10・4『VTJ 6th』でフライ級トーナメント決勝戦

 ケージで行われる総合格闘技『VTJ 6th』(10月4日。東京・大田区総合体育館)の対戦カードが8月28日発表された。

 まず注目は過去2大会にわたり繰り広げられてきたVTJフライ級トーナメントの決勝戦「扇久保博正vsシーザー・スクラヴォス」。扇久保は第8代修斗世界フェザー級チャンピオン。階級を下げ、このトーナメントに参戦してきた。1回戦の春日井健士戦は11カ月ぶりの復帰戦で、しかも初めてのケージとあって本来の動きではなかったが、準決勝のカナ・ハヤット戦は1R開始早々に組みつき、バックマウントを取るやスリーパーで電光石火の一本勝ちを収めた。

 一方のスクラヴォスは1回戦で元修斗世界2階級王者のマモルをスリーパーで秒殺。準決勝では現修斗世界バンタム級王者の神酒龍一を圧倒。ジャッジ三者ともに30−27の3−0の判定で破り、決勝に上がってきた。

 準決勝後のインタビューで扇久保が「次も締めて勝つ」と宣言。対してスクラヴォスはこの日の会見に「過去にチョークでタップしたのは誰だっけな?」とコメントを寄せた。これは昨年行われた世界戦で堀口恭司にスリーパーホールドで一本負けした扇久保を挑発したもの。試合前から波乱含みの様相だ。

 またライト級キング・オブ・パンクラシスト(70.3キロ)のISAOがフェザー級(65.8キロ)に階級を落として参戦。元修斗ライト級世界王者・リオン武と対戦する。ISAOは昨年、修斗世界ウェルター級王者の弘中邦佳と対戦し、TKO勝ちを収めており、修斗の王者クラスの実力者とは続けての対戦。リオンは2011年9月以来、勝利から遠ざかっており今回の一戦はまさに生き残りをかけたシビアな戦いとなる。もはやベテランといっても過言ではないリオンがISAOの勢いを止め、時計の針を戻すのか、それとも若さに飲み込まれて引導を渡されてしまうのか…。

 この日は他に「高谷裕之vs高橋遼伍」、オープニングファイトの「内藤太尊vs林 太陽」の2試合と宇野薫の出場。そして初代修斗ヘビー級チャンピオンで日本の総合格闘技界を牽引してきたエンセン井上の引退セレモニーが行われることが発表された。