政治・経済・地域それぞれの観点で無電柱化への問題点を議論

 日本の無電柱化の促進を目指す「無電柱化民間プロジェクト」実行委員会が18日、豊島区で「無電柱化シンポジウム in 豊島」を開催した。

 シンポジウムには本紙コラムニストで自民党無電柱化小委員会委員長の小池百合子衆議院議員、国土交通省の深澤淳志道路局長、東京都技監で建設局長兼務の横溝良一氏、高野之夫豊島区長ら“国・都・区”のキーパーソンが集まった。

 パネルディスカッションでは小池氏が防災や高齢化といったさまざまな観点からの無電柱化の必要性を説明。しかし現在でも1年で7万本増加している状況をあげ、「新しい電柱は作らないという覚悟が大事」と訴えた。

 政策面では小池氏が、コスト面では深澤氏が現状とその対策・課題を説明する。そんななかモルガン・スタンレーMUFG証券株式会社、チーフエコノミストのロバート・フェルドマン氏からは経済的・ビジネス的な見地から刺激的な提案がなされるなど、活発な意見が飛び交った。

 最終的には「住民の理解と協力」「工事の低コスト化」「大胆な予算の配分」といった問題点が再認識された。

「国際アート・カルチャー都市」という都市像を掲げる豊島区では、「電柱のない街こそカルチャー都市にふさわしい」という考えのもと、将来的に区全体での無電柱化を目指していくという。