大谷ノブ彦 カタリマス! (裏) 第30回 離婚の危機。どうにか、回避。

 嫁とけんかしました。けんかはよくあることなんだけど、今回はすごいやつ。離婚を考えました。お互いに感情をぶつけ合い、結局いつものように僕が家を出ました。そのまま地方で仕事もあったので、3日間ぐらい家に帰りませんでした。

 家を飛び出した直後は、子供にいいメシを与えてくれる人、面倒を見てくれる女性を早く探さなきゃなんて、具体的なことまで考えてましたが、時が経つにつれて罪悪感も出てきました。そしたら、縁みたいなものなのかな。大分にいる弟が連絡をくれたんです。娘のリクエストでディズニーランドに来ちゃったって。それと、母ちゃんも年を取ってきたせいかカリカリしてるから連絡してやってよって。

 言われるままに母親に電話しました。最近どう?っていうのから始まって、この夫婦の危機についても相談。「そうなるような気がしてた」なんて聞いてくれていたんですけど、そうなったのは僕のせいでもあるって言うんです。僕は家を空けることが多いし、子供の面倒を見るのは自然と嫁さんばかり。嫁さんも、寂しい思いをしてるからお酒も飲みたくなるんだよ、と。母親が言うことも間違ってはないんですけど、僕としてはそれにしてもどうなんだって思うところもあるんです。

……で、家に帰りました。謝る? いや、それはできません。『キキマス!』でも話したけど、キッチンで食事の用意をする嫁を後ろから抱きしめて「…僕が悪かった」。それは僕がやることじゃないでしょう! 帰宅したとき、早々に寝に入っていた嫁と息子に「もう寝てるのか〜?」って何もなかったように、陽気なお父さんな感じで声をかけて、「何か食うか?」と息子とよく行っている近所の鰻屋にメシを買いに行きました。僕と息子、そしてのそのそと起きてきた嫁でうなぎを食べます。会話は僕と息子の間だけで、嫁はだまって食べています。

 息子を先に寝かしつけると、二人きりになりました。僕はごめんとは言いたくない。たぶん、嫁も言いたくない。寝たふりでもするかと思いつつ、僕は嫁の足裏マッサージを始めました。「疲れてるんだろう?」と、足裏を揉みます。嫁は「痛いよ、やめてよ」。僕は「体が悪いから痛いんだよ」と続けます。そのうち、嫁が「痛い! 痛い! ごめんなさいっ!」。この「ごめん」を嫁が謝ったと都合よく理解したんでしょうか、なんか気持ちが晴れたんです。さらに嫁の足裏を揉み続けました。スマホで足裏のツボを調べ、「…ここが痛いのは肝臓だって。ほら、不摂生してるからだよ…」。

 以前、番組にも来てくれた動物博士の新宅広二先生が言ってました。動物にもいじめはあるんだけど、彼らは仲直りの方法を知ってるって。グルーミングとかね。仲直りはやっぱり触ること、触らないとダメなんだって思いました。

 離婚の危機、とりあえずは回避できたようです。でも、きっとまた同じことが起きるんだろうな。
kikimasu.jpg大地洋輔との本格派漫才コンビ・ダイノジで活躍。個人でリポーターや司会、DJ活動なども行う。1972年生まれ。
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