この夏、大人視点で楽しみたい 極上アニメーション映画3選

c2017「メアリと魔女の花」製作委員会
『メアリと魔女の花』

『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』の米林宏昌監督がイギリスの女流作家メアリー・スチュアートにより書かれた児童文学「The Little Broomstick」を原作に描く、新たな魔女の物語。

 魔女や魔法使いというと「ハリー・ポッター」のように魔法が飛び交う世界観をイメージするが、今回の魔女メアリは持ちえた魔法の力に頼らずに歩もうとする少女。明朗で快活だけれど不器用で、毎日に不満を抱えているメアリが禁断の魔女の花と出会ったことで、魔法の力を手にする。しかしそれは仮初めの力でしかなかった。思いもよらない大冒険の果てに、メアリは何を見つけるのか。主人公メアリの声は『思い出のマーニー』では彩香役を好演した杉咲花。天海祐希、小日向文世、満島ひかりといった豪華俳優陣も出演。

 イマジネーション豊かな世界を舞台にしながらも“なんでも魔法で解決”しない魔女から「現実には魔法なんて無いし…」とぼやく大人も勇気をもらえそう。


監督:米林宏昌 声の出演:杉咲花、神木隆之介、天海祐希、小日向文世他/東宝配給/全国東宝系にて公開中  http://www.maryflower.jp/
c2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会
『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』

『Love Letter』『リップヴァンウィンクルの花嫁』の岩井俊二が手掛けて、その後劇場公開もされた実写ドラマを、『化物語』『魔法少女まどか☆マギカ』の新房昭之が総監督を務め、『モテキ』の大根仁が脚本を担当してアニメ化した話題作。ヒロイン・なずな役に話題作への出演が相次ぐ広瀬すず。なずなに思いを寄せる少年・典道役に、声優初挑戦となる菅田将暉。

 大人世代の中には、岩井監督の実写作品をリアルタイムで見た人も多いのでは。甘酸っぱい一夏の思い出を閉じ込めたような、繊細で美しいアニメーション映像を通して、新鮮な感覚と懐かしさに浸ることができる。

 もし、あのときああしていたら…? 大人になればなるほど、ふとそんなことを思う人は多いはず。


総監督:新房昭之 監督:武内宣之  出演:広瀬すず、菅田将暉、宮野真守他/東宝配給/8月18日より全国東宝系にて公開  http://uchiagehanabi.jp/
Les Amateurs, Vivi Film, Cartoon Saloon
『ブレンダンとケルズの秘密』

 デビュー作『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』でアカデミー賞長編アニメ賞にノミネートされ、日本でも絶賛されたトム・ムーア監督の最新作。本作では、実際にアイルランドの国宝となっている9世紀の福音書“ケルトの書”を題材に、本に隠された神秘の力を求める主人公の冒険を描く。

 見どころはやはり、前作をしのぐ美しさのアニメーション映像。今回はごく一部のシーンを除いて伝統的な2Dの手描きで制作されており、中でもケルズの書に施されたケルト文様が万華鏡のように動きだすシーンは圧巻の一言。技術の高さ、表現の豊かさはアニメーションというジャンルを超え、まさに芸術。

 大人世代なら、芸術性の高い映像はもちろん、物語に秘められたテーマや歴史的背景もより深くとらえることができるはず。


監督:トム・ムーア 声の出演:エバン・マクガイア他/チャイルド・フィルム、ミラクルヴォイス配給/
7月29日よりYEBISU GARDEN CINEMA他にて公開  http://secretofkells.com/