武田梨奈 頭突きで瓦を割る美少女が今度はセクシーな警察官に!?

アクション女優としても活躍中の武田梨奈主演の映画『原宿デニール』が公開される。最近はアクションだけではなく、さまざまな作品で女優としての存在感を出してきた武田。映画について、そして女優としての決意について語る。

アクションは大切な武器。
でもそれなしでも女優として認められたいと思っていた。

 来月公開される『原宿デニール』は、原宿の街を舞台に、そこに住む人、来る人、働く人らを切り取り描く群像劇。武田は駐車違反を取り締まる肉食系婦人警官を演じる。それぞれの人生が原宿で交錯し、物語は意外な方向へ向かうのだが…。

「最初に台本をいただいて読んだ時には、どういうストーリーなのか分かりませんでした。登場人物に一見何の関係もないそれぞれのストーリーがあって、それが最後に意外なエンディングを迎える。撮影が終わり、全部つながった作品を見て、 “こういうことだったんだ”って分かった部分もありました(笑)。私もですが見ていただいた方は多分、もう1度見たいと思うんじゃないでしょうか。エンディングを踏まえて見ると、違った作品を見ているようで楽しめると思います。また監督の遊びも分かりますし(笑)」

 監督はテレビのディレクター、演出家・映画監督のタカハタ秀太。

「監督はアドリブがすごかったです。本番中、カメラを回している時に、演出をされるんですね。だから最初は戸惑いました。カメラが回っているのに大丈夫なのかなって。回っている時に大きな声で「○○って言って」とか言うので、声がばっちり入ってしまっている(笑)。でもそこはうまく編集で切ってつなげていましたけど、そういう現場が初めてだったので、すごく新鮮ではありました。でも一番最後のシーンで、ちょっと私が下ネタを言うシーンがありまして(笑)。それも台本に一切書いてなくて、カメラが回っている時に監督が「武田、○○って言って」って言われて、とっさに口にしてしまったセリフなんです。当日までふせられていましたが、監督のアドリブということで、まんまと言わされてしまいました(笑)。あと、ラブシーンも苦労しました。仕事ですから緊張とかはなく割り切れていましたが、肉食系女子の役なので、私から攻めてほしいと言われて…。しかも普通のキスシーンではなく、ダイソン並みのキスをしてほしいと言われたんです(笑)。そんなのどうやってやるんですかって監督に聞いても自分で研究してきてって言われたので、YouTubeとかでいっぱい調べてラブシーンに挑みました(笑)。あれはすごく難しかったですね」

 共演者は日韓のユニットで原宿発がけっぷちアイドルBEE SHUFFLE、キングオブコメディの今野浩喜など多彩な顔ぶれ。

「一番最後のシーンでちょっこっとだけ出演者がみんなで揃ったんですが、それまではそれぞれのシーンが多くて、なかなかほかの役者さんと絡む場面はなかったんです。BEE SHUFFLEのミンス君と同じ警察官役のシュウタ君と今野さんぐらいでしたね。今野さんは本当に面白い(笑)。私は結構人見知りをするほうなんですけど、今野さんには頑張って話しかけたり、いろいろぼけたりしていたら、それを全部拾って下さって。優しい方だなと思いました。2人でやっているシーンはほとんどがアドリブ。台本には“2人でいちゃいちゃ”とか書いているんですけど、監督からセリフはその場でやって下さいと言われていました。いちゃいちゃ…ってどうしようと思ったのですが、今野さんは胸毛がチャームポイントらしいので、取り合えず胸毛を抜いてみようと(笑)。BEE SHUFFLEの方たちはすごくパワフルでとっても元気がいいんですよ。ですからこちらも元気になるというか、自然とテンションが上がりました。日本語もすごく上手で、人見知りの私がまったく人見知りすることなく、ファミリー感あふれる方たちだったので、現場で助けられたこともいっぱいあります」

 アクション女優としてキャリアを積んでいた武田を一躍有名にしたのが、カード会社のCM。美少女が頭突きで瓦を割るというインパクトで、話題をさらった。

「あのCMに出てから、“ブレイクしてきたね”って言ってくださる方もいたんですけど、自分では全然そんな感じはしていませんでした。でも最近では街を歩いていると、名前を言ってくださる方とかがいて、たくさんの人に知ってもらえているのかも…とちょっと実感してきました。90歳ぐらいのおじいちゃんやおばあちゃんに声をかけられると、なんで私のことを知っているんだろうって不思議な気持ちでしたが、そのぐらいあのCMはインパクトが強かったんだなって。瓦を頭で割るって最初に聞いたときは、さすがに空手でもそこまでしないので、無理だろうと思いましたが、でもこの業界でそれをできるのは私しかいないと。それで絶対にやりたいですと言いました」

 最近ではアクション以外の活躍も目立つ。

「今までアクション女優としてやってきて、そういうイメージが強いと思うんですけど、最近はありがたい事にいろいろな役をやらせてもらってます。今年公開される映画も8本ぐらいあるんですが、ほとんどがアクションのない作品です。それらは今まで私が表現したことがない役だったりするので、そういう意味でも違う武田をどんどん出して、いい意味でみなさんの期待を裏切りたい。昨年は日本映画プロフェッショナル大賞で新進女優賞を、ゆうばり国際映画祭ではニューウエーブアワードをいただくなど、アクション以外でも見ていただける機会が増えてきたので、役者としてもっともっと積極的にやっていきたいです。今までは、自信がなかったのもあって、職業を聞かれても女優ですと言い切れない感じがあったんですが、今は女優とかアクション女優とかのくくりは取り払い、1人の表現者としてこれからも前向きにひとつひとつの役に取り組んでいきたいと思っています」
(本紙・水野陽子)

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『原宿デニール』
5月16日、ユナイテッド・シネマ豊洲ほか全国順次ロードショー【出演】武田梨奈 BEE SHUFFLE 麻宮彩希/今野浩喜(キングオブコメディ)ほか【脚本・監督】タカハタ秀太【公式HP】http://hara-deni.jphttp://hara-deni.jp