KEY WORD で見るニュース 2015.1.23〜2015.2.5

不当格付け
 米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が2008年の金融危機の一因となった住宅ローン担保証券(MBS)などを不当に高く格付けしていたとされる2つの訴訟で、S&Pの親会社で米出版大手のマグロウヒルは3日、和解金として司法省などに総額15億ドル(1760億円)を支払うことで合意したと発表した。
 S&PはMBSへの格付けを求める金融機関などとのビジネス関係からの影響を受けているにもかかわらず、投資家にS&Pとして独立した格付けであると説明していた。また、MBSなどの価格下落リスクが大きくなっていることを知りながら、格下げなどの適切な措置をとらなかった。
 司法省は同様の疑いで格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスの調査も行っていると報じられている。

トマ・ピケティ氏
 世界的ベストセラー「21世紀の資本」の著者でフランスの経済学者。パリ郊外生まれの43歳。米マサチューセッツ工科大の助教授などを経てパリ経済学校教授。昨年、米国でベストセラーとなるなど、すでに世界で約150万部が発行された。昨年12月には日本版も発行され、税込み5940円の高価な専門書としては異例の13万部を突破した。
 ピケティ氏は1月31日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、日本経済について「低成長の中で格差が広がっている」と警鐘を鳴らした。ピケティ氏は「若い世代を利する税制改革を行うべきだ」と述べ、資産に対する累進課税の導入や低所得者層への社会保障の拡充を主張した。

政党助成金廃止
 共産党が1月26日、衆院に政党助成金廃止法案を提出した。国政政党は毎年総額約320億円を政党助成金として受け取っているが、共産党は拒否している。同党は昨年12月の衆院選で21議席を獲得し、予算を伴わない法案を出す議案提案権を獲得しており、今回がその第1弾。

秋葉原無差別殺傷事件
 平成20年6月8日午後0時半ごろ、東京・秋葉原の歩行者天国にトラックで突っ込み、7人を死亡、10人に重軽傷を負わせた無差別殺傷事件。殺人罪などに問われ1、2審で死刑とされた元派遣社員、加藤智大被告(32)の上告審判決で、最高裁第1小法廷は2日、「残虐な態様により敢行された無差別殺人事件で社会に与えた衝撃は大きく、遺族らの処罰感情も峻烈。被告の刑事責任は極めて重大だ」として、被告の上告を棄却。死刑が確定した。弁護側は責任能力を争っていた。