広瀬アリス 2017年1月『世界』で初舞台に挑む

女優の広瀬アリスが2017年1月、『世界』で初舞台に挑む。現在、絶賛稽古中の広瀬に初舞台のこと、女優として駆け抜けた2016年、そして2017年以降の女優としての未来図を聞いた。
ヘアメイク・宮本愛/スタイリスト・櫻井まさえ/撮影・蔦野裕
 2015年まで広瀬アリスを紹介するときは「モデルで女優の」という枕詞がついていた。昨年末に雑誌「Seventeen」の専属モデルを卒業。女優に専念した2016年は出演した映画が4本公開と、女優・広瀬アリスを確立した1年となった。

「駆け抜けたという感じがします。いろんな作品に出させていただいて、いろいろな役をやらせていただきました。 “女優一本でいきます”と言わせていただいてからの1年だったので、この1年はとても大事だと思っていました。いろいろな作品をやるなかで、つらいときもあったんですけど、やっと今年1年で自分のお芝居のリズムのようなものがつかめたように思います」

 公開中の映画『L -エル-』では単独主演を務めた。ヘビーなストーリーだった。

「こんなにダークなトーンの映画ってあるんだな、って思いました(笑)。エピソード1個1個のパンチがすごすぎて、私もついていくのに必死でした(笑)」

 特殊な設定にCGのシーンもあり、演じるにあたり大変そうだった。

「360度グリーンバックでの撮影というときもありました。やっぱりグリーンバックを前にして泣いたり笑ったりというのは結構大変でした。自分たちも完成したものを見るまでどういうふうに仕上がっているのかさっぱり分からなかったですね」

 なんとかやり切った?

「いえ、やり切ったというか…。私、満足したことが今まで1回もないので何とも言えないんですけど、ひとつの挑戦としてやらせていた部分もあって、そういう意味ではすごく大きい経験でしたし、Lを演じながら“自分ってこういう時にこういう芝居をするんだな”といった新しい発見もたくさんありました」

 満足したことがない?

「完成したものを見た時に、あそこはもっとこうできたかもしれない、とかいつも思います」
 今回初舞台。挑戦のきっかけは?

「事務所の先輩の鈴木杏さんや勝地涼さんの舞台はかなり見にいかせていただいていたんです。なので、いつか自分もやりたいなとは思っていたんですが、まだまだ先かな、とも思っていたんです。でもこのタイミングでお話をいただいて…もう焦りしかないです(笑)。どうしよう、みたいな」

 オファーをもらった時は“よし、やってみよう”という感じ?

「自分が舞台をやるという現実味があまりなかったんです。お話をいただいたのは今年の夏に『巫女っちゃけん。』という映画の撮影で福岡に滞在している時に電話でだったんです。なので映画に集中しちゃっていて、“よし舞台だ!”という感じではなく“ああ舞台か”くらいの軽い気持ちだったんですけど、時間が経って取材とかポスター撮り、そして稽古が始まって、今は現実味しかなくて、“まずい、まずい”って感じです(笑)」

 今まで舞台を見た中で好きなジャンルなどはあった?

「ジャンルは問わずです。私はその場の空気感というか緊張感が見ていて伝わってきたりとか、出演者もお客さんも含めての会場内の一体感が好きだったんですけど、いざ自分が出るとなると、それってとんでもないことなので、どうしようと思っています」

 さて、絶賛稽古中。今のところ“これはなんとか予想の範ちゅうだな”とか“これは予想を越えてるな”というのは? 

「ついていくのに必死なので、そこまでは考えられないんですが、自分の役が最初に言われていた役から最近変わりまして“おっ!”と思いました(笑)。“あっ、風俗嬢なんだ”って(笑)」
 風俗嬢役って、なかなか難しい。
「かなり別世界ですから。でもネットで調べていたら、お客さんとの距離感とか、仕事中に彼女たちがどういうことを考えているのか、なぜこの世界に入ったのかとか、風俗嬢の方のインタビュー記事のようなものがたくさん出てきたので、そういうものを読みながらいま役作りに生かそうとしています」

 共演者の大倉孝二のツイッターに稽古場での緊張の様子がつぶやかれていた。

「(笑)本読みの時のことですね。ものすごく緊張したんです。1時間半くらいだったんですけど、なんか…今だから笑って言えますが地獄みたいでした。キャストのみなさんが全員揃ったんですが、映像のそれとはまた違う空気感の中に自分がいるということで変に冷や汗とかかいちゃった。鳥肌も立ってましたし、本当に緊張していたんです。大倉さんが隣にいて話しかけてくれたんですが“あっ…”で終わりみたいな(笑)。会話もできなかった」

 いま現在、怖さとか期待とか?

「怖さ、不安が99%です。テレビでカメラが小説などの文字を追っているシーンってありますよね。最近、夢にそんなシーンが出てきました。脚本に書き込んだ言葉とか線を引いた部分も出てきて、“はっ!!”として目が覚めたことがありました(笑)」

 目が覚めたらもう開演の時間だったという夢を見るという人もいるらしいです。

「一度、稽古場に遅刻する夢を見ました。しかも稽古が休みの日に。焦って起きて、もう眠れなくなってしまいました」

 2017年は1月2日にドラマ『釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助 スペシャル』、11日に『愛を乞うひと』、21日に映画『新宿スワンⅡ』が公開と1月から出演作が目白押し。女優としての目標、未来図なんかは?

「目標ですか…ないです(笑)。ないですというか、こうなりたいというよりも、取りあえず今はいろいろな役をやって自分の引き出しの数を増やしていきたいと思っています」

 では舞台もまた?

「やってみたいとは思います。この初舞台がどうなるかも分からないですけど(笑)。もしかして、1カ月後に同じ質問をされたら違う答えをしてしまうかもしれないです(笑)。“怖いです”って。でも舞台に関してはまず自分が楽しめてやれたらいいなって思っています」(THL・本吉英人)
シアターコクーン・オンレパートリー2017『世界』

【日時】2017年1月11日(水)~28日(土)(開演は火水19時、木金日14時、土14時/19時。水は18・25日14時の回あり。※27日(金)は19時開演。28日(土)は14時開演のみ。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】Bunkamuraシアターコクーン(渋谷)【料金】全席指定 S席1万円、A席8000円、コクーンシート5000円【問い合わせ】Bunkamura(TEL:03-3477-3244=10~19時 [HP] http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/ )【作・演出】赤堀雅秋【出演】風間杜夫、大倉孝二、早乙女太一、広瀬アリス、青木さやか、和田正人、福田転球、赤堀雅秋、梅沢昌代、鈴木砂羽