ダイノジ 大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第8回 若者よ、失敗しに行け!

 前回もお話しましたが、フジロックに若い子たちが増えたというニュースはとてもうれしかったですね。それを聞いた時は、僕らが思っている以上に、今の若い子の中にもちゃんと音楽のアンテナをはっている子や新しい価値観に出会いたいって思っている子がいるんだなっていうこと。フェスがそういう子たちが楽しめる場になっていたっていうのがすごくいいなと思いましたね。僕らが勝手に“今の若い子はこういうの聴かないよね”とか、決め付けることが一番だめ。気づく人は気づくし、それを今年のフェスは象徴していたんじゃないかな。やっぱり現場で体感することって、とっても大事なことなんですよね。

 それはほかのどんなことでも同じ。以前、10代の子にオススメの映画ベスト3を選んでくれっていう仕事がきて、一応選んだんですけど、本音は10代のうちは自分の興味のない映画を観ろって言いたかった。失敗作をみるのも君たちに与えられた義務であり権利だと。失敗作を見るっていうことを体感することはとっても大事なんです。それを観たときに自分がどう感じるかが重要で、信頼できる人が勧めてくれたから観ようとか、そんなの10年早い(笑)。作品選びに慎重になるのは、時間のないジジイとババアになってからでいいんだから(笑)。恋愛でも失敗している人のほうが、絶対に大人になった時にそれを糧にしていい出会いができると思います。フェスだって、知らないミュージシャンをどんどん見ればいいいんですよ。個人にとってはつまらなく感じて辛い時間になるかもしれないけど、その先にある発見の方が断然多いんだから。まったく聞いたことがないアーティストにビビっとくるかも知れないし、それを発見出来た時のよろこびって言ったらない。自分のことがよくわかるし、感性を豊かにしてくれる。若者なんかまずいものを食ってもいいんだよ(笑)。まずかったっていう経験をちゃんとしたほうがいい。

 僕の失敗体感は、若い時に初めて行ったソープランド。出てきた女性があきらかに母親よりも年上で(笑)。表の写真と違うから聞いたら、あっさりと“25年前から一緒なのよ、ごめんね”だって(笑)。25年間も写真をリニューアルしてないってこともびっくりだけど、25年間もここで働いてるんだと思ったら妙に尊敬しちゃって、人生相談して帰ってきた。それで何がわかったかというと、そういう店には25年張られてる写真があるということ (笑)。そんなふうに失敗も消化して面白く話せるようになればいい。でもそれは体感しないとできないことですからね。若い人には、この夏はフェスを初め、いろんなものを見に行って失敗してこいと言いたいですね。
kikimasu.jpg大地洋輔との本格派漫才コンビ・ダイノジで活躍。個人でリポーターや司会、DJ活動なども行う。1972年生まれ。
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