ZST王者・伊藤盛一郎がRIZIN出場勝ち取る

伊藤はケージに上り、ファンに勝利をアピール(撮影・神谷渚)
「GRANDSLAM 5」(11月3日、東京・ディファ有明)のメーンでZSTのフライ級王者・伊藤盛一郎と修斗の世界バンタム級2位の内藤頌貴が対戦。
 伊藤が2R4分59秒、ニンジャチョークで一本勝ちを収めた。

 1Rはやや力みが見られた伊藤は内藤のパンチを被弾しフラッシュダウン。内藤にバックを許し、いきなりピンチを迎えたが、冷静に対処し、再びスタンドへ。
 攻撃に転じた伊藤だが、タックルも踏み込みが弱く、タックルを切った内藤のパンチで伊藤がまたも尻もち。動きが硬い伊藤にセコンドの勝村周一朗から「もっと動け!」と指示が飛ぶ。
 徐々に本来の動きを取り戻した伊藤は右フックをヒットさせると、内藤は左目じりから出血。ドクターチェックが入る。
 再開後、伊藤はタックルの仕掛けを増やしつつ、パンチでも積極的に前に出るが、内藤のカウンターを食らう場面も目立ち、全体的に動きが硬い印象。
【写真上】伊藤(奥)のニンジャチョークで内藤が失神 【写真中】勝利の瞬間、飛び込んできた師匠の勝村(右) 【写真下】榊原代表の「大晦日に待っています」の言葉に泣き崩れた(撮影・神谷渚)
 しかし2Rになると伊藤は硬さもとれ、動きが一変。いきなり右ストレートをヒットさせる。相変わらず伊藤のタックルやパンチにカウンターを合わせる内藤だったが、伊藤は構わず前へ出ると組みついて首投げでテイクダウンに成功するなど、試合をリードし始める。
 ラウンド終盤に伊藤の左フックで内藤が尻もち。詰めた伊藤がパウンドの連打を放つが、しのいで立ち上がった内藤も応戦し、足を止めての打ち合いに。
 伊藤はタックルから上のポジションを取ると、腕十字にいくが内藤のクラッチが切れず、再度スタンドへ。
 内藤もパンチで前に出るが、すでにフラフラの状態。カウンターで伊藤のパンチが入ると、内藤は片足タックルに活路を見出そうとしたが、伊藤はがっちりとニンジャチョークにとらえる。残り時間が10秒を切る、ギリギリのところで内藤が失神。2R4分59秒で伊藤が一本勝ちを収めた。
 この試合は、かねてから年末のRIZINへの出場を熱望していた伊藤に最後のアピールチャンスとして、師匠の勝村が組んだ試合。勝村は勝負が決した瞬間にケージに飛び込み、伊藤を祝福した。
 そして伊藤がケージサイドで観戦していた榊原信行RIZIN代表に、改めて参戦を直訴すると、榊原氏も「大晦日に待ってます」と快諾。
 伊藤はその場で泣き崩れたが、最後は「年末は所(英男)さんと勝つのでよろしくお願いします」と改めてファンに誓った。 

 試合後、伊藤は「自分の試合はいつも序盤にピンチを迎えてからの逆転劇。今日もいつもどおりの自分らしい試合だった。マットが滑るのが気になって動けなかった。1R目のフラッシュダウンも足が滑っただけ。タックルも足が滑ってあと一歩が踏み込めなかった。特に効いたパンチはなかった。でも2Rに入ると体もあったまってきて、パンチも見えるようになってきた。最後は気持ちで、絶対に負けないと思った。残り時間がないのも聞こえていたが、練習していたニンジャチョークが無意識のうちに出た。相手の苦しそうな声が聞こえたし、落ちたのも分かった。でも最後はしんどくて立てなかった」と試合を振り返った。
 RIZIN出場に関しては「ホントに良かった。自分のために勝村先生も所さんもZETの実行委員会の人も、公開練習などでプッシュしてくれた。ファンの皆さんもジムの人、家族、友達もみんな応援してくれたので、泣いちゃいました(笑)。でも年末はもっと強い相手があてられると思う。年末の試合の時には23歳になるので、最初の試合で人生最高の試合が見せられたらと思っています。相手は日本人でも外国人でも誰でも大丈夫です」と話した。
【写真左】山田哲也は1R1分10秒で一本勝ち。こちらもRIZIN出場をアピールした 【写真右】所英男は大澤茂樹とグラップリングルールで対戦(撮影・神谷渚)