Krush.76、10代のチャンピオン誕生&涙の復活劇

レオナ・ペタス(左)にハイキックを決める安保(撮影・小黒冴夏)

 立ち格闘技「Krush.76」が5月28日、東京・後楽園ホールで開催。第5代Krush -60kg王座に19歳の安保璃紅が輝いた。また、1月に初の敗退を経験し、Krush女子王座を譲ったKANAが完勝。また、木村“フィリップ”ミノルも1RKO勝利。完全復活をアピールした。

 メインイベントの第5代Krush -60kg王座決定トーナメント決勝は、この試合まで7連勝と絶好調で優勝候補筆頭と言われていたレオナ・ペタスと、プロデビューから現在まで無敗の10代ファイター・安保璃紅が対戦。

 どちらも譲らず3Rまでもつれ込んだが、判定の結果3-0で安保が勝利。伝統ある-60㎏のベルトを10代の安保が手にした。試合後安保は「クリーンヒット数が倍ぐらい違ったのが良かった。お兄ちゃんがレオナ選手のコピーをだいぶしてくれました(笑)。Krushのベルトが似合う男になって、10代の僕が守っていきたいと思います」と誓った。

 またセミファイナルでは、1月にメロニー・ヘウヘスに負けたKANAが、そのヘウヘスにも勝利したことがあるというグレイス・スパイサーと対戦。KANAにとっては大きな敵だが、ある意味リベンジマッチとなる一戦だ。スパイサーが2Rから大量の鼻血を出しドクターチェックを受けるなど、かなり激しい打ち合いとなったが、クリーンヒットの数が圧倒的に多いKANAが判定で勝利。「今日の勝利は練習とたくさん応援してくれた皆さんのおかげで、自信が取り戻せた。KO出来なかったのは、まだ自分の力不足なので、これから女子の新しいキックの時代を作っていけるように、明日からまた進んでいきます」とコメントした。

 そしてもう一人、復活をかけリングに上ったのが木村“フィリップ”ミノル。現在、2連続KO負けと、いいところなしの木村は、KENJIと対戦。1R開始直後から、激しく襲い掛かるKENJIに木村が応戦。1度ダウンを奪うと、続けざまに2ダウンを重ね、見事KO勝利した。勝利の瞬間思わずひざまづいて涙をぬぐう仕草を見せた木村だがマイクを持つといつもの木村節がさく裂「シャー――!!! どうだ、どうだ、どうだ、どうだ! 完全復活!」と絶叫「9月18日、何がありますか? K-1ウェルター級の世界トーナメントは、俺が出なきゃ始まらないでしょ。相手は誰でもいい。絶対俺が優勝するから見てろよ」と、完全復活とトーナメント出場をアピールした。

KANA(右)の右アッパーが鼻血まみれのスパイサーにヒット(撮影・小黒冴夏)
1度ダウンを奪われたKENJI(左)にとどめを刺す木村(撮影・小黒冴夏)