
(撮影・神谷渚)
 壇蜜が現れると、取材会場は柔らかい空気に包まれた。男性陣はもちろん、同性の女性記者たちまでもがよろめいた。「女性のパロディー」と呼ばれることも多くなったほど、「これが女性!」といったイメージを現実化した佇まいや物言いにやられてしまう。

 グラビア、女優、バラエティー、執筆もする。マルチなフィールドで「粛々と仕事する」彼女がこの夏挑戦するのが、ドラマ『アラサーちゃん 無修正』(テレビ東京ほか、7月25日スタート)。アラサー男女の恋やセックスの手の内を明かす解体新書と銘打たれた作品だ。「この物語はフィクションですっていうの、このドラマでは疑ってかかったほうがいい」と、壇蜜はいう。

 本作が地上波連続ドラマ初主演。

「自分が責任重大だなと思うより、他の人たちが背負った選択をされたって感覚があります。いろんな経験を重ねているわけじゃないし、劇団に入っていたり、演技の勉強をしていたわけでもない。そんな私が選ばれた。多分、原作により近い雰囲気であることが期待されているんだろうと思います。私には、それしかお返しはできないともどかしく感じましたけど、今は自分のできることをお返しして、他の邪魔にならないような存在でありたいと思っています。演技の出来? 自分の中では頑張ったと思いますって言ったら……たぶん病気だと思います、本当に(笑)。モノローグが多かったことがせめてもの救いで、表情とモノローグを分けて映像にできる、いっぺんにやらなくてもいいのはありがたかった。そういう演出がなかったら、もっとかわいそうなものになったと思います。あとは、見ていただく方に評価してもらうしかないですね」

 原作は、漫画家でコラムニストの峰なゆかによる同名の4コマ漫画。アラサー世代の日常を通して、男女の本音を赤裸々に描く。

「エッセイを漫画にしたような感覚があったし、主人公は自分と同じ年代でしたから、これ(作品のなかで描かれていること)をまったく理解できないっていうのは、カッコつけているっていうことなんじゃないかと思っていました。作品には、カッコ悪いと思われるところもちゃんと描かれていますから、秘密を共有できたような気分になれます。読むうちに、作品に対する理解もどんどん深まって、知れば知るほど好きになりました。こんなふうに感じられる漫画、これまで『アラサーちゃん〜』以外ではないですね」

「壇蜜になる前から」この作品を読んでいたと本人。主演抜てきは、どこか運命めいたものを感じる。峰が、アラサーちゃんのキャラクターづくりに壇蜜要素を取り入れていることや、また彼女の「ドラマ化するなら、壇蜜さんに!」というラブコールも後押しになったよう。

「服装や髪形とか、アウトラインの一部は、私だって伺っています。ただ、アラサーちゃんのキャラクターはいろんな女性のかわいい部分を投影したもの。そのなかの一員に、顔だけでもなれたというのはうれしいですね」

 これまで映画、ドラマなどに主演・出演した経験も豊富だが、今回は少し違う。昨年の『半沢直樹』では見事な愛人っぷりなど、セクシーや艶っぽいという表現がフィットする役どころがほとんどだったが、今回は「モテと自我の狭間でふわふわしている」アラサー世代の女子だ。壇蜜も言う。「今までお勤めしてきた作品とは少し違います」。

 壇蜜自身もアラサー世代。共感する部分も多々ある。

「アラサーちゃんは、30歳の設定で、自我とモテのあいだでふわふわしてるんです。人から好かれたいけれど、ああしたい!こうしたい!っていう自我も捨てきれない……本当にそうだなって思います。私、アラサー世代って、大人の女性として生きていくための戦いの第一打席だっていう気がするんです。周りは結婚とか仕事とかいろんな選択肢が広がって、どれを選んだとしても、得ることもあれば、転んで血を見ることもある。確固たる成功っていうのが、すごくぼんやりし始める時期だと思います。女性の成功って、なかなか分かりにくいところもありますしね。私も母から、元を取ってから結婚しろと言われたり、祖母にはひ孫の顔を見せろと1年に一回ぐらい言われたりもしますが、同じ世代の人が、すでにバツイチになっちゃってたり、仕事復帰して大変だったり、男っ気のない生活をしていたりとか、周りのほうがドラマチックに見えます。私は壇蜜としてタレントとしてやってるだけで、すごく平凡なんです」

 劇中にも、どこにでもいそうだけれど、ドラマチックなキャラクターがたくさん登場する。元カレで現セックスフレンドのチャラ男・オラオラ君、出版社勤務のメガネ男子・文系くん、かわいいものが大好きなゆるふわちゃん、ごく平均的な大衆くん、いろんなところがユルいキャバ嬢ヤリリンちゃん……そんな彼らに、“モテと自我の間で立ち位置を決めかねている巨乳”のアラサーちゃんはもまれていく。

「オラオラ君とはお互いに融通聞かないところがあって別れたけど、今もなんとなくつながってる。結局、好きな男と合う男は違うんだなって思います。アラサーちゃんは、あきらめきれなくて、好きな人のところにいくんだけど、結局うまくいかない。それって、自分とすごく似ていると思います」

