Special Interview 高梨 臨

今度はゆっくり岡山観光を…でもやっぱり赤磐に戻りたいかな(笑)
 日本の第一次産業で働く人々の姿を描く『種まく旅人』。その第3弾は『半落ち』『陽はまた昇る』の名匠・佐々部清が、岡山県赤磐市の桃農家を舞台に描く、夢と絆の物語! 亡き兄の夢を受け継ぎ桃の新種登録を目指す主人公を演じるのは、巨匠アッバス・キアロスタミ監督作『ライク・サムワン・イン・ラブ』に主演し注目を集め、ドラマ『花子とアン』『不機嫌な果実』など話題作に出演が続く高梨臨。ロケを終えて赤磐が第二の故郷に!?

撮影・蔦野裕
「地方ロケはけっこう大変だったりするんですけど、今回、赤磐で撮影した3週間は本当に楽しくて、東京に戻るのが名残惜しくなるほどでしたね」と、とびきりの笑顔を見せる高梨臨。今回の岡山県赤磐市でのロケは、とても充実したものとなったと振り返る。

 今回、高梨が演じたのは亡き兄の夢を継ぎ、桃を育てる主人公。

「私が演じた片岡彩音は、女優になるという夢をあきらめて地元に戻ってきて、赤磐市役所に勤めながら、亡き兄の夢を受け継いで桃農家もやっているという、すごく大変なことをこなしている女性。とても強い子なんだろうなという印象を持ちましたね。ただ、強いからこそ一人で頑張りすぎてしまうところがあるんです。そんな彩音が、斎藤工さん演じる治との出会いや、地元の人々との触れ合いを通して、自分は一人じゃないということに気付いていく姿を、等身大の演技で表現できれば、と思いました。あとは桃の扱いですね。本当に触れるのも怖かったんですが(笑)、農家の方に指導していただきながら頑張りました。撮影中は、桃やマスカットなどの差し入れを連日頂いて、幸せでしたね(笑)」

 女優になるという夢をあきらめて家族ために桃農家となった彩音の思いを、どう受け止めた?

「私自身、子供のころからいろんな夢を持っていました。学生のころは漫画家になりたかったんですよ。自分でノートに自作の漫画を描いていた時期もありました。でも自分には漫画の才能が無いことに気づいて、本気で目指す前にあきらめたんです。でもその後、スカウトをきっかけに芝居の道に進むことになったので、夢をあきらめたというより新しい夢ができたという感じです。女優になってからも、夢というか目標が次々とわいてくるので、夢が無くなることは無いですね(笑)。きっと彩音も新しい夢を手に入れたことに気付いたんじゃないかな、と思います」

 佐々部清監督の印象は?

「第一印象は厳格そうで、厳しい方なのかなと思ったんですけど(笑)、実際はとても気さくで役者やスタッフみんなに愛情を持って接してくださる方でした。私は昭和のころの古い日本映画が好きで小津安二郎などの作品をよく見るんですけど、佐々部組の現場では、なんだかその憧れの世界に自分が立っているような感覚になりましたね。監督はまさに良質な日本映画を作り続けてきた方ですし、佐々部組のカメラマンやスタッフさんもベテランの方々ばかり。そういう現場でお芝居できたことは、本当に勉強になりました。完成した作品を見て改めて、佐々部監督は、人をきちんと描く方だと思いました。赤磐という土地を舞台にしながら、人と人のつながりのなかで生まれる物語を大切に描いている。佐々部監督のお人柄もあるのかもしれないですね。映画の現場に慣れていない役者さんがいても、現場になじめるような環境を自然と作ってくださるんです。カラオケに誘ってくださったりして(笑)」
撮影・蔦野裕
 一見、軽そうなエリート官僚・治に反感を抱いた彩音。しかししだいに2人は心を通わせていき…。

「斎藤さんとはこれまでにも共演した経験があるので、すぐに息の合ったお芝居ができたと思います。本当に面白い方なので、いつもみんなを和ませてくれますし(笑)。私も斎藤さんも映画好きなので、撮影の合間は映画談議で盛り上がっていました。斎藤さんは佐々部監督の作品もすごくよくご覧になっていて、いろいろお薦めも教えてもらいました」

 印象的だった赤磐の風景とは…。

「桃畑の防蛾灯です。夜明け前に防蛾灯を点けるシーンの撮影を行ったんですが、着いた瞬間、本当に幻想的な光景が広がって本当に感動的だったんです。これまで防蛾灯というもの自体、知らなかったんですが、あの光景はもう忘れられないですね。ホテルやコンビニが無かったりもしますけど(笑)、赤磐の風景は私には特別なものになりました。岡山に来たら、また赤磐に戻りたいです(笑)。農家の方やエキストラさん、協力してくださった地元の方々にまたお会いしたいですし、何よりこの映画の感想を伺ってみたいです。あと私はランニングを習慣にしているんですけど、桃の香りに包まれながら走ったら、とても気持ちいいだろうなと思いますね!」
c2016「種まく旅人」製作委員会
『種まく旅人?夢のつぎ木?』

監督:佐々部清 出演:高梨臨、斎藤工他/1時間46分/アークエンタテインメント配給/10月22日より岡山県先行公開  https://tanemaku-tabibito.com/https://tanemaku-tabibito.com/  
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