格闘家イケメンファイル Vol.5 龍魂伝承 卜部 弘嵩(うらべ ひろたか)

撮影・神谷渚
 1つ違いの弟・卜部功也もキックボクサーという最強兄弟の兄・弘嵩。弟に背中を見せながら、ともに格闘家の道を歩んできた。

「小学1年生の時に空手を始めたのが、格闘技との出会いです。弟も1年後に始めましたが、僕はやりたくてやっていたけど、弟は親に言われて付き添いみたいな感じでしたね(笑)。性格的には気が強くてあまりべらべら喋らないタイプ。弟はおしゃべりなので、性格的には結構正反対ですね」

 自然な流れでプロの格闘家へ。

「空手はずっと続けていて、高校生になった時には新空手というアマチュアの日本で一番大きなグローブ空手の大会に出場しました。そしてその大会で、17歳の時に優勝したことがきっかけでデビューの話をもらい、18歳、高校3年生の時にプロになりました。デビュー戦はKO勝ち。3回ダウンをとったら勝ちなんですけど、最初はパンチで2回ダウンをとって、最後はハイキックでダウンをとりKO勝ち。もちろん勝った時はうれしかったし、その時に格闘家としてやっていこうとはっきり決めた気がします。蹴り、特にハイキックは得意なので、それで倒すことも多いです。KOのうち3分の1ぐらいはハイキックで倒しているんじゃないかな」

 鮮烈なデビューを飾り、3年後にはチャンピオンに。

「チャンピオンになったのは21歳ですね。Krush初代王座決定トーナメント〜Triple Final Round〜という大会で、Krush−60kg級初代王者になりました。なった途端、状況が一変して戸惑いました。すごく注目された分、周りが期待するので、プレッシャーがすごい。だから当時は結構悩みました。ただ勝つだけで防衛するならできたと思いますが、Krushという団体のチャンピオンで、メインイベントをつとめることが多い立場だったので、常にKO勝ちを目指してやらなきゃいけなかった。ポイントだけとって逃げて勝つこともできますが、それじゃダメ。チャンピオンらしい戦い、いつでもKOで倒しにいくという姿勢ですね。例えば1ラウンドでダウンをとっても最後までKOを狙っていかなきゃいけない。そこに葛藤といいますか、逃げ道がない感じがあった。でもずっとそういうふうにやってきたことで、精神的にはすごく成長できたと思います。弟に相談? しません。弟はチャンピオンじゃなかったし(笑)」


撮影・神谷渚
 兄弟で話すときの話題は…?

「なんだろう…。女性の話? しないです、しないです(笑)。お互いにその辺は秘密にしています。やっぱり話すことと言ったら格闘技の話になりますね。最近の格闘技の情報や格闘技事情とか。キックボクシングだけじゃなくて、寝技があるような総合格闘技も大好きなので、そういうのをすごくチェックしています。仕事も格闘技、趣味も格闘技です(笑)」

 格闘技の話は饒舌だが、好きな女性のタイプの話になると途端にうろたえる兄。

「タイプですか…。格闘家という職業を理解してくれる女性はあまりいないので、それを分かってくれてサポートしてくれる人…」
(ここで弟の功也が)「普通だな(笑)。兄は多分、背の高い子が好きです。背が高くてシュッとしている子」
「じゃ、それで…(笑)」

 趣味も格闘技というが、意外にもいろいろなことにハマりやすい一面もあるとか。

「いろいろやりたいことがあって、とりあえずやってみるんですけど、ある日突然飽きちゃう(笑)。千葉に住んでいた時はサーフィンとか。で、やり始めたらすごいハマってしょっちゅう行くんですが結局は飽きてやめてしまうという繰り返し。ほかにも、ピアノとか書道とか…。格闘技だけですね、まったく飽きないのは」

 8月9日のKrush.44では、弟の功也と翔・センチャイジム、そして弘嵩と山本真弘の試合の中から、一番いい試合をした者が、Krush−60kg級タイトルマッチの挑戦者に選ばれるという間接的な兄弟対決が実現。

「9日の試合に向けて、すごくモチベーション高く練習しています。対戦相手の山本真弘さんは、僕がデビューしたぐらいの時からずっとチャンピオンでやっていて、国内60キロ最強と言われ、世界でもずっと活躍されている素晴らしい選手。オールマイティーな人で、試合運びもうまい。ですから僕も作戦を練っていますし、とても楽しみです。試合に向けてしっかり仕上げて、KOで勝ちたい。それに勝って、4選手の中からKrush−60kg級タイトルマッチの挑戦者に選ばれたい。現在の第3代Krush−60kg級王者である大月さんも僕がデビューするきっかけになるぐらいあこがれていた選手なので、ぜひ挑戦してみたい。ですから、やっぱり今度もKOを目指し向かっていきます。挑戦者を選ぶという試合も面白いと思うし、対戦相手はもちろん、弟に負けないように試合をするだけです」
卜部 弘嵩(うらべ ひろたか)
1989年5月13日生まれ、千葉県茂原市出身。2007年5月3日、17歳で「K-2 GRAND PRIX 第18回全日本新空手道選手権大会」軽中量級(65kg以下)に出場、優勝を果たす。その後、2007年7月29日、18歳でプロデビュー。KO勝ちでプロデビュー戦を飾る。初代Krush −60kg級王者 /ISKA世界スーパー・ライト級王者。8月9日に東京・後楽園ホールで行われるKrush.44に出場予定。キックボクサー卜部功也は実弟。チームドラゴン所属。