全日本空手道選手権 男子は入来が初優勝 女子は将口が4度目の優勝

男子決勝は入来(右)が本戦で勝利を決めた(撮影・蔦野裕)
「第48回オープントーナメント全日本空手道選手権大会」の2日目(23日)が東京体育館で開催され、男子の3回戦以降、女子の準々決勝以降が行われた。

 男子の決勝は入来建武と島本雄二の間で行われ、入来が5-0で勝利を収め優勝を果たした。

 2人が決勝で対戦するのは昨年の全日本、世界大会に続き3試合連続。これまで4度対戦し1度も勝ったことがなかった入来はついに島本越えを果たした。
 試合は入来が徹底的な下段蹴りで攻めまくる。島本も突きで応戦するも、入来は手数でも圧倒し、島本に付け入る隙を与えなかった。
 試合後の会見で入来は「島本選手と戦って初めて勝って優勝できた。ただただうれしい。世界ウエイト制を見据えて、ここで優勝しないといけないと思っていて、無事優勝できてほっとしています」と話した。また今大会を振り返って「岡田選手とは3度目の対戦でしたが、かなり強くなっていて、気が抜けない相手だった。前田選手との試合は、むきにならないように、相手に合わせないようにしっかり自分のペースを守って戦ったらうまくはまった。山田選手は下段が強い印象があったので、もらわないようにケガをしないように、受けとさばきをしっかり意識して自分の攻撃意をしっかり当てて、最後はしっかりまとめることができた。島本選手は準々決勝、準決勝とすごく厳しい試合をしていたので、試合をしたときに“いつもとは違うな”とは思いました。でも試合なのでしっかりと攻めた。勝てて本当に良かった」と話した。
島本(右)は準決勝で前田勝汰と対戦。延長戦の終盤、前田が「見えなかった」と振り返る左の上段回し蹴りで技ありを奪い勝利を収めた(撮影・蔦野裕)
 一方、島本は「1年ぶりの試合でプレッシャーとか緊張は感じていないつもりだったんですが、稽古をしていないと落ち着かないという時期が続いていたので、結果的にオーバーワーク気味になっていた部分もあった。そういう面で学ぶことがあった。緊張感を乗り越えることで、この部分で成長できたのかと思う」と話した。会見場に足を引きずってやってきたのだが「攻撃のダメージはなく、自爆だった。体は元気です。準々決勝の加藤選手との試合で序盤、蹴った瞬間に足に力が入らなくなって、そこから蹴れなくなった」と右足を痛めての戦いだったことが分かった。

 そして決勝については「パンチはしっかり打てたので、パンチで効かせていこうと思ったんですが、それだけでは勝てないくらい強い選手だった。そんなに甘くはなかった。1年間で強くなったという自信があったので、みなさんに見せたかった。決勝で負けて悔しい」と無念さをにじませた。
将口(左)は下段、中段、そして膝と多彩な蹴りを見せた(撮影・蔦野裕)
 女子の決勝は菊川結衣と将口恵美の間で行われ、将口が再延長の末、4-0で優勢勝ちを収めた。
 菊川は昨年の全日本で準優勝、世界大会でも4位に入るなど進境著しい18歳。

 将口は全日本を3度制し、2011年の第10回世界大会では優勝を果たした女子の第一人者。しかし、2012年を最後に全日本の優勝から遠ざかり、昨年の世界大会での引退をも考えていたが師匠ら周囲の後押しもあり現役を続行。今大会はノーシードから決勝に上がってきた。

 試合は菊川が初戦から変わらぬ回転の早い突き、ヒジを繰り出すが、将口も応戦。時折交える下段蹴りが効果的。終盤、菊川がラッシュするも、本戦は0-0で引き分け、延長へ。体ごとぶつけるような菊川の突きに対し、将口は下段蹴りで前進を止めると、ボディーへの強烈な突きで菊川の動きを止める。

 しかし、ここでも0-0と決着はつかず、再延長戦へ。これまで将口が放ってきた下段がじわじわと効いてきた菊川の突進力が鈍ったところで、将口が怒涛の下段のラッシュ。中段でぐらつかせ、4-0で優勢勝ち。4年ぶりに全日本を制した。
 将口は試合後の会見で「世界大会後に一度引退を決めたが、そこから師範などからもう一度続けてほしいと言われ、自分自身も世界大会には悔いが残っていたので、もう一度チャレンジしてみようと思い、出た大会。本当に優勝できるとは思っていなかったのでびっくりした」と笑顔を見せた。

 そして「日ごろから“練習していることを試合で出せれば絶対に強い”と言われていたので、技術面というより気持ちの面を今回はうまく回せることができた結果なのかと思う」と今大会の戦いを振り返った。しかし再延長で勝利の決め手となったと思われる左の中段蹴りについては「全然覚えていない(笑)。蹴ったかな…覚えていないです」と話す。

 決勝が10代の世代がひとつ違う選手との戦いになったことについては「木村選手と戦う前に“アラサー対決だね”とか2人で言っていた(笑)。今、女子は若い選手が出てきているので、意地とかは特にないですが、組み手の内容は突いて蹴って受けをしてという自分のペースでやるようにした」と話した。

 優勝は2012年以来とあって「怪我も負けもあった。頑張っていても結果がついてこないというのは初めてだった。精神的につらい時期もあったが、家族とか師範は自分のことを信じてくれて“まだやれる”と思ってくれていた。今回結果が出せたので、続けてよかった」と改めて勝利の余韻をかみしめた。