7・30RIZIN 那須川vs才賀は1Rキック、2R総合のMIXルール

対戦する才賀(左)と那須川

 RIZIN FIGHTING FEDERATIONが6月12日、都内で会見を開き「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント 1st ROUND -夏の陣-」(7月30日、さいたまスーパーアリーナ)のスペシャルワンマッチ「那須川天心vs才賀紀左衛門」をMIXルールで行うことを発表した。

 1Rはキックボクシングルール(キックボクシンググローブ着用、ワンキャッチワンアタックまで可)、2RはMMAルール(オープンフィンガーグローブ着用)の5分×2R。インターバルは90秒で、決着が付かない場合はドローとするが、試合中にイエローカードが出た場合はその枚数の差により一方を優勢勝ちとするというもの。

 会見では榊原信行RIZIN実行委員長が「ルールを選手や試合に押し付けるのではなく、ファイター同士の決闘が一番生きるルールは何かなということを考えた。ひとつのルールに押し込んで、このルールでしかやらないというのは他のプロモーションにお任せして、RIZINは常に果し合い、決闘をテーマにその選手たちのポテンシャルや思いが一番試合で生きるルールを追求したいと思っている。那須川天心は日本の格闘技界の宝。いろいろな可能性があるので小さくまとめたくない。枠からはみ出ること上等で大きく羽ばたいてほしいしいろいろなことにチャレンジしてほしい。そんな思いのなかで、キックルールで見たいファン、総合ルールで見たいファンといろいろな声があったが、つきつめて考えると見たいのはド突き合い。この試合に限っていうと、僕は打撃が見たい。やるかやられるかの真剣で切り合うような殺気を見せてほしいし、ファンに届けたいと思ってミックスルールでやることにした。1Rはキックのルールでド突き合う。でもRIZINという舞台だからキックのルールに逃げ込むんじゃなくて、2Rは総合ルール。その中でどこまで打撃戦に持ち込めるのか。紀左衛門も総合という名のもとにグラウンドに行かず殴り合うかもしれないし、いろいろな選択肢がある。1R目が5分。5分あれば天心がキックで倒せなければ嘘だし、倒しにいくだろう。逆に紀左衛門も殴りにいくと思う。1Rで決着がつかなかったら2R目は総合ルールで5分。互いに真剣で切り合って10分戦って決着しなかったらノーサイドでいいかなと思う。ただ決着はつくと思うし、お互いにつけると思う。ファンのいろいろな思いをルールというものを先に考えずに、何が一番見たいかというところにポイントを絞って決めた自信のある、RIZINならではのこの2人ならではの、いいところ取りをしたルール。2人ともごちゃごちゃ言わず、ファンが望むなら、と受け入れてくれた」とこのルールに決まった経緯を説明した。

那須川(右)は才賀(奥)に見せつけるかのように強烈なキックをミットに叩き込んだ

 那須川は「2Rあるが、2R目はいらない。1Rで倒すつもり。もし2Rになってもしっかりと打撃を見せて、皆さんの喜ぶ試合をして、メーンを食うような大会一の試合にしたい」、才賀は「天心は天才だと思うし、僕も天心のファンなのでこういう試合ができるのはすごくうれしい。でも自分が立ち技でやられる気は全然しない。俺もしっかり1R目に倒しにいって、2RのMMAになったら俺のほうが先輩だからMMAの厳しさを教えられたら」とそれぞれコメントした後、会見を中断し公開練習へと移行。

 対戦する選手の前で練習を行うという普段では見られない状況のなか、那須川はシャドーとミット打ちで2分×2R、才賀はミット打ちを2分×2R行った。

才賀(右)も奥に座る那須川を意識? 多彩な蹴りを見せた

 練習後、再び行われた会見では那須川が「結構いろいろ隠している感じがした」と話せば才賀は「天才でしょ。速いし凄いし」とすでに心理戦が始まっているよう。

 そしてMIXルールについて才賀は「天心相手なのでチャレンジしていくだけ。俺が得意なのも、天心が得意なのも打撃。MIXだろうがキックだろうがMMAだろうが打撃でガンガンいくだけ。MMAとキックの打撃もちょっと違う。天心は天才だしずっと勝ってKOしまくっている。その天心のキックのルールでやれるというのはうれしい。俺も自信のない試合は受けない。俺は俺で頑張って天心にチャレンジしていこうかなという感じ」と話す。

 一方、那須川は「どんなルールでも良かった。紀左衛門選手は僕が昔からテレビで見ていたころから活躍していた先輩なので、そういう選手と戦えるのはうれしいこと。過去に活躍していた舞台より今の舞台のほうが自分が一回り二回り上がっているだろうという違いも見せていきたい」などと話した。

 体重は57kgで行われるのだが、那須川が「キックの試合なら57でも60でもそれくらいの階級の選手なら倒せる自信はあるのでOKしました」としたが、才賀は「僕は58でやりたかったな(笑)。でも天心と試合ができるということで…うん。焼き肉食べるの今日から辞めます(笑)」と話した。

 また才賀は「天心が相手なので俺はMMAのほうがいいですよね。でもMMAに入っても、いつも俺自身ねちねち引っ付かれるのが嫌だから、俺は自分が嫌なことは人にしないということをお母さんに教えてもらっているので(笑)、殴りにいく。キックで“危な!”と思ったらディフェンスは得意なのでよけます。天心は天才でしょ。何をしても天才。その天才に勝って、“紀左衛門やるな”って言われたい。正直、MMAに関しては天心とやれば自信がある。でもMMAでも俺は打撃に自信があるので、自分に自信のないことはやりたくないからキックでもMMAでもがんがんどつきにいって勝ちます」と話した。