「K-1-60㎏トーナメント」卜部兄弟対決は功也が制す 木村はゲーオに大逆転勝利

「K-1 WORLD GP2015 IN JAPAN~-60㎏初代王座決定トーナメント~」が18日、東京・国立代々木競技場第二体育館で行われ、卜部功也が優勝。-60㎏の初代王座に就いた。

 -60㎏というのは日本のみならず、海外でも強豪が揃う、層の厚い階級。今回のトーナメントには日本からも功也の他に、兄の卜部弘嵩、「第4代IT’S SHOWTIME 世界-61kg級王者」の山本真弘、海外からは「同第3代王者」のハビエル・エルナンデス、「同第2代王者」で現在“ヨーロッパ最強”とも称されるカリム・ベノーイというビッグネームが並ぶ。この過酷なトーナメントの決勝で功也の前に立ったのは兄・弘嵩だった。

 戦前、“史上最高の兄弟喧嘩”ともいわれた2人の対決。ともにこの階級のトップクラスの選手とあって、もちろん見てみたいカードではあるが、その反面“見たくない”。もしくは“見てもいいのだろうか”という禁断の香りが漂うものだった。

 決勝に至る経緯は対照的。功也は初戦でデニス・ピューリックを戦意喪失に追い込み1RKOで片付け、準決勝では初戦でグァニー・バラッジと一進一退の攻防の末、勝ち上がってきた山本を非情なまでのローキックで1Rで葬り、ほぼ無傷で決勝に上がってきた。

 一方の弘嵩は初戦こそベノーイを飛びヒザで出血させ、ドクターストップで1R2分で終わらせたものの、準決勝のエルナンデス戦は延長にもつれ込む大熱戦。その延長ラウンドでは手数に勝るエルナンデスが有利な展開の中、残り20秒、エルナンデスの左フックに弘嵩がカウンターで左フックを合わせダウンを奪っての逆転勝利だった。

 間に3試合のインタバルをおいてメーンのリングに向かった弘嵩だったが、リングインでトップロープをまたぐ時に、右足がロープに引っかかる。準決勝のダメージは明らかだった。しかし試合後「最後の最後まで倒すつもりだった」と語った弘嵩は踏ん張りの利かない下半身をカバーすべく、ロープやコーナーを背負い、スキを狙ってはパンチを打ち込んでいく。

 一方の功也はローキックで追い込んだが、弘嵩の巧みなディフェンスで決定打を放てない。また準決勝でエルナンデスから一瞬のうちにダウンを奪った弘嵩のパンチの前には不用意に飛び込むこともできず、結局ダウンを奪うことはできなかったが、ジャッジ三者とも30-27の3-0で完勝した。

 試合後、功也は「決勝で兄弟対決が実現しました。いつも僕は兄の背中を見て育ってきました。まだまだ未熟ですけど、これからは兄の後ろではなく、兄弟横に並んで、このK-1を盛り上げていきたいと思っています」と挨拶。会見では「兄とは万全の状態でやりたかった」という功也と「もちろんこのままじゃ終わらないですよ」という弘嵩。今後、2人はグローブを交えることはあるのだろうか。


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 決勝の前に行われたスーパーファイトでは木村“フィリップ”ミノルがゲーオ・フェアテックスを2-0の判定で破る大金星を上げた。

 2人は昨年11月に行われた「-65㎏初代王座決定トーナメント~」に出場。ゲーオは山崎秀晃、久保優太、左右田泰臣といった実力者を破り優勝。対日本人連勝記録を14まで伸ばした。一方の木村はそのビッグマウスで大会前から盛り上げたものの、1回戦で左右田にKO負け。今回はどん底からの捲土重来の一戦だった。

 1、2Rとゲーオの左ミドルとハイキックが木村を襲う。あわや、という場面まで追い込まれた木村だったが、あえて打ち合いに持ち込みゲーオの猛攻をしのぐと、3R、ゲーオの左フックにカウンターの左フックを合わせ、ダウンを奪う。

 勝負は判定に持ち込まれ、二者が29-28で木村。2-0で木村が勝利を収めた。

 歓喜の木村はリング上で「死に物狂いで頑張った。2カ月じゃ差は縮まらないとか、絶対無理と言われました。でも絶対に不可能なことでも、自分と向き合って一生懸命練習すれば勝てると証明したかった」と感極まり一瞬キャラが崩壊しかけるも、「今までのスターがいない、カリスマがいないK-1は終わりました。これからは俺の時代。これから格闘技界盛り上げるから安心してついてこい!!」と最後はいつもの木村に戻ってマイクアピールした。

 ゲーオは試合後「1、2Rは圧倒的に勝っていたと思う。もう1R(延長)あっても良かった」と淡々とした表情ながら判定への不満を口にし、早期の再戦を希望した。