松井愛莉、ディーン・フジオカが参加。“今のふくしま”を伝える実話アニメ

 東日本大震災から5年。福島県の“今”を伝えるオムニバスアニメ『みらいへの手紙〜この道の途中から〜』の完成披露試写会が15日、都内にて実施。作品に参加したモデル・女優の松井愛莉、製作に携わった福島県クリエイティブディレクターの箭内道彦、アニメ制作を担当した福島ガイナックスの浅尾芳宣代表取締役、内堀雅雄福島県知事らが登壇した。

 本作は、震災以降に県内で起きた出来事や県民のさまざまな思いを伝えたいと、実際のエピソードを10話のアニメにしたオムニバス作品。

 冒頭、内堀知事は「来月で震災から5年。今の福島がどういう状況か尋ねられたとき、私は光と影が混ざり合っている現状をありのままに話すが、なかなか伝わりづらい。今、福島では風評と風化という矛盾した現象が同時に起きている。どうしたらと悩んでいたところ助っ人が現れて“アニメでありのままを伝えてみては”とアイデアを出してくれた」と明かした。箭内は「“あの日を忘れない”とよく言われるが“今を知る”のも風化に対抗する手立てになる」と製作に込めた思いを語り、浅尾も「どのエピソードもあえて完結させていない。自分たちも答えが見つからないものもそのままアニメにした。福島は次のステップに踏み出す途中なんだと伝われば」と語った。

 また各話のタイトルコールを担当した松井は「私も10通の“手紙”を通していろいろな角度から今の福島を知ることができた」と語り、中でも「『カツオカンバック』の中でマリンタワーが描かれていてうれしかった」と地元出身ならではの感想を語った。また、本作にはストーリーテラーとして今ブレイク中のディーン・フジオカも参加。この日はビデオメッセージで「ときに一言一言の重さに声が出なくなりそうな思いも感じたが、自分が子供のころに行った場所を思い出すきっかけになった」と本作への思いを寄せた。

 本編は福島県公式You Tubeチャンネルまたは特設サイトにて随時公開。アニメのテイストや表現もそれぞれ異なる十話を通して、人ぞれぞれに異なる思いを抱えながらも、未来へ踏み出そうとする福島の今を見つめてみては。

『みらいへの手紙〜この道の途中から〜』
【URL】 http://miraitegami.jp/