 そう言われると、俄然、壇蜜自身の恋愛も気になってくる。

「どんな人と恋愛してもいいんですけど、私が壇蜜である以上、相手がちょっとしんどくなってしまうのが壇蜜との恋愛ですよね。私はもちろん、その人も好奇の目で見られてしまうので、それを分かってないと、つらくなるかなって思いますね。恋愛をして周りが楽しめるような風潮になればいいんですけど、いかんせんグラビアというところから壇蜜は生まれているので、まあ、いろんな人がいろんなことを思うのが自分の恋愛なんだろうな。自分が思うよりも、周りの思惑だったり勘繰りが大きくなってしまうので、なかなか自分だけの恋というのは考えにくい。だから、私にとって恋愛は……マスコミのごはん、かな。あと、売名とちょっとのお金(笑)。あくまでも、私に関して、ですけど。タレントがタレントとして生きていくうえで、恋愛って売名とお金のほかに何かあるのって思います」


(撮影・神谷渚)
 さて、話をドラマに戻そう。アラサーのモヤモヤを、恋愛、セックスなどを絡めて表現する。深夜帯での放送、何よりも壇蜜が出演となると、過激なシーン、エッチなシーンも期待してしまうが……。

「映画やDVDなんかではテレビ以上の過激なことを求められたり、それをお返ししてきたこともあったんですけど、地上波でそれをお願いされてやっています。どれをとっても過激だと思いますし、最近見ないような表現だなっていうのがすごく多いですね。テレビ東京さんは懐ろが深いなと思います。なかでも、特に、女性と張り合うシーンは生々しいです。みひろさんと下着を競い合うシーンがあるんですけど、そんなシーンこれまでのドラマにはなかったんじゃないですか(笑)。すごく生々しいんですよ。ベッドシーン? 私よりも男性の俳優陣が苦労されていたと思います。女性は受け身なところが多いですけど、男性はリードしなくちゃいけないし、見え具合を計算したり。オラオラ君を演じている、川村(陽介)さんは、“テレビドラマでは初めてTバックを履いたといっていました。心中複雑だったと思います」

 ドラマのなかでも、外でもアラサー男子も大変なよう。そんな彼らに臨むことはあるのだろうか。

「あんまり期待しなくなったって感じちゃうのは、おそらく女性が強くなりすぎたからなのかな。だからこのドラマもあるんだろうし。そうですね、そのままでいいって思います(笑)。学生の気持ちも大人になりたいという気持ちも捨てずに、境界線の中にいる大人として生きて行ってほしい。異性に関しては、自分が成長すればいい話。ああなってほしい、こうなってほしいって思うから、喧嘩が始まるんじゃないかな。少し、羨ましいですけどね、そういうの見ると」

 話のところどころにチラリと見えたアラサー女子・壇蜜の姿に、「この物語はフィクションですって信じないほうがいい」というアドバイスが、より真実味が増してきた。どこかしら、ありのままの壇蜜も見られちゃうかもしれない、このドラマ。放送スタートまで、あと少し。
(取材・水野陽子/文・酒井紫野)
等身大の壇蜜が見られる?『アラサーちゃん 無修正』7月25日スタート

 7月25日の放送開始までカウントダウンが始まった『アラサーちゃん 無修正』(テレビ東京、毎週金曜深夜0時52分〜)。“アラサー男女の恋&セックスの手の内をばらした解体新書”というキャッチがついている、大人のためのバラエティードラマだ。

 主人公のアラサーちゃんが、元カレで現・セックスフレンドのイベント会社経営のチャラ男・オラオラ君に誘われた合コンで、ゆるふわちゃん、大衆くん、ヤリリンちゃんと楽しい時を過ごすのだが、ひとり居心地悪そうに取り残された出版社勤務のメガネ男子・文系くんに恋をしてしまったことで、展開する物語。キャラクターたちの恋模様はもちろんだが、アラサー男女のアプローチの方法、アラサー男女の本音などなど、エッチなドラマでありながらも、お勉強にもなりそう。

 壇蜜を筆頭に、キャスト陣は、オラオラ君を『ROOKIES』などの川村陽介、文系くんを『バトル・ロワイアル㈼〜鎮魂歌』などの忍成修吾、アラサーちゃんの友人のような宿敵・ゆるふわちゃんをみひろと、興味をそそられるラインアップ。キングオブコメディの今野浩喜、たんぽぽの川村エミコらもスパイスを加える。

「あるある」も満載のこのドラマでは、アラサー女性の恋愛やセックスに関する悩みを公式サイトで募集しており、採用されれば壇蜜や峰なゆかが答えてくれるコーナーもある。

 アラサー世代はもちろん、かつてアラサー、これからアラサーの世代も楽しめること間違いなしだ。



オープニングテーマはゲスの極み乙女。が担当

 ドラマをより華やかにする音楽。さまざまなアーティストが主題歌やテーマ曲を提供しているが、なかでもテレビ東京の深夜枠ドラマは、ブレーク直前の気になるアーティストやバンドをピックアップするのが特徴だ。オープニングテーマは、プログレやヒップホップを基調に独自のサウンドを追求する4人組バンド、ゲスの極み乙女。の『猟奇的なキスを私にして』。エンディングテーマは、ガールズダンスボーカルグループGiselle4の『WONDER GIRL』。両曲とも要チェック!