不可解判定にハリル監督は「審判に聞いてみてほしい」

審判に抗議するハリルホジッチ監督(右)(写真:徳丸篤史/アフロ)

 サッカーの2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選の初戦で日本は1日、埼玉スタジアムでアラブ首長国連邦(UAE)と対戦。1?2で逆転負けした。

 日本は前半11分に清武のフリーキックを本田がヘッドで合わせ先制点。上々のスタートを切ったが、19分には吉田がペナルティーエリア際の正面でFKを献上。これをUAEのハリルがゴール右上に直接決め、同点。後半8分には、この日A代表デビューで先発に抜擢されたMF大島がペナルティーエリア内でアルハンマディを倒してしまいPKを与えると、これをハリルがきっちりと決めリードを許した。

 まだ試合時間は30分以上残っており、日本も反撃したが、32分の浅野のシュートがゴールラインを割っていたにもかかわらずノーゴールと判定されるなど、最後まで不可解な判定に泣かされた。23分に宇佐美がペナルティーエリア内で倒れた場面で笛が吹かれなかった時は、ハリルホジッチ監督がピッチ内にまで入って怒りをあらわにした。

 試合後、ハリルホジッチ監督は「心の底からガッカリしている。この結果で我々の実力が示された。これを受け入れるしかない。ボールをより早く動かしてほしいと要求したが、残念ながらできなかった。我々が望んだプレーを実行できなかった。相手のほうがリアリストだった」と振り返った。そしてノーゴールと判定された浅野のシュートをはじめ審判のジャッジについて問われると「私は誰が笛を吹くのか知りたいと常に要求していた。しかし、我々の関係者は誰も直前まで誰が笛を吹くか把握していない体たらくだった。我々はしっかり点を取った。しかし、受け入れられなかった。彼らはPKを吹いてもらって、我々も吹いてもらえる状態ではあったが、あのようなジャッジで残念だ。普通はラインを越えたらゴールだと思う。それは審判に聞いてみてほしい」とジャッジへの不満を口にした。

 マンオブマッチに選ばれた本田も会見し「この1試合ですべてが終わるわけではないことをポジティブに受け止めたい。残り9試合、すべて勝つつもりで気持ちを切り替えたい」と語った。そして問題の浅野の幻のゴールについては「真横で見ていて入ったのが分かっていた。ピッチ上では覆るかな、と思って言いましたが、今からは覆らないので、どうこう言うつもりはない。この先こういうことが起こらないように。例えば疑問に思ったのが第4の審判がなぜいないのか。すぐに探したんですけど、ラインズマンしかいなかった。そこにまず疑問を感じた。言い訳をするつもりはないが、どこのチームも強くなっている中で、簡単にいかない試合がこの先もあるということを分かったうえで、そういうところのレベルも求めたい」と話した。